【HYDE】Another Story - 7.狂い咲く魂

塔の頂で、運命は複雑に交差する。新たなる乱入者を迎えた先に見るものとは。彼女の悲しき過去とは。
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ばしこし@文垢 @bs_ks_0

「ふふっ!」。可愛らしい声で少女は笑う。この場でなければ己も笑えるのだろう。が、この状況で誰が共に笑顔になれるだろうか。ハイドの瞳に映るイースの姿は。禍々しいオーラを体に纏わせ、いつの間に取り戻した両腕に持った"武器"は、昔の相棒の姿など欠片も具現されていない、ふた振りの刃。25

2015-11-26 00:53:58
ばしこし@文垢 @bs_ks_0

「....一体、何が、」。ハイドは言葉を失った。彼女の思考回路はショート寸前で、今起こっている事柄すら理解するのは難しい。「...信じたくない?そうよね」。驚愕と絶望に目を見開くハイドを一瞥し、少女は笑みを残忍なものへと変貌させる。「あの人は..."貴女の追憶"よ、ハイド」。26

2015-11-26 00:57:44
ばしこし@文垢 @bs_ks_0

ふわり、と、少女はイースの元へと移動する。ハイドの瞳は、彼を凝視して動かない。少女はその場に佇む"イース"であろう影の背中に身を重ねながら、ハイドの方へと振り返る。「...さあ、繰り返しなさい。在りし日の絶望を」。"あぁ、ハイド。貴女の絶望は...どんな味がするのかしら?"。27

2015-11-26 01:01:47
ばしこし@文垢 @bs_ks_0

Another Story -7- 狂い咲く魂 終

2015-11-26 01:02:45