ニンジャスレイヤー二次創作【ラン・コワード・ラン】#5

(これまでのあらすじ:ミッション中に思わぬブザマを晒したリフレックス。そんな彼に、変化が訪れようとしていた……)
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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「イヤーッ!」リフレックスは勢いを活かしそのまま回し蹴り!「イヤーッ!」ディプレッションが左の掌で受け止めるようにこれをガード!彼女は微笑んだ。(((シマッタ)))リフレックスは己の失策を悟った。ディプレッションが脚を掴む。そして。66 #4215tk

2015-01-30 14:15:56
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「イヤーッ!」「グワーッ!?」オモミ・ジツ!リフレックスの体が地面に叩きつけられる!「そこまで!」ランチハンドの声が響いた。ディプレッションはリフレックスを解放し、離れ、ザンシン。その後しめやかにオジギをした。「これで彼女の実力は把握できたはずだ」67 #4215tk

2015-01-30 14:18:20
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ランチハンドがようやく復帰したベリジェレントに声を投げかける。彼女は顔をしかめ、頷いた。ディプレッションがクスクスと笑う。「私の方も、あなた方の実力は掴めました」そしてリフレックスとベリジェレントを交互に見やる。「さすがのワザマエ。どうぞよろしくお願いします」68 #4215tk

2015-01-30 14:21:01
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ディプレッションは倒れているリフレックスの元に近づき、手を差し伸べる。そのバストは豊満だ。「ドーゾ」「あ……ド、ドーモ」リフレックスはその手を掴み、立ち上がった。ランチハンドが咳払いをする。「ではディプレッション=サン。二人をアッパーガイオンの住居へ頼む」69 #4215tk

2015-01-30 14:24:34
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ハイ」ディプレッションは頷くと、城壁へと歩いて行った。そして他のアデプトたちへ振り返る。「お二方、動けますね」「アッ……ハイ!」「平気だ、もう」慌ててリフレックスが後を追う。不機嫌そうなベリジェレントがそれに続いた。……三人のニンジャは、キョート城を離れた。70 #4215tk

2015-01-30 14:27:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

二人が案内されたのは、キョート城にほど近い社員寮である。「ザイバツと懇意にしている企業のものです」ディプレッションは道すがらそう説明した。「我々のようなキョート城警備のニンジャのために使われているのですが」そして部屋の一つを開ける。72 #4215tk

2015-01-30 14:30:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「……このように、ある程度共同生活を考慮した作りになっています」「成る程?」部屋の中に入ったリフレックスは頷く。入り口から左右に二つずつ個室スペースがあり、奥にキッチン付きのリビング、という構造のようだ。「一つ個室が多くねえか」ベリジェレントが指摘する。73 #4215tk

2015-01-30 14:33:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「予備ですね」ディプレッションが答えた。「今後、アプレンディスが配属されないとも限りません」「アプレンディスねえ」ベリジェレントが答える。あまり興味がなさそうなのは、自らがアデプトになった自覚がないからだろうか。「部屋はどう決める?」「お好きな部屋をどうぞ」74 #4215tk

2015-01-30 14:36:01
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「とはいえ、あまり荷物もなさそうですし……先に奥で警備区域の確認を済ませてしまいましょう」「実際に観に行くわけではないのですか?」リフレックスの問いに、ディプレッションは肩を竦めた。「今日に限っては既存のチームが巡回しています。実際これは自由時間」75 #4215tk

2015-01-30 14:39:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

そういうものなのだろうか。戸惑うリフレックスに、ディプレッションはさらに言う。「あと、私には気軽に話しかけてくださって結構です。同じアデプト位階ですし」「しかし」「私はネンコがあまり好きではないのですよ」物憂げに彼女は言った。76 #4215tk

2015-01-30 14:42:57
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

……奥のリビング。ディプレッションはキョート城付近の地図を出し、簡潔に警備区域の説明を済ませていく。「まあ、このような具合です。キョート城中庭やオミヤゲ・ストリート等にはマスター含む専門の警備チームがいますので、まず我々に縁はないでしょう」「成る程」77 #4215tk

2015-01-30 14:45:23
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「時に、お二人は出世に興味はおありですか」地図を仕舞いながらディプレッションが訊く。単刀直入な問いに、リフレックスは鼻白んだ。「……俺は、別に。ベルはどうだ?」「オレもだ」「それはよかった」ディプレッションが微笑む。「ならば、ここはよい職場になるでしょう」78 #4215tk

2015-01-30 14:48:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「そういうディプレッション=サンはどうなんだよ」「今はありません」ディプレッションの答えに、ベリジェレントは眉をひそめた。「昔は違ったのか」「ザイバツに入り、アデプトに昇格したばかりの頃は」憂鬱そうに答える。「愚かな考えでした」79 #4215tk

2015-01-30 14:51:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「なんでだ?ディプレッション=サンのワザマエなら、マスター位階も狙えるんじゃあ」リフレックスの問いに、ディプレッションは力なく笑う。「ワザマエだけなら、あるいはそうかもしれません。……しかし、実際にはしがらみがあまりに多すぎるのですよ」80 #4215tk

2015-01-30 14:54:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「マスター位階への昇格には、ハイクやワビチャといった礼儀作法も重点されます」「できてそうなもんだけどな、あンたなら」ベリジェレントの言葉に、ディプレッションははにかんだように笑みを浮かべる。「ドーモ。ですが、私にはそれが鬱陶しくてならないのです」81 #4215tk

2015-01-30 14:57:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「仮にマスター位階になったとしても、派閥争いが待っていますし」「派閥?」リフレックスは眉をひそめる。「ええ。お二方はサラマンダー=サンの派閥に属していたことになります。……故に、あまりそちらの方には詳しくないかもしれませんね」ディプレッションが答える。82 #4215tk

2015-01-30 15:00:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

私は元々イグゾーション=サンの派閥に属していました。そのせいで、派閥間の争いを見る機会も多かったのです」彼女は沈痛なため息をつく。「実にバカバカしいものですよ、あれは。ロードの御為というタテマエの元、己が属する派閥を広げ、甘い汁を吸うための諍いです」83 #4215tk

2015-01-30 15:03:18
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「随分な言い草だな」リフレックスは口を挟む。「そんなに酷いのか、派閥争いってのは」「キョート城内では常に見えぬイクサが繰り広げられていると言っても過言ではありません」ディプレッションが言う。「……息が詰まるようでした。それで私はランチハンド=サンの元へ」84 #4215tk

2015-01-30 15:06:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ランチハンド=サン?あのおっさんがどうして出て来るんだ?」「あの方はケイビイン=サンの直属なのですよ」ベリジェレントの疑問に、ディプレッションが答える。「彼とコンタクトを取った時点で、私はイグゾーション=サンの派閥を離れたのです。清々しましたね」85 #4215tk

2015-01-30 15:09:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「そこまで言われるなんて。イグゾーション=サンってのはそんな……その、アレなのか?」「いえ、あのお方は素晴らしい方ですよ。パーガトリー=サンと違って」ディプレッションの言葉に、リフレックスは顔を引きつらせる。パーガトリーもまたグランドマスターだからだ。86 #4215tk

2015-01-30 15:12:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「……ですが。あの方に認められようと躍起になるあまり、カラテを疎かにしてつまらぬ仕事に終始する同僚やセンパイを見てしまうと……ハーアア」ディプレッションは大仰にため息をつく。「とてもではありませんが、私には気風の合わない場所としか」87 #4215tk

2015-01-30 15:15:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ベリジェレントが同情するようにディプレッションを見る。「大変なんだな、キョート城も」「大変ですよ。なので私は、警護チームに配属されて心うきうきしています」彼女は悪戯っぽく笑った。「カラテのオタッシャなお二人とも組めましたしね」88 #4215tk

2015-01-30 15:18:02
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「カラテ……ああ、そうだ」リフレックスはふと思い出した。「このへんでカラテ・トレーニングができる場所は」「近くにレンタル・ドージョーとザゼンルームがあります。そこを使えば良いでしょう」「至れり尽くせりだな!」ベリジェレントが無邪気に笑った。89 #4215tk

2015-01-30 15:21:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「カラテ鍛錬には、ぜひ私も混ぜてもらいたいですね」「オレは大歓迎だ。さっきの負けを取り返してやる……リフもいいだろ?」「え?ああ、もちろん」「あら嬉しい」ディプレッションが満足げに眼を細める。「フツツカモノですが、よろしくお願いします」90 #4215tk

2015-01-30 15:24:21
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