“マカロニウエスタン生誕50周年”『荒野の用心棒』雑学コラム「マカロニ・マシンガンは弾切れしないんだぜ。」蔵臼 金助
- klaus_kinske
- 24676
- 209
- 22
- 12
ギリシャ神話の英雄たちが神々の罰を受けた後、一度死を経験してから再生、試練を経て伝説になるのと同じ展開ですね。 無敵のヒーローがただ活躍し、挫折も無く、敵を打ち負かし続けるのは飽きてしまうのだよ、セガール君。
2015-11-22 23:50:07ウエスタン関係のイベントで、某ハリウッド製西部劇原理主義者と決闘したことがありましたよ。 棺桶に右足と真ん中の足を突っ込みかけたその爺さんは私に言いましたね。
2015-11-22 23:54:31「マカロニウエスタンに出てくるコルトはみんなチープなインチキコルトだ。フレームトップのラインが全然違う。本場の西部劇でハリウッドのスターはみんな本物のコルトを使うから、存在感で差がつく。」
2015-11-22 23:54:59詳しくは『荒野の用心棒』Blu-Rayコレクターズ・エディションの特製ブックレットにも書いたが、マカロニに出てくる“イミテーション・コルト”の源流は、アメリカで発売されたレプリカ・コルトに在ったんだぜ。
2015-11-22 23:56:03ジョン・ウェインが『ラスト・シューティスト』で使っていた銃だって、実はコルト社純正でない、複製のコルトだったんだよ。 複製を使っていようがいまいが、この映画のデュークはえらいカッコ良かったろ? pic.twitter.com/EDeZW9uKtb
2015-11-23 00:02:35今だったら言い返せます。 「おいおい、OLDMAN。よくそんな知識で今まで西部劇観てきたな」って。残念ながら、そのハリウッド製西部劇原理主義者の爺さんは既に両足とも棺桶に突っ込んじまった。 E Cosi Sia…。
2015-11-23 00:04:04同じくマカロニウエスタン関係のイベントで、某広島在住のマカロニ重機研究家と歓談中、彼が観たばかりのポール・W・S・アンダーソン『三銃士』の話になりました。
2015-11-23 00:06:382001年に映画化された『ヤング・ブラッド』(同じく原作はデュマの『三銃士』)もそうなんですが、「劇中、“俺の馬をバカにするな”という台詞が出てくるんですよ」と彼は言うのだ。
2015-11-23 00:07:09『ヤング・ブラッド』のプロデューサーは、『リンゴ・キッド』『皆殺し無頼』などで鳴らした元マカロニ俳優のマーク・ダモンだから、てっきりお約束と思うわけだ。この台詞は『荒野の用心棒』に対するオマージュで、ポール・W・S・アンダーソンも先人に敬意を払ったのだろう。
2015-11-23 00:07:28違っていたんだなあ。「俺の馬をバカに...」云々の台詞は、アレクサンドル・デュマの原作に出てくるのだそうです。レオーネはデュマの『三銃士』の台詞を引用して、『荒野の用心棒』でイーストウッドに言わしていたんだね。
2015-11-23 00:07:56ちなみにマカロニウエスタンの作家たちはデュマが大好きで、カステラッリ監督はデュマの想像するドラマ・トゥルギーに関してあれこれ語りまくっていましたし、そもそも『星空の用心棒』の骨子は『モンテ・クリスト伯』から借用しているのであります。 pic.twitter.com/KuI0KCaFln
2015-11-23 00:09:40主役をアメリカ人にすることに拘ったセルジオ・レオーネは当初、ヘンリー・フォンダ、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、クリフ・ロバートソンらに新作西部劇の打診をしたものの、ギャラの額、脚本の悪さを理由に断られました。
2015-11-23 00:18:13そして、「現実的なギャラで雇える」のを理由に、TVシリーズ『ローハイド』のレギュラーを演じていた長身の男に主役がまわって来たのです。 pic.twitter.com/xueHe8sguo
2015-11-23 00:25:41当時34歳だったその男、クリント・イーストウッドは、『ローハイド』で愛用していたアンディ・アンダーソン・デザインのガンベルトと、銀で出来たガラガラヘビの飾りが埋め込まれたウォルナット製コルト・シングル・アクション・アーミー用のグリップを携えて、ローマ空港へと降り立ちます。
2015-11-23 00:26:08『荒野の用心棒』のキャラクターが出来上がる瞬間でした。 pic.twitter.com/SSVPKu5UR1
2015-11-23 00:28:15その28年後に彼は自らが監督した最後の西部劇、『許されざる者』のエンディング・クレジットにセルジオの名を冠し、さらにその50年後の現在、最初の本格的なミュージカル映画『ジャージー・ボーイズ』をヒットさせて、 pic.twitter.com/4iWNSTCjT7
2015-11-23 00:29:36さらには新作『アメリカン・スナイパー』を演出することになるのです。いったい誰がこんな未来を予想しえたでしょうか。 pic.twitter.com/dUOUTE5seM
2015-11-23 00:32:08『荒野の用心棒』を演出した時、セルジオ・レオーネは30代半ば。それまでの実績は“サンダルもの”(歴史劇)の脚本が数作と、監督作が2本。彼の名を一躍有名にしたのは、本作が最初です。
2015-11-23 00:44:27しかし、本作ではより作品を本場の西部劇らしく見せたいがために、ボブ・ロバートソンと言う変名を用いていました。彼は未だ無名の映画監督。しかし、野心に溢れるエネルギッシュな、無名の監督でした。 pic.twitter.com/EfkXjXs6mU
2015-11-23 00:45:091963年の終わり近くに、一年半近く失業状態にあったセルジオ・レオーネは、ちょうど劇場で黒澤明の『用心棒』を観終えたばかりの知人の照明技師会いました。
2015-11-23 00:46:15照明技師の名は、エンツィオ・バルボーニ(後に『ガンマン無頼』『ガンクレイジー』などの撮影監督を経て、『風来坊/花と夕日とライフルと…』の監督になります)。
2015-11-23 00:46:59