「CROSS†CHANNEL」「最果てのイマ」における物語可能性の取り扱いにおいての@tukinoha氏との応答

「CROSS†CHANNEL」「最果てのイマ」における物語可能性の取り扱いについて(http://togetter.com/li/8693)をめぐり、「メシア的時間」という概念を示唆された@tukinoha氏と@crow_henmiとの応答。
4
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi 読みました。前半はおおむね妥当な見解だと思います。後半は正直にいってよくわからないです。そもそもメシア的時間という概念を持ち出して何を主張したいのか、その辺から聞いてみたいですね。

2010-03-10 01:20:43
tukinoha @tukinoha

あと@crow_henmi さんの話を聞いていると、メシア的時間という概念そのものが、何というかメタ構造という虚構の力を借りてしか存在できない、非現実的な概念に思えてくるんですよね。

2010-03-10 01:22:51
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi 現実への帰還によって消えうせてしまうなら、メシア的な時間なんて現実には存在しない、語るに値しないものなのではないか、と。この辺はcrow_henmiさん自身も迷っているようだ、と後半を読みながら思いました。

2010-03-10 01:24:38
@crow_henmi

メシア的時間というものを単線的な時間に適応するのではなく、可能性の束としての複数の時間線に適用することで、複数の時間線にまたがる可能性空間を一望のもとに把握できる状況があって、それがKanon問題の究極的な答えではないか、というのが前半で云いたかったことですね。

2010-03-10 01:27:00
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi 固有美希がメシア的な時間の象徴というのは、どういうことなのでしょう?美希だけクロノス的時間を生きているわけで、メシア的時間にとっての異物というのならわかるのですが。

2010-03-10 01:28:00
@crow_henmi

@tukinoha 後半においては、そうしたメシア的時間性によって構築された「Kanon」の鬼子としての「C†C」や「イマ」は、どのようにしてそれと向き合ったか、ということを書きたかった、のだと思います。そして、それはメシア的時間からの脱却へとつながったのではないかと。

2010-03-10 01:31:04
@crow_henmi

@tukinoha ただ、ここでの「メシア的時間」はベンヤミン的なものではない、独自の解釈になってると思います。むしろ「すべての物語可能性がそこにある場所」というような意味合いで把握しているような。

2010-03-10 01:32:16
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi 田中ロミオは『Kanon』がメシア的時間を前提にしていることを理解し、それを『CC』において踏襲しつつ、最後にそれを否定した、ということなのでしょうか?

2010-03-10 01:33:30
@crow_henmi

@tukinoha メシア的時間は虚構の力を借りてしか存在できないものではない、とは思います。しかしその構造は近代的な時間構造の把握とずれていて、それが現在におけるメシア的時間とのアクセスの困難さを表し、メタ物語的なものの助けを必要とするのではないか、と。

2010-03-10 01:33:58
@crow_henmi

@tukinoha そういう論拠になりますが、ここで気を付けるべきなのは、たぶんtukinohaさんの理解とぼくの理解がメシア的時間について食い違っているであろう、と云うことで。まあぼくがベンヤミンをきちんとやってないのがまずいのですが。

2010-03-10 01:35:00
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi さんは以前、『Kanon』の時間性を読み損なった誤読の産物として『CC』がある、と書いてませんでしたっけ。

2010-03-10 01:36:37
@crow_henmi

あと、固有ミキミキがメシア的な時間の象徴/表象と云うのは、ミキミキは複数の可能性宇宙を横断し物語の複数性を身に帯びた存在であり、それがそれぞれの可能性宇宙で顕現している、という部分に着目したのですが、ちょっと無理筋だったような。

2010-03-10 01:38:37
@crow_henmi

@tukinoha その時はそう思ったのですが(今でもその解釈はありだと思っているのですが)、「メシア的時間」という概念をとっかかりに、別個の解釈として、「C†C」「イマ」がKanonへの返歌として機能している部分を強調してみようと思ったわけです。

2010-03-10 01:40:30
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi さんは『腐り姫読本』の対談を読んでるわけですよね。その辺が『CC』解釈の典拠になってるのかな、と思っていたのですが、どんなことが書いてありました?

2010-03-10 01:42:52
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi 固有美希の解釈は無理筋かと。美希自身が年を取ってしまう、磨耗してしまうことと、メシア的時間は相容れないのでは。

2010-03-10 01:44:35
@crow_henmi

@tukinoha 今手元にないので不正確かな話になりますが「選択肢分岐で各ヒロインを攻略してメタ物語上でハーレムになるより、各ヒロイン話を線的に接続した構造でハーレムを作る方が望ましい」みたいな話でした。この場合後者では主人公はベタに全ヒロインを攻略するわけです。

2010-03-10 01:47:58
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi あと、話を蒸し返すと「メシア的時間」とメタ物語の結びつきをあまり強調すると、現実を生きられない概念の貧弱さが印象に残ってしまうかなぁ、と。

2010-03-10 01:47:58
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi なるほど。私も基本的には「メシア的時間」という概念を用いてロミオ作品を読み解くことは有効だと思っているのですが、それを聞くと少し自信がなくなりますね。

2010-03-10 01:51:08
@crow_henmi

@tukinoha ミキミキが結局挫折してしまうのが、その無理筋性及び、太一がメシア的時間を手放して均質で空虚な時間へと回帰することへと関係があるのかもしれない、と云うような読みもできないでもないですが、ここではとりあえずおいておきます。

2010-03-10 01:51:24
@crow_henmi

@tukinoha それゆえに以前は「Kanon」のメシア的時間性を誤読してああいうものを作っちまった例(ただし選択肢型ギャルゲの一般規則をことごとく逆倒させてその構造を表している)として読んでしまったわけですが、メシア的時間という読み方からも読めるなと再認識した次第です。

2010-03-10 01:55:02
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi さんは「最後の曜子との対決は「偽りのメシア的時間性を生きる現象としてのふたり」を選ぼうとする曜子に近代を突きつける太一、という構図」と書いていますが、これは正しいと思うのです。1週間でループするあの世界は、Kanonの誤読による似非メシア的時間であると。

2010-03-10 01:57:31
@crow_henmi

@tukinoha 「メシア的時間」を東理論のメタ物語分析に使うと云う目的があったので、結果としてメシア的時間というものの現実における適用を除外した狭い言説になっている部分は大いにあると思います。たぶん、ここを大塚英志云うところの「世界」におきかえると割とマシになるかと。

2010-03-10 01:58:14
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi メシア的時間が実現されるのは、送還が終わった後なのではないでしょうか。つまり、太一が電波塔をくみ上げて放送を行い、いつか、誰かがそれを受信する。この時間的・空間的ズレを許容する世界が「メシア的」なんのではないか、と。

2010-03-10 01:59:43
@crow_henmi

@tukinoha それについては、「黒須ちゃん、寝る」を説明しうるかなり強い根拠だと思います。

2010-03-10 02:01:04
tukinoha @tukinoha

@crow_henmi 固有ミキミキの話を持ち出したりして「ループ世界でも部分的にメシア的時間が成り立っている」とするから議論がややこしくなるのであって、送還作業が終わるまではメシア的と見せかけたクロノス的時間、作業を通して徐々にメシア的時間に近づいていく、という方がわかりやすい

2010-03-10 02:05:11