「骨格」による、22.5度系での横分子設計法

まとめ作成者が「オオクワガタ」を創作した方法を解説したツイートのまとめです。 この方法は、「骨格」という特別な折り線をいじることで、狙った横分子を持つ(つまり、欲しいカドが欲しい位置に出た)展開図を描くというものです。 大雑把に言うと、22.5度系で蛇腹設計のようなことをする方法です。
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レオンハルト @jck_ofalltrades

オオクワガタ #折り紙作品 30.5cmカラペラピスで。 展開図の左側は、青線が横分子の領域分けの線、赤線が骨格の線。 pic.twitter.com/498pPO8RHw

2015-09-10 18:45:06
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レオンハルト @jck_ofalltrades

実はこのオオクワガタは、「22.5度系の骨格」というものを考えることで創作しました。 ORIPA上で展開図を描き、試し折りして構造を修正し仕上げを確定させるという流れで創作しました。

2015-09-10 18:47:57
レオンハルト @jck_ofalltrades

今回用いた「22.5度系の骨格」により創作する方法について解説したいと思います。 骨格を考えることのメリットとして ・効率良く展開図を描ける ・22.5度系でやりにくい横分子のコントロールができる ・整数比角度系の類似構造を考えられ、構造の幅が広がる があります。

2015-09-10 18:52:25
レオンハルト @jck_ofalltrades

オオクワガタを折るにあたって、まずはアゴの折り方を大体決めることにしました。 理由は、クワガタを折り分けるにあたって一番気になるパーツがアゴだったため。 今回はσさんの「ヒラタクワガタ」(>RT)のアゴの構造を参考にしました。

2015-09-10 19:27:50
レオンハルト @jck_ofalltrades

斜め線でヒダを折り返してアゴのトゲを作る感じで。 具体的なアゴの構造を決める前に全体の大まかなカド配置を決めます。 カド配置もσさんの「ヒラタクワガタ」と同じ感じで行くことにします。

2015-09-10 19:30:02
レオンハルト @jck_ofalltrades

次に、基準となるグリッドを決めます。 今回は机さんの「ノコギリクワガタ」(>RT)と同じ正8角形ベースのグリッドで行くことにします。 この作品はダイヤ型で、予定しているカド配置はブック型だという違いはありますが、まあ何か折りやすそうだし、正8角形ベースで行こうかなと思いました。

2015-09-10 19:35:19
kaede @kaede9693

ノコの展開図。鶴というか正八角形ベースだな pic.twitter.com/cbADc8X6zC

2014-11-09 11:47:12
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レオンハルト @jck_ofalltrades

この「基準となるグリッドを決める作業」は、蛇腹系でいう「等分数を決める作業」にあたります。 22.5度系でやる場合、縦横の蛇腹紙ではなく、22.5度の前川紙がグリッドになります。

2015-09-10 19:37:40
レオンハルト @jck_ofalltrades

とりあえず正8角形をORIPAで描いてみます。 pic.twitter.com/4iTqIjA9s4

2015-09-10 19:40:22
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レオンハルト @jck_ofalltrades

σさんの「ヒラタクワガタ」を参考に決めた大まかなカド配置がこの図です。 この図は実際には描かず、頭の中で処理しています。 pic.twitter.com/JSTMGPQUdX

2015-09-10 19:44:55
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レオンハルト @jck_ofalltrades

全体の構造を決めるにあたって、まずアゴから取り掛かることにしました。 アゴのカドの中心となる場所を決めます。 各頂点から22.5度の線を伸ばして(つまり前川紙を描いて)、新しい頂点を得ます。 今回は黒で囲った頂点に決めました。 pic.twitter.com/AM37hugvZE

2015-09-10 19:51:00
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レオンハルト @jck_ofalltrades

ここまで、前川紙を描いたりカドの基準の頂点を決めたりしましたが、これらは後で変更したりしてもOKです。 不都合が起きたときに、領域付加で基準の前川紙を変更したり、カドの基準の頂点をずらしたりすることが有効だったりします。

2015-09-10 19:54:20
レオンハルト @jck_ofalltrades

今決めたアゴのカドの中心から、とりあえず22.5度の線を放射状に伸ばしてみます。 これらの線を用いて、これから展開図を決めていくことになります。 pic.twitter.com/u3MNjyIeve

2015-09-10 19:57:02
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レオンハルト @jck_ofalltrades

σさんの「ヒラタクワガタ」を参考に、アゴの構造を大まかに決定します。 左がトゲの中割折りを済ませた後、右が基本構造の展開図。 アゴ以外の部分は適当に描いています。 pic.twitter.com/zv1BiFNdKs

2015-09-10 20:04:28
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レオンハルト @jck_ofalltrades

これから、アゴ周囲の構造を決定していきます。 その際に、カドや帯領域の出方がクワガタらしくなるようにしなければなりません。 これはつまり横分子をコントロールするということです。 この段階で、「骨格」を考えることが活きます。

2015-09-10 20:09:08
レオンハルト @jck_ofalltrades

「横分子をコントロールする」と書きましたが、大雑把に言えば次のような手順を行うことになります: 1.カドになる部分から放射状に22.5度の線を伸ばす 2.周りの構造をかち合わせて、全体を平坦折り可能な展開図にする 3.横分子を確認する。狙った横分子になっていなければ2に戻る。

2015-09-11 09:17:40
レオンハルト @jck_ofalltrades

この手順において、2の部分で効率良く狙った横分子を持つ展開図を描くことが「横分子をコントロールする」ということになります。

2015-09-11 09:18:59
レオンハルト @jck_ofalltrades

そして、2の部分で展開図を得るときに、骨格を考えることが有用になります。 アゴの部分で、実際にやってみます。

2015-09-11 09:19:58
レオンハルト @jck_ofalltrades

解説の前に骨格の定義をします。 「22.5度系における骨格」とは、平坦折り可能な22.5度系の展開図上の、角度が22.5+45n°の折り線たちを指します。 ちなみに、(22.5+45n°)-(22.5+45m°)=45(n-m)°なので、骨格の折り線のなす角は45度の倍数です。

2015-09-11 09:27:06
レオンハルト @jck_ofalltrades

今のところ出来上がっているアゴ付近の展開図において、骨格は画像の青線です。 pic.twitter.com/uuNDHIhSst

2015-09-11 09:28:11
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レオンハルト @jck_ofalltrades

「平坦折り可能な展開図上では、1頂点から延びる骨格を構成する線は偶数本である」ことが分かっています。 この事実から、「平坦折り可能な展開図では、骨格はいくつかの閉曲線に分けられる」ことが分かります。 これらを用いて展開図を効率良く描くことができます。

2015-09-11 09:32:59
レオンハルト @jck_ofalltrades

着目している線以外は灰色で描くことにします。 青線で描いた部分の骨格周辺(アゴのカドの用紙内部側)を平坦折り可能な展開図にしていきます。 pic.twitter.com/xtT7fE3wem

2015-09-11 09:39:08
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