堕胎罪廃止運動の是非(「ピルとのつきあい方」氏との議論)

中絶・堕胎の倫理的是非については、別の論点として保留しています。
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ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

つまり、堕胎罪廃止と安価で安全な中絶・堕胎の権利は背反するものではない、というのがねこ氏のご意見です。 私は無償/安価で安全な中絶が病院で受けれるならば、堕胎罪は意味を失うと述べています。条件を考慮せずに一般論で論じることは無意味です。

2015-11-23 08:06:47
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

中絶は決して安全なものではありません。安全を担保するために、中絶を行うことのできるのは資格のある医師に限定されています。資格のない医師による中絶を禁止しているのが堕胎罪です。堕胎罪が廃止されれば、安全な中絶の担保が失われます。 twitter.com/hyougen0/statu…

2015-11-23 08:07:03
ねこ @hyougen0

@ruriko_pillton 『仮に現在の日本で堕胎罪を廃止したとします。そうすると、中絶は自己責任でどうぞという事になるわけです。』 なぜ、堕胎罪を廃止すると(今よりもさらに)『中絶は自己責任』ということになるのですか?→

2015-11-03 15:30:02
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

中絶の合法化とは、阻却条件に合う中絶を合法と国家が認めることです。その場合、国家は中絶を社会的必要と認めたことになります。堕胎罪を廃止すれば、中絶は完全に個人的なことになり中絶費用の社会負担論は導けなくなります。 twitter.com/hyougen0/statu…

2015-11-23 08:09:24
ねこ @hyougen0

@ruriko_pillton →堕胎罪の存在と、中絶が社会的責任である(費用を社会的負担にすべき)か否かということと、両者の関連性が分からないのですが。→

2015-11-03 15:30:41
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

中絶の合法化は闇堕胎による女性の健康被害をなくすことを目指しました。堕胎罪が廃止されれば、男性や家族が無理やり中絶薬を服用させたり、経験のない医師が中絶を行ったりの無法状態になります。中絶薬の入手も規制されなくなります。 twitter.com/hyougen0/statu…

2015-11-23 08:09:40
ねこ @hyougen0

@ruriko_pillton →なぜ、堕胎罪が廃止されると、現在の指定医以外の「闇医者」にかかったり、自己堕胎をする女性が増えるのですか?

2015-11-03 15:33:47

*ねこの返答

ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

ねこ氏のご意見は「(私rurikoは)堕胎罪廃止と、安価で安全な中絶・堕胎の権利とをトレードオフのように見なしている」との前提の上に 成り立っています。

2015-11-23 08:06:28
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

つまり、堕胎罪廃止と安価で安全な中絶・堕胎の権利は背反するものではない、というのがねこ氏のご意見です。 私は無償/安価で安全な中絶が病院で受けれるならば、堕胎罪は意味を失うと述べています。条件を考慮せずに一般論で論じることは無意味です。

2015-11-23 08:06:47

確認ですが、ruriko氏の認識は、現時点での堕胎罪の廃止は、①安価で安全な中絶・堕胎の権利の獲得(運動)を阻害する、(つまり、堕胎罪が存在する状態の方が、より有利に中絶の権利の実質的な保障を勝ち取れる)、②女性の健康を、廃止前以上に脅かすことになる、というもので間違いないですか?私はその二点に疑問を呈しているわけですが。(『トレードオフ』云々は、①のことです。)

①『中絶の合法化とは、阻却条件に合う中絶を合法と国家が認めることです。その場合、国家は中絶を社会的必要と認めたことになります。堕胎罪を廃止すれば、中絶は完全に個人的なことになり中絶費用の社会負担論は導けなくなります。』

『阻却条件』の内容も重要な議題だと思いますが今回の議論の核心ではないので置いておくとして。
まず、国家が一定の条件下の中絶を合法と認めたということは、国家が中絶を『社会的必要』と認めたことになるでしょうか?勿論、そういう論理の立て方は可能ではありますし、実際そのようにして、つまり、中絶の社会的必要性を謳うことで合法化を勝ち取ったという歴史をもつ国もあるかもしれませんが、行為の合法化が、即ち社会的必要性を認めたことを意味するとは思いません。(或いは、「社会的」の意味をかなり薄めて、広義にはそう言えるかもしれませんが…。)一定の条件下での中絶が母体保護法で合法化されたというだけで国が社会的必要性を認めたと言えるなら、労働基準法で合法化されている一定の条件下での児童労働についても同様のことが言えるでしょうが、そのような薄い意味での「社会的必要性」が確保できても無意味でしょう。国家が一定の条件下の中絶を合法と認めたということを、『社会的必要と認めた』と捉えることができるのと同程度には、中絶の単なる消極的自由を認めたと捉えることもできるでしょう。
そして、上と同様に、『堕胎罪を廃止すれば、中絶は完全に個人的なことにな』るか、というのも疑問であり、「なぜ、堕胎罪を廃止すると中絶は自己責任(個人的なこと)ということになるのか?」という問いは残ります。また、もし中絶が『自己責任』(『個人的なこと』)であるとしても、それは、中絶に関する費用を社会的負担にするか否かということとは別の話でしょう。

②『堕胎罪が廃止されれば、男性や家族が無理やり中絶薬を服用させたり、経験のない医師が中絶を行ったりの無法状態になります。中絶薬の入手も規制されなくなります。』

『男性や家族が無理やり中絶薬を服用させ』るという部分以外は、私の問いの答えとしては不適だと思います。中絶薬の入手規制がなくなるというのは分かります。「闇医者」が増えるかもしれないということも分かります。しかし、自己堕胎したり、「闇医者」にかかったりして自らを危険にさらす女性の数は、廃止前より増えるでしょうか?その理由は?
或いは増えるとして、それは、何らかの理由で中絶・堕胎ができなかった女性が、非犯罪化というリスク軽減により選択を変えた(危険な中絶・堕胎の身体的リスクよりも産む場合の方が苦しいという状況判断をした)だけではないでしょうか。つまり、増えたからといって女性の健康・幸福が悪化したとは言えないのではないでしょうか。危険な中絶により生じる女性の身体的リスクのみに焦点を当てることで、一人で出産して赤子を殺す/捨てるというケースなどを視野から排除することになるのでは。『闇堕胎の時代に逆戻り』や『無法状態』などという言い回しは、現在:良い状況/廃止後:悪い状況という安直な理解に基づくラベリングに思えてなりません。
そして、『男性や家族が無理やり中絶薬を服用させ』るということですが、確かに、入手が合法になる以上、その可能性が高まることは否定できないと思います。断っておきますが、私は堕胎罪を訝しくは思いつつも、(中絶問題に精通しているわけではないということもあり、)「廃止することで(それだけで)女性のためになる」とか「中絶薬の取り扱いに関して完全に自由にしたほうが女性にとって良い」とかいう論陣を張るつもりはありません。まあしかし、力ずくで、或いは騙して気づかれないように、或いはその他の方法で女性本人の意思に反して服用させることが可能であるということをどう位置付けるか(評価するのか)というのは議論の余地があると思いますが…。

「堕胎罪の廃止か否か」という枠組み設定が適切でないのかもしれません。堕胎に関する各犯罪ごとの議論、或いは指定医や薬などに関する細かい議論がしにくくなってしまう。

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ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 ねこさんのご意見や疑問点を読ませて頂きました。ブログに書いていることを繰り返すことになるので、むしろブログをお読み下さいとのお返事が適当かと思います。

2015-11-24 12:32:27
ねこ @hyougen0

@ruriko_pillton 宜しければ、どのブログエントリのどの部分に答えとなる内容が書かれているか示して頂けませんか?少なくとも、氏が既に示された4つの中にはありませんでしたが。

2015-11-24 13:04:16
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 堕胎罪廃止論について議論したいとのことだったと思います。私の立場は堕胎罪廃止反対で明確です。ねこさんが堕胎罪廃止賛成でなければ議論になりませんよね。

2015-11-24 19:00:33
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 堕胎罪廃止賛成の立場から発言するならば、①堕胎罪の問題点や廃止が必要な理由を示す責任はねこさんにあるわけです。

2015-11-24 19:00:50
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 自己堕胎する女性が罰せられるという問題点の指摘に対しては、ブログで見解を示しています。ねこさんが堕胎罪廃止賛成論を展開するためには、新たな観点の提示が必要かと思います。

2015-11-24 19:01:25
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 ②その上で、堕胎罪の必要性に対する反論を提示すべきです。私は厚労省通達の出るまで経口中絶薬が頻繁に個人輸入されていた実態を踏まえ、堕胎罪がなくなれば個人輸入が復活し、身命を害する女性が出ると論じています。

2015-11-24 19:01:57
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 ねこさんは、この点について自己堕胎/「闇医者」が「廃止前より増えるでしょうか?その理由は?」と書いています。個人輸入すれば中絶手術の1/4の費用ですみます。ねこさんは、それでも増えないと論じなければ議論になりませんよね。

2015-11-24 19:02:27
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 ねこさんは、この点について自己堕胎/「闇医者」が増えたからと言って、「産む場合の方が苦し」さを考えれば、「女性の健康・幸福が悪化したとは言えない」と指摘しています。無責任なご意見だと思いますが、堕胎罪廃止反対論の立場から反論しなくてはならない必然性はありません

2015-11-24 19:03:00
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 ③刑法第213条(同意堕胎及び同致死傷)を廃止しても大きな問題は生じないとし、「『闇堕胎の時代に逆戻り』や『無法状態』などという言い回しは、現在:良い状況/廃止後:悪い状況という安直な理解に基づくラベリングに思えてなりません。」とねこさんは指摘しています。

2015-11-24 19:03:21
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 殺人罪をなくしても殺人が増えるとは思わない、と考えるのは自由ですが、法による秩序は弱者を守るためにあります。そのような法が不要と考えるのは独自思想なので論評のしようがありません。

2015-11-24 19:03:48
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 ④中絶観について、中絶の合法化は「(中絶の)社会的必要」を認めたとは言えないとねこさんは主張します。一般論としてはご指摘の通りです。日本の優生保護法はまさにご指摘のように中絶の社会性という観点を伴いませんでした。

2015-11-24 19:04:10
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 欧米では中絶の権利は勝ち取られたものです。中絶は個人に属することであり、罪であるとの考えが支配的でした。それを乗り越えるには、中絶は個人的営為ではなく、社会的機能であると主張せざるを得なかったのです。

2015-11-24 19:04:31
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 社会を維持するために中絶があり、女性がその犠牲となっている。この認識なしには、中絶の合法化は実現されませんでした。

2015-11-24 19:04:59
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 中絶の合法化は社会的機能としての中絶との認識とイコールでした。社会的機能を女性が負担しているとの認識から、中絶も中絶を少なくする避妊も社会でコストを負担することになりました。

2015-11-24 19:05:17
ピルとのつきあい方(公式) @ruriko_pillton

@hyougen0 その辺りの事情は、「生殖にまつわる費用の社会負担を求める論理」finedayspill.blogspot.jp/2015/09/blog-p…をご覧下さい。

2015-11-24 19:05:52

*ねこの返答