オペラ：【サメロ】

裏・舞台俳優と奴隷 @xxxRonica

［オペラ：サロメ］ ○CAST ●サロメ――　x x x ●ヨカナーン――ロルフ・ワーナー ●ヘロデ――モーリス・セネット pic.twitter.com/NCm70XZGxp

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≪開幕≫ (舞台は王の宮殿。『今宵のサロメ様はより一層お美しい』見張りの兵士が王女の姿に魅入っている。――と、宴の席から一人の少女、サロメ王女が義父の不埒な眼差しに耐えきれずテラスへと逃げ出した。テラスで少女を出迎えたのは井戸の底から不気味に響く預言者の声だった。)

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(幽閉された預言者の口からは王や妃を非難する言葉が紡がれる。その声に興味を持った少女は兵士に懇願し、誰にも会うことを禁じられているその預言者を地上に連れ出させた。預言者ヨカナーンの姿を一目見た少女はたちまち心を奪われた。その瞳に、白い肌に、黒い髪に、赤い唇に賛辞を送る。)

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(『下がれソドムの娘！』しかし預言者は自らに触れようとする少女を拒絶した。それがより一層少女の欲望を増幅させるとも知らずに。『わたしはお前の唇に口づけをするわ、ヨカナーン』預言者はただ呪わしい言葉を残し井戸の底へと戻っていった。 そこへ少女を追って王とその妻がテラスに現れる。)

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(再び地下からは預言者の声が響き、王と妃を糾弾した。それを皮切りに客人たちが預言者と神について激しい口論を始めたのである。そこで王は少女に踊るように求め、その対価として少女の望みを何でも叶えると約束をした。初めは拒否をしていた少女も王のその言葉に飛びついた。『約束は必ず、』)

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(少女は7枚の美しいヴェールを身に纏い、艶やかで魅惑的な踊りを披露した。一枚、また一枚とヴェールを脱ぎ捨て最後にはその胸まで曝け出し少女は踊る。その姿に王のみならずその場にいた皆が惹きつけられた。踊り終えた少女は言う。『……銀の大皿に乗せた ヨカナーンの首をくださいまし』)

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(王は見る間に青ざめ、辺りにはざわめきが起こった。王が何度も説得し素晴らしい褒美を提案しても少女は『ヨカナーンの首を』ただただ求め続けた。――王は遂に少女の執念に負ける。『預言者の首を、望みのものをくれてやれ』井戸の底に首切り役人が下りて行った。)

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(暫くの沈黙の後、井戸の中から預言者の首を乗せた大皿がせり上がってきた。待ち望んだものに少女は思わず駆け寄る。首を手にした少女は人目も憚らず狂喜し全身でその感情を表現した。首を抱きしめ、頬擦りをし、弄び――最後にその赤い唇にキスをした。 『私は遂にお前に口付けしたわ！』)

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(匂い立つような真っ赤な血で汚れた少女は、恍惚とした表情を浮かべた。王はその禍々しい光景に耐えきれなかった。 『あの女を殺せ！！』 その声に弾かれたように周囲の兵士が少女に飛びかかった。喜びもつかの間、少女は首を折られて絶命した。) ≪終幕≫

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(「……おーい、“ロニカ”！見送りに行くぞー」「……っ、はぁ…あー、悪い。先に行っててくれ。」「？おいおいどうした、まさかお前まで血の匂いで気分悪くなったのか？」「……まあ、そんなもんだ。」「さっさと戻って来いよー」背後に声を聴きつつ“青年”は洗面所へと向かった。)

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(「……やばいな、」昨晩の稽古では何ともなかったのだが、今日は随分と感情が昂っていた。身体が熱く火照りぞくぞくとした感覚が舞台を降りた後も消えない。)