ニンジャスレイヤー二次創作【ラン・コワード・ラン】#8
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◇ワオワオー◇ドーモ、シカナです。これよりニンジャスレイヤー二次創作【ラン・コワード・ラン】最新セクションを投下します。TLが圧迫されそうなのでそういうのやめろ! という方は #4215tk をミュート推奨。このタグは実況にも使えるハイ・テックなシステムです。◇たのしいよ◇
2015-02-09 18:24:11キョート城ホンマル区のホウリュウテンプル前。中庭に敷かれた白布の上に二人のニンジャがアグラしていた。サラマンダー配下でも古株のミノタウルとフューズフィンガーである。彼らの前にはグランドマスターであるケイビインが立ち、その側にランチハンドが控えている。1 #4215tk
2015-02-09 18:30:10リフレックスはミノタウルの側に立ち尽くしていた。フューズフィンガーの側にはベリジェレントがいる。ゼンめいた白砂の日本庭園も、今は夢の中の光景のように思える。そうであればどれだけよかったか。「……言い残すことはあるか」ケイビインが重い口を開く。2 #4215tk
2015-02-09 18:35:05「は」ミノタウルが答えた。「御温情をいただけるのでしたら、一つだけ」「申してみよ」「……彼らと、少し話をしたいのです」リフレックスはミノタウルの横顔を見つめた。ケイビインは押し黙り、ややあってから頷いた。「許す」「ありがたき幸せ」3 #4215tk
2015-02-09 18:40:08オジギをしたミノタウルは、リフレックスを見上げた。死に行く者とは思えぬ、穏やかな表情だった。「スマンな、リフレックス=サン。このような心苦しいことを任せてしまって」「そんな」リフレックスは戸惑い、首を横に振る。「とんでもないです」4 #4215tk
2015-02-09 18:45:08「死ぬ前に一度、どうなってるか見たくて我儘を言わせてもらったが」口を開いたのはフューズフィンガーだ。努めて明るい口調で、彼は言った。「カラテのワザマエは鈍っちゃいねえみてえだな。むしろ上がったか?なんでも最近ギルドに楯突いたニンジャ共を潰したらしいじゃねえか」5 #4215tk
2015-02-09 18:50:05「ああ、潰した」ベリジェレントが答える。「ジツ頼りのサンシタだったからな。ちょろいもんだ」「ハハッ!そうか!鼻が高いぜ」フューズフィンガーが笑った。「それによかったな、ベリジェレント=サン。いつぞや言ってたろ?俺をぶっ飛ばすって。いい機会だぜ」6 #4215tk
2015-02-09 18:55:05ベリジェレントが顔を歪める。「ザッケンナ。カラテの話だぜ、あれは」「そうだったか?じゃ、悪いことしたな」フューズフィンガーは肩を竦めた。「一足先にジゴクに行くぜ。……しばらくはこっちに来るじゃねえぞ」彼女は答えなかった。リフレックスも同じだ。7 #4215tk
2015-02-09 19:00:05「さて、リフレックス=サン。ベリジェレント=サン」ミノタウルが口を開く。「哀しいかな、サラマンダー=サンの教えを受けたニンジャはお前たちで最後だ。……あの方は死の間際までカラテを追求し、それをもってロードに尽くそうとした」リフレックスが頷く。8 #4215tk
2015-02-09 19:05:19「俺からの最後の頼みはな。お前たちに、サラマンダー=サンの教えを……ミーミーを継いでほしいということだ。それだけだ。忘れてくれるなよ」「「ハイ!」」リフレックスは声を振り絞り、返事をする。ベリジェレントもだ。ミノタウルが微笑んだ。「これで我らの気は晴れた」9 #4215tk
2015-02-09 19:10:19「ハイクは詠むか」ランチハンドが静かに問いかける。「いらねえ。俺にポエットの才能はねえんだ」フューズフィンガーが笑って答える。「……強いて言うならば、この者らが我らのハイクです」ミノタウルが言った。その目には静かな決意の光があった。10 #4215tk
2015-02-09 19:13:12ケイビインが頷く。その目に紫の光が灯った。どこからともなく飛来した二振りのタント・ダガーが、それぞれミノタウルとフューズフィンガーの前に静止する。彼らは迷いなくそれを手に取った。「後は頼むぞ」ミノタウルが呟いた。リフレックスは顔を歪め、頷く。11 #4215tk
2015-02-09 19:16:11「「イヤーッ!」」ミノタウルとフューズフィンガーは同時にタント・ダガーを己の腹に突き刺し、横へ動かす!「「イヤーッ!」」そして全く同時!リフレックスはミノタウルの、ベリジェレントはフューズフィンガーの首を刎ね、カイシャク!「「サヨナラ!」」12 #4215tk
2015-02-09 19:19:13サラマンダー配下のニンジャ二人は、同時に爆発四散した。「ナムアミダブツ」ケイビインが呟き、両手を上向ける。その手に収まるように、宙を飛んでいた二人のニンジャの首が落下した。どちらも、驚くほどに穏やかな顔をしていた。「これで彼らの忠義は示された」13 #4215tk
2015-02-09 19:22:05リフレックスとベリジェレントは、同時にオジギ!「このケイビイン、確かに見届けた。彼らの忠義は必ずやロードの御心を動かし、サラマンダー=サンへの疑いを打ち晴らすだろう」ケイビインは重々しく宣言し、カイシャク役の二人を見やる。「辛い仕事をよくぞやり遂げた」14 #4215tk
2015-02-09 19:25:07「彼らの埋葬は任せよ。貴方らは下がってよい」「は」リフレックスはケイビインにオジギする。ベリジェレントも無言で頭を下げていた。「下がる前に一つだけ」沈黙を保っていたランチハンドが声を上げた。「お前たちのチームに六日間の休暇を与える」15 #4215tk
2015-02-09 19:28:05「休暇……ですか」「ニンジャ強盗団撃退の恩賞だ。これはケイビイン=サンも承知のことである」ランチハンドは言葉を切り、まだ若いニンジャ二人を見据える。「……カイシャクはニューロンを使う仕事だったろう。しばし休み、英気を養うがいい」16 #4215tk
2015-02-09 19:33:05リフレックスは、その言外にキョート人らしい気配りを感じた。「……身に余ります。受けられません」ベリジェレントが驚いたように彼を見る。ランチハンドが腕組みをした。「そう言わずに」「勿体無きお言葉」「ブッダも怒るぞ」「……では、お言葉に甘えます」17 #4215tk
2015-02-09 19:38:06…………「そういや、そういう礼儀作法があったな」キョート城を辞し、寮へと戻る途中。ベリジェレントがぼそりと呟いた。「すっかり忘れてた。あれ、そのまま受けたらやっぱりシツレイになるのか?」「どうだろうな」リフレックスは上の空で答える。18 #4215tk
2015-02-09 19:43:07ベリジェレントは黙ってリフレックスを見つめた。「大丈夫か、リフ」「……ああ」「本当のこと言え」「…………ああ」リフレックスは立ち止まり、天を仰いだ。そうでもしないと、涙が溢れそうだったからだ。「辛いな、やっぱり」「だよな。オレもだ」彼女もまた、暗い声で答えた。19 #4215tk
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