アメリカ人アニメーターの目に映る、日本のアニメ界の不可解さ
- ElementaryGard
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これはツイッターでは論じきれないほどいりくんだ話です。結論を先にいうと「手塚は悪くなかった説は、労働環境の劣悪さを論ずる際にその抑圧として働いてしまう」という嘆かわしい因果関係があるということです。
2015-03-16 13:48:57拙訳『ミッキーマウスのストライキ!アメリカアニメ労働運動100年史』は、この手塚トリックを迂回するための大がかりなバイパスでした。日本国内の目線オンリーで論ずると、知らないうちに論が偏ってしまうのです。弾は真っ直ぐ撃ったはずなのに地球自転の影響で左にカーヴするかのように。
2015-03-16 13:51:59ああ、そういっていただけると本当に嬉しいです。後でTogetterにまとめるので、改めて読んでやってください。@LiberalGorilla
2015-03-16 13:53:10『戦場のメリークリスマス』という映画があります。監督は日本人の大島渚ですが、主人公はイギリス人のデヴィッド・ボウイ。アジア太平洋戦争のとき、日本軍の捕虜となったイギリス人将校の目線で、日本人(の男たち)が映し出される。youtu.be/7JTroFovUXw
2015-03-16 14:01:29忠君愛国とか、滅びの美学とか、滅私奉公とかの、現在の私たちも絶対的なものとして無意識に崇拝しているものが、連合軍将校の目を通して徹底して相対化されていく映画です。
2015-03-16 14:05:08ボウイの目に映る日本陸軍将校たちは、西洋への強い憧れととともに、そこにけっして入れてはもらえない現実へのいらだちと、その反動として過剰な精神主義に走る、何ともエキセントリックな男たち。
2015-03-16 14:06:58原作小説『影の獄にて』の邦訳をたまたま見つけた大島監督がすっかり惚れ込んで映画化を企画。作者のヴァン・デル・ポストは名前からわかるようにオランダ系ですが南アフリカ生まれでイギリス国籍。小泉八雲の本で日本に憧れ、東京の大使館に勤務。
2015-03-16 14:14:44第二次大戦時にはイギリス陸軍に入り、インドネシアで日本軍の捕虜に。大好きな日本と、今度は敵として対峙したこの捕虜経験を、戦後に小説化。
2015-03-16 14:15:59私が原著_Drawing the Line: The Untold Story of the Animation Unions from Bosko to Bart Simpson_の邦訳を企画したのも同じ発想。 pic.twitter.com/bM9UclI2wa
2015-03-16 14:19:05この本は日本のアニメ界についての記述はほとんどありません。アメリカアニメ界の話ですからね。しかしながら著者トム・シートが描いていく歴代のアニメの才能たちが、もし日本のアニメ界を眺めたらどう論評するのだろう…想像力を刺激されました。
2015-03-16 14:20:54この本を訳しながら、取材も行いました。虫プロ、ジブリ、東映アニメ、タツノコ、東京ムービーのOB、OG、経済産業省や文化庁の役人、他色々。ハリウッド映画人の目線に徹して眺めるなか、浮かび上がってきたのは、日本のアニメはブラック業界だということでした。
2015-03-16 14:23:38togetter.com/li/794400 事実、日本のアニメ界で働いてみたアメリカ人アニメーターの目には、まさに私と同じものが映っていたのです。
2015-03-16 14:26:07「大切なのは和の心だ」と言われても「なんだそりゃ、ニンジャの超能力か?」と相対化する、外部からの視線。
2015-03-16 14:27:59とりあえず「手塚は悪くなかった説」をこき下ろす必要があります。これが生き続ける限り、それこそイギリス陸軍将校の目に映るエキセントリックで会話が成り立たない日本人を私たちが脱することはないのだから。
2015-03-16 14:30:15続きはこちら