ヘイトスピーチの法的規制の可能性について――児ポ法との比較を軸にして(金展克氏・青識亜論)

近年、盛んになりつつあるヘイトスピーチ(以下、HS)の法的規制問題ですが、表現の自由との衝突が問題となる点では、児童ポルノ法による漫画・アニメ規制と同種の構造を抱えています。 今回は、HS規制派の金展克氏と、この問題について規制反対派として議論を行いました。 途中で金展克氏が議論に参加できなくなったため、中座したままとなっていますが、先日、金展克氏からまとめのご許可をいただきましたので、まとめさせていただきました。 続きを読む
51
前へ 1 2 ・・ 5 次へ
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue そして、あの件では、子供達の側に生じた精神的被害が十分に償われたかというと、また別ですね。《現行法で十分》論は、《朝鮮学校の子供達の心なんて踏んでもおk》と言うてんのと同義なんですが。

2014-12-15 23:56:46
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue あの事件(←かなり具体的指摘です)を《侮辱罪》でしか裁けなかった経緯などを含めて、青識亜論さんは《現行法で対処できた事例》だと評価してるのですか、とボクが問いかけていますが。問いに問いで返されても困りますね。

2014-12-15 23:57:59
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

@HeartRights 確かに、言葉足らずだったかもしれませんね。少なくとも私は、「現行法においても不法と評価できた事件」と見ています。それが不足であると見るのであれば、不法と認められている以上、「量刑の問題」とするしかないですよね。そしてそれは法の運用の問題です。

2014-12-16 00:00:50
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

@HeartRights どういう解決策を求め、何を問題視しているのかをはっきりさせなければ、議論にならないのではないでしょうか。規制されるHSの範囲を拡大させるのであれば、その根拠となる論理が必要となるでしょうし、そうでないのなら、そもそもなぜ新規立法が必要なのか。

2014-12-16 00:02:27
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue ではお聞きしますが、侮辱罪や名誉毀損罪も条文上はかなり不明確です。判例理論や運用によって保たれている。これらと同程度の明確性でHS規制法の条文を作った場合に、問題はありますか?

2014-12-16 00:03:08
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

@HeartRights 朝鮮学校の件の事件については、刑事は不服かもしれませんが、民事では賠償金額に懲罰的加重を課した地裁判決が最高裁でも支持されている現状があるわけです。これを刑事にも援用するような運用がなされれば、今提起されている問題は解決しそうに思うのですが。

2014-12-16 00:04:14

街頭宣伝差止め等請求事件(判決文)

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/675/083675_hanrei.pdf

被告らによる本件示威活動における発言は「ヘイトスピーチ」に該当するところ,人種差別撤廃条約が,締約国は立法を含むあらゆる方法により人種差別を禁止し終了させるべきであると規定し(2条1項d),その重要な実現手段として,人種差別の扇動等に対する法律による処罰(4条a,b)に加え,裁判所における効果的な保護と救済を定めている(6条)ことからすれば,本件において原告の被った無形損害についての賠償額の算定にあたっては,本件活動が人種差別撤廃条約で禁止された人種差別であることを考慮して高額の賠償額を算定すべきである。

(URL先判決文p.26より抜粋)

青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

@HeartRights 問題があるかどうか以前のお話として、そもそもその規制立法は何が保護法益で、現行法で裁けないどんな表現を規制しようとしているのですか?

2014-12-16 00:05:51
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue 《これを刑事にも援用するような運用がなされれば》ってそんな保障どこにもナイですね。《今提起されている問題は解決しそうに思うのですが。》も、単に青さんの希望の表明。ボクは安定的解決を求めますがダメですかね?人間らしい当たり前の希望だと思いますが。

2014-12-16 00:07:19
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

@HeartRights いいえ。例えば、差別的な言説による名誉毀損や侮辱の量刑を重くするような理念的な立法については、私は必ずしも反対ではありません。民事の判決が示唆したように、人種差別撤廃条約の趣旨を守るのは、条約批准国として当然の態度であるからです。

2014-12-16 00:09:17
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

@HeartRights しかし、ブランデンバーグ基準を上回るような範囲、つまり現行法では合法的なデモ行為として認められているようなものまでも規制するような立法については、私は《被害》の内実が(創作的児ポの規制と同じく)疑わしいと思えるのです。

2014-12-16 00:10:37
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue 聞いてるのは、侮辱罪や名誉毀損罪が立派に表現規制の一種として是認されている中で(しかも、あんなに不明確な条文のままで)、HS規制に関してどこまでの明確性を要求されねばならないのか?という点です。質問したのはこちらですが。

2014-12-16 00:09:21
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

@HeartRights 名誉毀損や侮辱罪程度の明確性を具備しているのであれば(つまり、ある個人の社会的評価なり経済的損失なりを具体的に証明できるのであれば)、明確性の法理は満たしていると思いますが。

2014-12-16 00:12:44

違憲審査基準(厳格な審査基準)

http://ja.wikipedia.org/wiki/違憲審査基準#.E5.8E.B3.E6.A0.BC.E3.81.AA.E5.AF.A9.E6.9F.BB.E5.9F.BA.E6.BA.96

合憲性推定の原則が排除され、当該規制立法の目的が真にやむを得ない目的(利益)であるか、手段(規制方法)が目的を達成するために必要最小限(必要不可欠)なものであるかを判断し(過大包摂・過小包摂は許されない)、これが認められる場合には当該規制を合憲とする基準。精神的自由権等の重要な人権に当てはまる(表現の自由内容規制等)

漠然性ゆえに無効の法理、過度に広汎ゆえに無効の法理、LRAの基準、明白且つ現在の危険、利益衡量の基準がある。前4種は公的言論や参政権等の特に重要な人権に適用され、利益衡量の基準はそれ以外の重要性がやや劣る精神的自由権等に適用される。

青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

@HeartRights 繰り返しますが、ブランデンバーグ基準を充足するような規制については、私は必ずしも否定するものではありません。問題は、どのような権利を侵害しているのか、なにをその規制で保護したいのか、なのです。

2014-12-16 00:14:01
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue 議論が散逸しそうなので。twitter.com/dokuninjin_blu… ←このTwについて、ボクは《因果関係の距離の違い》と述べ、その根拠をいま書きましたが、この点はご納得頂けましたか? ちょっとヤボ用で暫く離席します。

2014-12-16 00:18:47
青識亜論(せいしき・あろん) @BlauerSeelowe

@HeartRights いえ、児ポ関連の問題との「距離の違い」がまったく明瞭になっておりませんので、納得できません。ただ、議論の続きは急ぎませんので、お暇なときで結構です。

2014-12-16 00:20:28
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue お待たせです。続けます。議論が散乱するとアレなので、2点に絞ります。1)ヘイトスピーチ規制の議論と児ポ法の議論の相違、2)ブランデンバーグ基準を含む規制の基準について、の2つです。出先でガラケーしかないので、やや雑かもですがご容赦を。

2014-12-16 13:10:11
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue まず1)について。昨晩も述べたのですが、児童ポルノ(特にマンガ)については、現実の性犯罪と表現物との間の因果関係がほぼ説明されていない、という点があります(むしろ、関係ない、という研究成果はどこかで見たことありますが)。

2014-12-16 13:13:17

メディア効果論

http://ja.wikipedia.org/wiki/メディア効果論

強力効果論

強力効果説とも。マスメディアの影響は大きく、受け手に対して、直接的、即効的な影響を及ぼすという考え方の総称。「弾丸理論」、「皮下注射論」などとも呼ばれる。

20世紀になって、大衆化した新聞・雑誌・ラジオなどの、暴力的なメディアや、性的なメディアが、受け手を暴力的にしたり性的にしたりするという「強力効果説」の発想が、大衆的な通念として流通してきたが、過去の実証的研究により、現在では否定されている。

金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue ですので、児ポ法に関する議論は、《具体的被害とあんま関係ない表現狩り》になってて、物凄くオカしな表現規制だと、と思っています。現実の児童の性的虐待を記録したもの(児童AV)はガンガン規制していいと思います。が、マンガは別ですね。

2014-12-16 13:17:41
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue 他方、ヘイトスピーチ(以下、単にHSとします)は、ネットや書籍で流布された《デマだらけの情報》を盲信し、デモや街宣に参加し、小学校襲撃や商店街での所謂《お散歩》といった凶行に及んでいる点は、客観的な事実です。

2014-12-16 13:21:22
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue しかも、在特会幹部らが《デマであると認識しつつ》情報拡散をしてきている点で、差別/人種的憎悪を故意に扇動し続けてきた結果であるとも言えます。ここにおいて、デマ情報の拡散という《表現行為》と《被害》の間の因果関係は密接です。

2014-12-16 13:24:38
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue このように、HS規制の議論と、児ポ法での議論とは、《表現》と《具体的被害》との間にある因果関係が、全く違っています。ここについて、多少議論の余地がある部分がありますが、2)を書いてからの方が整理しやすいので、また後ほど。

2014-12-16 13:28:55
金展克 ★No Pasaran★ @HeartRights

@dokuninjin_blue 2)の基準の是非について。ここについては、正直、誤解がだいぶ多いと思っています。私からは、青さんは、ブランデンバーグ基準に固執されてるように見えます。表現の自由に対して慎重に、という意図かと思いますが、誤解が混じってると思います。

2014-12-16 13:34:03
前へ 1 2 ・・ 5 次へ