第 幕［オペラ：サロメ］
10月、ハロウィーンが近く上客たちからの要望もあり、劇団ではホラーの色が強いオペラ：サロメを上演することに決める。しかし、配役について役者たちの間で言い争いが起こってしまう。
本物と見紛う作り物の生首、“動物”の血を使った演出――それに誘われたかのように、劇場でもう一つ、奇妙な騒動が起こった。
［原作/リヒャルト・シュトラウス作曲、オスカー・ワイルド著］
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裏・舞台俳優と奴隷
@xxxRonica
(「……っ！」名前を呼ばれ、青年が飛び起きる。じっとりと脂汗で濡れた衣服がその身体に纏わりついた。「……ゆ、め…か」気付くと、首を絞めていたのは自分の両手だった。身体は震え、呼吸が酷く乱れている。その夢は、記憶を失う直前の幻とも現実ともつかない出来事と酷く似ていた。)
2015-02-23 08:51:29
裏・舞台俳優と奴隷
@xxxRonica
(隣で眠っていた男が不在だったことは青年にとって幸いだった。震えの止まらない身体を抱きしめ、顔を埋める。「……大丈夫だ。俺は、まだあの人の傍に居られる……舞台に立てる。だから……まだ、死なない。まだ、死ねない……大丈夫」頼りない声で必死に自分に言い聞かせる。)
2015-02-23 08:57:58
裏・舞台俳優と奴隷
@xxxRonica
(「……たとえ、誰に忘れられても、誰に拒絶されても、誰に否定されても………俺は、団長が許してくれるなら」「……ロニカ？」がちゃり、と部屋の扉が開き、男が朝食を手に現れた。青年の異様な様子に不安げに眉を顰める。「どうしたんだ、ロニカ。一体何が」)
2015-02-23 09:03:53
裏・舞台俳優と奴隷
@xxxRonica
(「だん、ちょう……」心の内では求めつつ、こんな姿を見せたくなかった青年は一瞬言葉に詰まる。しかし、取り繕うように笑うと、ゆっくりと立ち上がり男にそっと抱きついた。「……何でもねえよ。ちょっとシャワー浴びてくるから、先に食っててくれ」)
2015-02-23 09:08:40