「中立」と「公平公正」はどう違うか～潘国連事務総長の”回答”から”ハシモト・アベ”思考を逆照射する

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)官房長官も、自分の会見で反論にもならないプチ切れをするより、まだ言いたい事があるなら渡米して事務総長とサシで公開討議を申し込んでは。司会はサンデル博士とかでも（笑。「中立」「公平」「公正」はどう違うか。この見解を明らかにする事は、今の日本政治、更に社会にとって非常に重要です。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)以前自民党がＴＶ局に要求した言葉は「公平中立、独立」と言うゴチャゴチャ混ぜ込みの中で、「公平」と「中立」を一体化させて(つまり区別かつかない）、「公正」は切り離そうとしている。しかし英語圏では「justice」(公正)と「fairness」(公平)の方が類義語。辞書参照。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)外来語として「フェア」と「ニュートラル」はどう違うか、と言う言い方なら日本人も知っている筈の区別、だと思うんですけどね。何かをするかしないかが違うのだと。やはり、日本語の「公平」の「公」の意味が見えなくなっていると言う事だと思います。上位ルール無き「その場の多数決」。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「公平」と「公正」の方が類義語だからこそ「impartial」と言う単語一つの訳語として、くっついた4文字熟語になっている。対して日本では「公平」(fairness)と「中立」(neutral)の方が溶けてくっつく傾向。自民党要求文やこの件のTwitter反応からも明瞭。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「公平」(fairness)から「公(社会規範)」が取れて、ただの「平等」(equality)と一緒くたになる。これは保険の負担額が「全員同じ」だった18世紀頃と同じ段階。数学者のドドソンが年齢リスクに応じた保険料率を弾き出して「真の公平」と認められ、保険は近代化された。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「真の公平」の導き方は複雑で、間違いも現実への不適合もあるし、様々な不正も紛れ込む。しかしそれを批判するには「全体の構造」を見る必要がある。ちゃぶ台をひっくり返す先祖帰りである自覚も無く、自分の都合が悪い時だけ突然１８世紀的平等を求めるのは在特会、クレーマー、反知性。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)TVの”政治的中立”にしても、本来の放送法の文言は「政治的に公平であること」。これ、言葉の趣旨はむしろ今のアメリカのTV等のPC＝「ポリティカルコレクトネス」に近いのではないですかね。訳語は「政治的公正」。性的、人種的な差別表現をしない事も”政治”に入っているわけです。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)TV報道の「中立”性”」「中立"的”」なら、立ち位置の取り方の「出発点」としては分かる言い方。思考を始める位置は無心、ニュートラルであるべき。しかし最終的にはどこかにギアを入れないと、車は走り出さない(判断・決定･行動が出来ない)わけです。この「的」がどこかで取れてしまった。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「的」のつかない「中立」を報道が受け入れてしまうと、究極「自分からは何も報道できない」事になる。そこで「今社会にある意見の中間点を取る(最も反発の少ない位置を取る)」事を”中立”と称する。何を報道するかを”自分では決めなかった”と言えてしまう、日本的な「無責任のかたち」。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)しかし、反発の少ない＝「スキャンダラスでない」位置を取る、極端な意見を「どっちもどっち」と言って真ん中のポジジョンを取ろうとする心理は大抵、社会の世論分布と言うのは統計グラフで””山を描く”事を感覚的に知っている。つまり真ん中は「多数派」だと知っているわけです。違いますかね。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)こうして日本の”中立”なTV報道は「私が何を報道するか決めたわけではない」「多数派への賛意」と言う形になる。社会的反応の総量は”ムラの穏やかさ”を保つが、これは報道が「責任」も「公平公正」も放棄している、と言う事です。「中立」においても自他の裏返り、境界喪失が起こっている。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)この様に「多数派を探り出して付こうとする」のは社会的態度としては「事大主義」だが、商売としては「マーケティング」。TVは視聴率が命。今はNHKでさえ。「ビジネス」とは私の利益であり、究極「公平公正｣にはなり得ない。その区別が忘れられ、報道も政治もだらしなくビジネス化する現状。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)常にマーケティングでお客さん獲得・拡大を図るアベ政治には「公平公正」は「当たり前」と言って済ませてしまう他人事。それをどう実現するか、が政治のテーマなのに。つまり自分の事も「当然、公平公正」だと思っている。だから異なる意見は「当たらない」「誤解」「理解されない」で済ませる。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)「自分は無謬」の裸の王様が、国内のTV局どころか加盟する国連総長に「世界は俺のルールを聞け」とクレームを付ける。菅長官が世界に晒したのは、そう言う”未開国家”の姿。原動力は”お客さん”の中国・韓国と言う特定国への嫌悪。支持率狙いのご機嫌取りか、「素」か。どっちでも「ヤバい」。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)で、最初に菅長官発言が「２つくらいの理由でヤバい」と書いた２つめの理由にようやく入る。 既に指摘のある様に、事務総長の「中立ではなく公平公正」は、近年の国連PKOの方針として「議論された言葉」であり、今のPKOの「方針」である事。「言葉遊び」どころか、安保法案にも関係がある。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)１０年ほど前までのPKOは、国内の紛争には中立=不介入で、紛争に関わらずにいられる状況に限定して平和維持、人道支援を行っていた。しかしこれだと目の前で不均衡に起こる虐殺行為を防止できなかった。ルワンダの様に。そこで今は「公平公正に」介入する、と言う方針に転換している。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)言わば９０年代にも議論されたが実現しない状態の「国連PKF」や「平和強制部隊」に、再び性格を近づけようとしている形(陰に陽に安保理国の反発が出る)。 「中立」「公平公正」での対応の違いは「国境なき医師団」のサイトにも説明が。msf.org.uk/independent-ne… …

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)つまり、国連や国際支援団体にとっては「中立」と「公平公正」は、「違いを明確にすべき言葉」として議論済みであり、知られている「区別」だ、と言う事。それを菅長官は「言葉遊び」と”バカにした”表現をしてしまったわけです。と言うより、本人が国際支援の議論を「知らなかった」と言う自白。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)しかし菅長官が「知らなかった」で済む話ではない。安保法案の中にはPKO協力要件の改定もあり、成立すれば「駆けつけ警護」や、「自己保存型」でなく「任務遂行型」の武器使用も可能に。なぜそれが必要か？PKOの性格も変わってきたから、と説明してませんでしたか。「公平公正な介入」に。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)このPKOの性格変化は参加する隊員が「殺され」あるいは「(誤って)殺す」リスクが高まる、と言う事。このリスクについての野党の指摘に内閣は何ら具体性無く「安全確保に努力する」と言うだけ。自衛隊員は他国軍の様な正規”兵”の身分保障が無いので他国民の殺傷は「個人の責任」になる。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)安保法案の中でも後方支援やPKO協力は「集団的自衛権」=憲法とは直接関係しないが、それに繋がるいくつものグレーゾーンがある。PKO参加へのリスクが高まっているのは国連の方針の下、「公平公正」の名での介入性が高まっているから。これは「言葉遊び」どころか「自衛隊員の命」の話。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)自衛隊員の命に関わり、安保法案でPKO協力を「改正」する必要の根拠であるはずなのが、国連の「中立と公平公正の違い」。それを”言葉遊び”で済ませる。菅長官が隊員の命も安保法案の必要性も「言葉遊び」としか思っていない、つまり「何も分からずに採決しようとしている」証明です。論外。