夢幻宿せし真珠の調　─○　三日目　夢　○─

ベルガルト=アリィゼル @dpBelgartAlisel

──っはぁ。長い、永い、繋がりを解き。造られた躰には元来必要とされない、形ばかりの、呼吸を継ぐ。「……『医療神（アポローン）』、《起動》。《セット》」

ベルガルト=アリィゼル @dpBelgartAlisel

……ピピッ。解析を開始します。脈拍、血中糖度、血中酸素濃度、細胞破壊レベル、遺伝子破壊レベル、全て異常値。意識レベル、低。ニュークリアル濃度、致死値（レッド）。──浄化を、開始します。

ベルガルト=アリィゼル @dpBelgartAlisel

滑らかな女の声による、淡々としたアナウンスの流れる中で。現実は、夢へと堕ちてゆく──

ルイーナ @DIPrestos

「＿＿なら、この手を取って、《人間＿＿lars》」 其れはまるで人のような柔らかな声で、そう言った。 ＿ ＿＿ ＿＿＿ その言葉がラルスの耳に届くか、届かないか。それと同時くらいに、場は白み、またひとところに皆が集まる夢へと移る。

クラリッサ @DIPKlarissa

──── ── ──何処からか、　波のおとが、きこえてくる。 …………だろうか。 この耳は何かを捉えるだろうか。 目を、開ければ。 其処に何かが、見得るのだろうか。 何かを手繰るように。 何かにすがるように。 指が伸ばされる。 其処に。いるのだろうか？

アイズ・サブスティーア @Substayia

より深い、ふかぁい海へと落ちていく。箱庭から投げ出された体は、いつの間にか《海》におちていました。指先に絡む水の感覚はひどく心地良くて、とてもとても素敵に思えて。とても、広く思えました。 「―――」 薄く口を開く。細い息がふいと吐き出される。 チャプ――と、不自然な波紋と音が響く

ラルス @DIPlars_

《願望器（かみ）》の声は先程までとは異なる柔らかさを持って優しく響く。 応えようと手を伸ばす前に呼ばれた名は広がり揺れるように小さく消え。 最後の《夢》へ導かれる。

《仔》 @ousia_mugen

“ ＿＿《海》よ。 《娘》の声が響いて満ちる。 ＿＿《海》よ。《海》だわ。素敵だわ。ひろぉくて。ふかぁくて。 《娘》の腕が延ばされる。 ”

《仔》 @ousia_mugen

“ 《娘》の。 《仔》の腕が。 《夢》を抱きしめようと延ばされて。 浮かび上がるように。 三度目の《夢》へ浮上びあがるように落ちて行く。 ”

《仔》 @ousia_mugen

「　　アイズ　？」

アイズ・サブスティーア @Substayia

とても広くて面白いね。とても静かで良いところ 腕は伸ばされる《仔》は《夢》を抱きしめようとするなら甘んじて受け入れました。 ――名前を紡がれました。アイズ・サブスティーアという《夢》はその一言で確信する。 アイズという『夢《空想の具現を為す者》』確かにここに在ると。

アイズ・サブスティーア @Substayia

抱きしめられた体。《夢》の子は相も変らぬ中性的な容姿を以って、あなたをしっかり抱きかかえておりました。 女の子なら喜ばれるお姫様抱っことも言う形にて。 「《おはよう》お嬢さん」 戯れの一言目。水の波紋を纏って歩みます。夢の子は皆のいる場所へと集いました。 「やぁ、皆も元気？」

ルイーナ @DIPrestos

「＿＿おはよう、とルイーナは夢の中にも関わらず起床の挨拶を告げる」 《人間》がその手を取ろうとしたか、否か。予測は付かないまま、導かれた夢の中。其れはかくりと首を傾ければ、ラルスへと向き直る。 「＿＿おはよう、《人間＿＿lars》」

ルイーナ @DIPrestos

名を呼ぶ響きの柔らかさは、聞いたラルスにのみ伝わるだろうか。 「ルイーナはどうにもタイミングが悪かった、と拗ねたように唇を尖らす」 ぷか、ぷかりと宙に浮かんだまま、くるくると回る。 「おはようとルイーナは片手を振る。ホンジツハオヒガラモヨクー」

リコルドライト @recauldlight

そして、夢へと落ちてくる。たどり着く。気が付けば夢の中。そこに佇んでいた。少女だった光、ふたつめの現世を経て、乙女となった姿で。

リコルドライト @recauldlight

まずは、探す。夢の場に視線、めぐらせて。最初に探し求めるのは、お星さま。光にとってのお星さま。居た。男性とも女性ともつかない、けれど独特の落ち着きを湛えた、銀髪のひと。そのひとに抱かれている、お星さまの。

リコルドライト @recauldlight

@ousia_mugen 「――うみっ」光の乙女、走り寄る。腰に届くくらいに長く伸びた金髪、弾ませながら。声音も同じくらいに、明るく。そこに、少女だったときの、思い詰めた表情は無かった。凛々しさと危うさを露にした顔つき、今では柔らかくて、笑んでいて。

リコルドライト @recauldlight

@ousia_mugen 少女のときのように。見えない壁に阻まれることはない。乙女は、輝くことを決めたから。どんなに悲しくても怖くても、光を抱き続けると決めたから。だから、歩み寄れる。うみに。己のお星さまに。

リコルドライト @recauldlight

@Substayia @ousia_mugen 「うみ」愛しさをいっぱいに込めて、名前だけを呼ぶ。抱かれる仔のもとに駆け寄って、膝をつく。「……御機嫌よう、アイズ」仔を抱える相手には、暖かな眼差しを向けた。すっかり大きくなった光だから、もう見上げることもないだろう。

ラルス @DIPlars_

水音。膝より下あたりを柔らかく圧迫し纏わりつくような感触は濡れているのかいないのか判別が付かない不思議な物。 声を掛けられればそちらへ貌を向ける。 「おはようございます、ルイーナさん」

ラルス @DIPlars_

夢の中にも関わらずと言いながら掛けられた言葉と呼ばれた名の響きに口元が緩み返した言葉も合わせた様に柔らかい。 「そうだったみたいですね。皆さんも、おはようございます」 前半は言葉にて拗ねたと漏らしたルイーナへ。 後半はまた改めて集ったであろう皆へ向け貌の向きを変える事は無く。

クラリッサ @DIPKlarissa

憶えのある声が、次々と。 飛び込んできたから。 少なくとも、聴覚機能がまだ無事である事は理解できた。 右の瞳で、ぐるり、見渡す。 左の瞳は、かたく瞼で閉ざしたまま。 治療（いじ）る、というのは。 一体何をどの程度、であったのか。 少なくとも、視力も聴力も、保たれているようで。

クラリッサ @DIPKlarissa

「──おはよう、皆。……リコルドライトは、また大きくなったのね……？」 もはや、それが彼の『光の子』だと、疑う余地もない。 穏やかに笑み湛える乙女に向かって、ゆるく微笑んだ。

クラリッサ @DIPKlarissa

「それから、ラルス。ルイーナと」 双方ともに、何故か、柔らかい雰囲気を纏っている。 無機質な《願望機》でもなく。寡黙な、神父でもなく。 ……陳腐な言い方をするならば。 そう、より一層、「ひとらしく」なった、ような気がした。