『ノーワインドアップのパ・リーグ初代セーブ王』佐藤道郎 小話

ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

江夏投手は当時血行障害に陥り、球威こそ衰えませんでしたが長いイニングを投げると打ち込まれる傾向にありました。 また、多数のスキャンダルや不祥事の問題もあってタイガースも放出。 この『問題児』に目をつけたのが野村監督でした。 早速、野村監督は江夏投手を抑えへ転向させます。

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もちろん先発投手として数々の記録を打ち立ててきており、頑固者であった江夏投手が首を縦に振るわけがありません。 しかし、熱心な誘いや野村監督の野球観、そして有名な『革命』という言葉に惹かれ江夏投手は抑えへ転向します。 ここに『優勝請負人　江夏豊』が誕生しました。

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しかし、江夏投手にはもうひとつの懸念点がありました。それは既に抑えとして君臨していた佐藤道投手の処遇です。 敵が多い江夏投手でしたが、人の良い佐藤道投手のことを慕っていました。 また、佐藤道投手も江夏投手の抑え転向に意を唱えます。

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野村監督はこう諭します。 『ミチは投げたがりやから先発で好きなだけ投げさせてやる。本当は江夏にも先発をやってほしいが、悲しいかな。 アイツはもう長いイニングを投げられない』 佐藤道投手は先発転向を受け入れ、その年12勝をあげホークスを支えました。

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鶴岡一人監督以降は決して戦力には恵まれなかった野村南海ホークス。1973年以来優勝には遠ざかっていましたが佐藤道投手、江夏投手の活躍により光が見えてきます。 しかし、そんな時、球界を揺るがす大事件が南海ホークスを襲います。

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『野村監督　解任』 77年シーズン残り2試合を残して野村監督が解任。夫人を含む公私混同が問題沙汰とされ、突然の出来事でした。 また裏には鶴岡一人さんの影もあるとされ、名門だったホークスは没落。この後20年連続Bクラスという暗い時代の幕開けを迎えるのでした。

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佐藤道投手はその後もホークスに留まりますが長年の酷使から衰えが見え始めます。 翌78年には事実上戦力外構想となり、大洋ホエールズへ移籍。大洋ホエールズでも結果を出せず、2年目にはキャンプ中に怪我をし、二軍生活を余儀なくされます。

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この頃、再起をかけ二軍のマウンドに上がる佐藤道投手は、後に数々の大記録を打ち立てる打者と対峙することになります。

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『落合博満』 後に三度の三冠王という金字塔を打ち立てるこの大打者は、紆余曲折な人生を歩みこの時既に25歳。結果を出しても一軍に上げてもらえず心が折れかけていました。 pic.twitter.com/f7QqWA9wnH

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ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

しかし、落合選手は珍しくその日の試合を楽しみにしていたそうです。相手チームの先発は佐藤道投手。二軍では滅多に対戦できない、新聞やテレビで幾度となく脚光を浴びたかつてのエースピッチャーとの対戦だったからです。

ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

しかし、マウンドの佐藤道投手にかつての面影はありませんでした。 力強い機動を描いたスライダーは球威が無くなり、躍動感のあったノーワインドアップは鈍いものとなっていました。 ですが一流投手の証、球のキレだけは失うことがなく、落合選手はとても驚かされたそうです。

ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

マウンドにはかつての輝きを取り戻そうと最後の血の一滴まで搾り取ってでも再び一軍のマウンドに上がろうとする大投手の姿があります。 決死の思いで放たれた投球を、後の大打者が打った打球は、無情にも無人の外野席へ消えていくのでした。

ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

落合さんは後にこの打席のことを『落合博満の原点』と著書に記しています。 この試合をきっかけに『一軍の投手ともっと対戦したい』と強く思うようになった落合選手はその試合から5試合連続本塁打で一軍昇格。スター選手としての階段を駆け上がっていきます。

ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

一方、佐藤道投手がかつての輝きを取り戻すことはありませんでした。 消化試合となった同80年のホエールズ対スワローズ戦。この試合に登板し、佐藤道投手は通算500試合登板という記録を達成。 そして、それが彼にとって最後のマウンドとなりました。 。。。 。。 。

瀬戸ミノリ @hire_katsu

通算500試合って、毎年40試合投げて13年かかるんだもんなあ。そりゃ壊れるっていうペースのはずなのに

ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

引退後、投手コーチとしてオリオンズでは怪我で苦しんでいた村田兆投手を復活させ、ドラゴンズの投手コーチ、バファローズでは吉井理投手の育成を務めました。 また、ひょうきんな解説も好評で人気解説者としても活躍しましたが、1997年以降は現場を離れていました。

ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

2004年。 プロ野球の注目はドラゴンズの新監督、落合監督に注目が集まっていました。 かつてドラゴンズでも主砲として活躍した大打者。しかし『オレ流』と称される一風変わった野球観からどういった組閣になるかわかりませんでした。 そして、二軍監督に名があったのは意外な人物でした。

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二軍監督　佐藤道郎 落合監督からの強い希望もあり、佐藤道さんが二軍監督に着くことになりました。 あの日の対峙が、落合監督の中に強く残っていたのに間違いありません。05年にはファームを日本一に導き、投手王国としての礎を作りました。 pic.twitter.com/njV0qrymnd

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さらに佐藤道さんの再婚相手の娘の元タレントの仲根かすみさんが結婚。 お相手は現メジャーリーガーの和田毅投手のあり、新旧ホークスのエースの義理ではありますが『親子鷹』という関係にもあります。 pic.twitter.com/WwW9zAbWVj

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07年まで二軍監督を勤め、退任。その後、球界から離れ現在は学芸大学のスナックを経営しています。 スナックの名前は『野球小僧』 いつまで経っても野球が好きなかつての大投手は今日も野球の話をするお客さんを待っています。 完

ベイ山城さん@2019シーズン復帰 @Bay_yamashiro

ということで、往年の名選手小話、第四回はここまで。聞いてくださった方、ありがとうございました。感想等ありましたら教えて下さいね！

紅さかな（故） @kurenaisakana

pic.twitter.com/uBkOCXZXWM

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喜屋武 @kiyan_999

@Bay_yamashiro とても面白かったです。雑誌の記事を読んでるようでした

だーまえ @popinosuke62

@Bay_yamashiro お疲れ様でした。今回も良かったです！

keñtαro@永遠のWalküre @kentaronuevo

山城さんも何気に文才というか、表現力があるよね こういう媒体を使った表現として新しいさあるとは思う