歴史学をめぐる議論
- saisenreiha
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ギャディスは歴史家が社会科学的な考え方を取り入れすぎることに慎重な立場の持ち主ですから、彼の語彙用法への配慮の仕方は非常に参考になります。 @tricycler
2010-03-07 13:25:44(少なくとも日本では)そもそも歴史学を学ぶ際に、こういった理論的な問題をきちんと議論する機会はほとんどないと思うので、「歴史性」が何かも、ほとんど暗黙の了解みたいになっており、歴史学者全体のコンセンサスが存在するのかどうか怪しいという気はします。
2010-03-07 13:26:03そういえば、岡崎哲二『コアテキスト経済史』2005年では、ポール・デービッドの先駆としてマルク・ブロックの北フランス耕地の形状についての研究が、歴史的経路依存性という現象を正しく捉えた研究だと紹介されています。(18-19ページ)
2010-03-07 13:33:01普遍的な話ではないかもしれませんが、最近は経済学部プロパーで経済史専攻する人が減りつつあると聞いたことがあります(歴史学科→院から経済や歴史学科で経済・経営史というルート)ので、歴史家と経済史家の認識の差は狭まるのかもしれません。 @tricycler
2010-03-07 13:33:12もっとも、そのためには歴史学出身者が分析概念や用語についてのきちんとした理解を持っていることが前提になってくるのですけれども(と自戒の念を込めて書く)。 @tricycler
2010-03-07 13:36:40また歴史理論と実証研究は必ずしもリンクしていないので、「歴史性」についての議論が理論研究で行われていたとしても、大半の歴史学者はそのような理論研究をほとんど知らず、各々勝手な「歴史性」のイメージを持って勝手に研究している気はします。
2010-03-07 13:38:37そのとおりだと思います RT @saisenreiha: (少なくとも日本では)そもそも歴史学を学ぶ際に、こういった理論的な問題をきちんと議論する機会はほとんどないので、「歴史性」が何かも、ほとんど暗黙の了解になっており、歴史学者全体のコンセンサスが存在するのか怪しい(一部略)
2010-03-07 13:40:17そのとおりだと思います RT @saisenreiha: (少なくとも日本では)そもそも歴史学を学ぶ際に、こういった理論的な問題をきちんと議論する機会はほとんどないので、「歴史性」が何かも、ほとんど暗黙の了解になっており、歴史学者全体のコンセンサスが存在するのか怪しい(一部略)
2010-03-07 13:40:17歴史学と社会科学(政治学なども含めて)の対話可能性については、C・エルマン/M・F・エルマン『国際関係研究へのアプローチ 歴史学と政治学の対話』、ギャディス『歴史の風景』などがおすすめ。日本の歴史学者では三谷博氏がこういった問題に関心を持っておられます。
2010-03-07 13:49:17RT @U_Fuji: 歴史学と歴史哲学は(やや)連動しているけれど、歴史学と哲学は断絶している。それぞれ前提とする知識も議論も、問題意識も違う。だから「歴史」を問題にすると話がこじれる。
2010-03-07 13:55:26三谷博先生は、明治維新の分析に複雑系科学の考え方を導入しようという野心的な試みを行っている方ですね。
2010-03-07 13:55:53RT @U_Fuji: とはいえ、それぞれがそれぞれの研究領域に引き籠もってるだけじゃなにも変わらんと思うのよね。時には同じ舞台に立って問題を共有すべき(キリッ
2010-03-07 13:55:59@saisenreiha これは結構重要な問題だと思っています。『回顧と展望』の歴史理論のところで毎年同じようなことが指摘されているように変化がない。これが重要だと思う理由は、結局「歴史学って何を学べばいいわけ?」という問いへの答えに関わると思うからです。
2010-03-07 13:59:08@saisenreiha これは結構重要な問題だと思っています。『回顧と展望』の歴史理論のところで毎年同じようなことが指摘されているように変化がない。これが重要だと思う理由は、結局「歴史学って何を学べばいいわけ?」という問いへの答えに関わると思うからです。
2010-03-07 13:59:08ピーター・バークが『歴史学と社会理論』の中で、社会学者と歴史学者が互いに馬鹿にしあっていると相互の無理解を嘆いていましたが、それを読んで、歴史学者の社会学者嫌いは日本だけの話ではないのかと嘆息したものでした。
2010-03-07 13:59:50@tricycler 個人的には、無茶苦茶ヤバイことだと思っています。要するに歴史学という学問の土台を大学できちんと教えていないし、そもそも教えている側も学んだことがないので、何が土台か自分の勝手なイメージでしか理解できていないということなので。
2010-03-07 14:02:53@saisenreiha 社会学者は過去に起きたことから理論を抽出しようとし、歴史学者は過去に起きたことを理解するために理論を援用するという基本的態度に違いがあるんでしょう。歴史社会学者も理論の正当性を示すために、過去を叙述するのですが。
2010-03-07 14:42:52@toshiitoh 基本的態度が違うのは仕方がないにせよ、お互いがお互いの研究を尊重しあい、参照することで、お互いの駄目なところを補い合うという方向になかなか行かないのは残念です。自文化中心主義というのは克服しがたいと言うのは、学者を見ても思います。
2010-03-07 23:51:43学部にしろ院にしろ、歴史理論や史学史を教えない大学は結構あるのではないかと思います。そうすると、そういった知識は学生本人が意識的に知ろうとしないと得られないので、院生でもランケも大塚久雄も知らないということがありえます。というか、多分実際に沢山いるのではないでしょうか。
2010-03-08 00:00:52正直歴史学とは何かなどということは全く考えなくても、論文書く際のお約束に従えば歴史学の論文は書けますので、結構業績はあっても、そんな面倒なことは一度も考えたことがないと言う研究者がいてもおかしくないとも思います。
2010-03-08 00:05:35これは確かに言えると思います。QT @saisenreiha 正直歴史学とは何かなどということは全く考えなくても、論文書く際のお約束に従えば歴史学の論文は書けますので、結構業績はあっても、そんな面倒なことは一度も考えたことがないと言う研究者がいてもおかしくないとも思います。
2010-03-08 00:11:18@saisenreiha 僕のいる大学はちゃんとした史学部ではありませんが、確かに歴史学関係の授業で史学史とか歴史理論は教わらず、自分で本を読んでから知りました。歴史学は、やり始めてからすぐに個別的な研究に入るという印象があります。
2010-03-08 00:15:32