一箇所は切れ目を入れておかないと ~インフルエンザウイルスが増えるとき~

インフルエンザは他の細菌と混合感染すると重症化するということなんですが、そもそもインフルエンザウイルスってどうやって増えるの? なんとなくわからないまま解説を聞いていて、最後にやっとわからないところがわかったという・・・。 早めの質問大事・・・。 続きを読む
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Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 まぁともかく、その場合はHA開裂してるから周りの細胞に感染して増えて……を繰り返せる。ただ「普通のインフルエンザ=弱毒型」の場合、娘ウイルスが生まれて、別の細胞の中に入るまでの間に、何らかのプロテアーゼでHAを切られて開裂しないといけない。(続

2015-06-25 00:33:37
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 承前)で、弱毒型のHAを(インフルエンザにとって)都合よく切れるプロテアーゼの代表に、気道に存在するクララ細胞って細胞から分泌されてる「トリプターゼクララ」ってのがあるわけ。

2015-06-25 00:35:06
ぶたやま@「ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん」発売中 @Butayama3

@y_tambe  あ、はい。さっき出てきた。これは「都合がいい」プロテアーゼ。

2015-06-25 00:36:31
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 はい。気道の細胞に感染して生まれた娘ウイルスのうち、他の細胞に取り込まれるまでの間に、このトリプターゼクララに運良く(?)触れて、HAが開裂されたウイルスは、次の細胞の中で増殖でも増殖できる。だけど運が悪いと、そうはいかない(続

2015-06-25 00:44:08

「次の細胞の中で」という言葉で、謎がとけた。

Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 はい。で、これと似たように「インフルエンザウイルスにとって都合のいいプロテアーゼ」を持ってる細菌がいる、というわけ。「何でその細菌はそういうのを持ってるの?」という気もするけど、どっちかというとインフルエンザの方が、そういうので切れるHAを獲得した気がする。

2015-06-25 00:50:23
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 まぁ、「本当にそういう選択圧が働いたのか?」ってのは証明が難しいので、仮説の域を越えないから、何ともいえないのですけどね。

2015-06-25 00:53:26
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 じつは昔から、インフルエンザは他の細菌と混合感染すると重症化することがよく知られてた。

2015-06-25 00:54:22

そうそう、勘違いで「インフルエンザ菌」と名付けられてしまったウイルスはこのケースだったのかも。

Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 例えば、前少し話した「インフルエンザ菌」(ウイルスではなくて、ヘモフィルス・インフルエンザエという細菌)もその一つだと考えられてる。(おそらく混合)感染した患者の喉から、ファイファーと北里柴三郎先生が「インフルエンザの病原体」と間違えて分離・命名した菌。

2015-06-25 00:57:02
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 例えば、前少し話した「インフルエンザ菌」(ウイルスではなくて、ヘモフィルス・インフルエンザエという細菌)もその一つだと考えられてる。(おそらく混合)感染した患者の喉から、ファイファーと北里柴三郎先生が「インフルエンザの病原体」と間違えて分離・命名した菌。

2015-06-25 00:57:02
ぶたやま@「ぶたやまかあさんのやり過ごしごはん」発売中 @Butayama3

@y_tambe  あー、なるほど。ごっちゃになっちゃった。だからこんな名前に。

2015-06-25 00:59:19
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 まぁ「インフルエンザ菌」の勘違いは、そもそもこの頃はまだ、ウイルスの存在が知られてなかった時代だってのが、いちばんの原因。最初にウイルスの存在が発見されたのが1892年(タバコモザイクウイルス)で、インフルエンザ菌の発見もこれと同じ年だから。

2015-06-25 01:18:19
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 また一昔前は「インフルエンザウイルス自体の毒性はあまり高くないが、そのあと続発的に、細菌感染したときに肺炎などを発症することが直接の死因になる」って言われてた時代もあった。ここらへんは切り分けが難しいけど、今はウイルス自体による肺炎、脳炎もあるというのが通説

2015-06-25 01:01:40
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 まあ結局、混合感染=気道にウイルス増殖を助ける菌がいる方が、ウイルスが一気に増殖する分、症状の出方も激しいし、上気道でたくさんウイルスが作られたら、その分ウイルスが気道の奥、気管支とか肺にまで入り込むリスクも上がる、なので重症化リスクも上がる、という感じ。

2015-06-25 01:06:31
Y Tambe @y_tambe

@Butayama3 それにまあ、インフルエンザが大暴れしたら、免疫系の細胞とかがそっちに掛かりきりになるし、他の細菌も増えやすい状況になるかもしんないわけで。まさに「混合感染」……まぁこの辺が「細菌とウイルス、どっちが本当の死因だったかよくわからん」状態にも繋がったり。

2015-06-25 01:12:25
Y Tambe @y_tambe

大体こんなとこか。

2015-06-25 01:07:22