東方翻訳SS「幻想郷パンツパンツレボリューション」
- yuri_no_meikyu
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「でも今回行って調べるべきなのは守矢神社ね。私の勘ではどうもあいつらが関わってる気がするわ」『そうそう、早苗をうんと困らせてやるといいわ』魔理沙が頷いた。「いい考えだぜ。早苗はいかにも怪しいもんな。あのぷりぷりした太ももなんか写真とそっくりだぜ」 22
2015-08-19 22:09:08「ぷりぷり…って、ちょっと?」霊夢が動揺する。「魔理沙、なんでアンタが早苗の太もものことなんか知って…!」だが魔理沙は既に飛び去ってしまった後だった。 23
2015-08-19 22:11:40数日後、霊夢が神社の石段を掃除していると、空中から文々。新聞の最新号が霊夢の傍にポトリと落ちた。霊夢は掃除の手を止めて言った。「頼むから神社の敷地内を散らかさないで。ゴミは所定の場所にどーぞ」 25
2015-08-20 14:01:46新聞の後に出現したスキマの通路から八雲紫が這い出してきた。「新聞読んだ?」霊夢は掃除に戻っている。「いつからみんな文の新聞なんか買うようになったの?」26
2015-08-20 14:07:22「こんな美味しいミステリーが載るようになってからよ」と言って、スキマ妖怪は服の埃を払った。地面に落ちた新聞を拾い上げ、紫は霊夢に突きつけた。博霊の巫女は嘆息して受け取った。一面にはかろうじて何が写ってるかわかるピンボケ写真。 27
2015-08-20 14:13:56『スカートめくり大流行』『いまだもって正体不明の黒白の服を着た何者かが手当たり次第にスカートをめくっていく事件が幻想郷の各地で…』「ああ、そこじゃなくて」と紫。「四面の広告よ」 28
2015-08-20 14:18:59『幻想郷の最新の流行に乗り遅れるな!デザインも色もお好み次第!香霖堂にて販売中!』「じゃあ霖之助さんが黒幕だったの?」と霊夢が言った。 29
2015-08-20 14:37:59「そうじゃないわね」と紫が言った。「彼はこの状況に乗っかっただけだわ。それより霊夢は、これどう思う?」紫はまだ開いたままの新聞をポンポンと叩いた。「何が?」「お値段よ。ずいぶんお値打ちだと思わない?」 30
2015-08-20 14:51:00霊夢があっけにとられて紫を見つめた。「アンタまさか買いに行く気なの?」スキマ妖怪の顔に笑みが浮かぶ。「だからぁ、一緒に付いてきてくれないかしら。まるで仲良し母娘のショッピングみたいじゃない?」霊夢は紫を凝視するが、紫は笑顔のまま。 31
2015-08-20 15:06:10「私たち、もっと親睦を深める必要があるんじゃなくて?」霊夢がムッとする。「スキマ妖怪と親睦なんか無いわよ」「あらまあ、また憎まれ口なんか叩いちゃって」と紫が言う。「とにかくグダグダ言ってないで、一緒に行きましょう。みんな言ってるわよ、霊夢ももっと楽しむべきだって!」 32
2015-08-20 18:53:13紫は空中にスキマを開くと、まだ抵抗する霊夢を引っ張って中に入ってしまった。二人が出現したのは人里の、ちょうど香霖堂の前だった。店の前には妖怪達が道に沿ってズラッと長い大行列を作っていた。 33
2015-08-20 18:59:02「あらあ、厄介ねえ」憤然としながら袂からスペルカードを取り出して弾幕の雨で行列を蹴散らそうとした紫の手を、霊夢が上からそっと手で押さえて首を横に振った。34
2015-08-20 19:05:43「あのね、こんなところでトラブルなんか起こしてられないのよ、私たちは。列に並びましょ。そんなに長い時間はかからないと思うわ」紫は溜息をついた。「わかったわよ」35
2015-08-20 19:08:38「それにしても、こんな長い行列を見たのは、クリスピークリームが開店したとき以来だわ」列に並んでしばらくして霊夢が言った。「何それ?」眠くてコックリコックリ居眠りしかけた紫が言った。「ああそうそう、ドーナツ屋さんね。あそこの店員さんは売り物のドーナツよりずっと美味しかったわね」36
2015-08-20 19:14:54クリスピークリームドーナツは北海道に無いが、東京にはあるんだね。田舎者なんで店自体知らなかった。幻想入りしちゃってるのか。 krispykreme.jp/index.html
2015-08-20 19:17:05霊夢がジト目で紫を睨む。紫は笑って、それ以上ツッこまないでと言わんばかりに扇をパタパタさせた。「も、もう、霊夢ったら、そんなコワイ顔しちゃって。冗談よ冗談。そもそもあそこのドーナツは私まだ食べたことも無いのよ。見た目からしてちょっとすごくて、いかにも…」 37
2015-08-20 19:22:37紫がいきなり霊夢の腰回りの肉を掴んだ。「霊夢ったら神社で和菓子の食べ過ぎじゃないの〜?いつもよりちょっとプニプニよ」「やめてよっ!」と霊夢は紫の手を逃れようと身をよじらせて呻いた。それから溜息交じりにお腹をぎゅっと引っ込めた。「ほ…ほんとにそう思う?」38
2015-08-20 19:52:02「愛されいむ、にはちょっとオーバーかしら!」そう言って紫は扇で霊夢のお腹をつついた。「ちょっと!」「でも女の子が自分のセクシーさを自覚するのって大切よね」と紫が手を引いて扇であおいだ。「パンティがこんなに人気があるのもそれが理由よ。霊夢も何枚か買ってみるべきよ、絶対」 39
2015-08-20 20:09:12「私がここに来たのは異変の可能性を調べるためだってば」と霊夢はムッとする。「もちろんだぜ!」突然、一陣の疾風のように黒白のぼやけた姿が行列の横を駆け抜けた。霊夢はさっと巫女服を押さえて裾が跳ね上がるのを防ぐ余裕があったが、他の者は不運だった。40
2015-08-20 20:16:18「ドロワ、ドロワ、ドロワ、褌、ドロワ…うーーーーん」接近遭遇によって判明した下着のチェックをしながら、魔理沙が二人の元に戻ってきた。「ダメだ、パンティはいないぜ」 「アンタ、何やってんのよっ」と霊夢が怒鳴った。 41
2015-08-20 20:20:38魔理沙がふんぞり返って見下ろす。「私は全員の下着チェックをしてるんだぜ。文が写真に収めたパンティには明白な特徴があった。あのパンティを発見すれば、このせこい異変の張本人も見つかるってわけだ。それでそいつをコテンパンにして、お茶で一服、ゴロゴロのんびりする生活に戻れるぜ」 42
2015-08-20 20:28:54「それで貴女はスカートめくりなんてヘンタイじみた真似を!」服の裾を押さえて顔を真っ赤にした紫が言った。 43
2015-08-20 20:32:11「何言ってんだ、まるでホントにマジな謎があるみたいなことを」と魔理沙がニヤニヤ笑った。ところで、ドロワーズだって可愛いお洒落なフリルがついてるのもあるんだな、紫」そしてウィンク一つ残して魔理沙は行ってしまい、同時に行列は追い立てられるかのように前に進んでいった。 44
2015-08-20 21:56:37やっと霊夢と紫は店の中に入ることができた。いつもは閑散としている店内はごった返し、壁には一面に棚が据えられ、様々なデザインやサイズや色で仕分けされたパンティで埋め尽くされていた。そして年頃の可愛い妖怪少女たちがあちこちで品を手にしてさんざめいていた。霊夢は思わず赤面した。45
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