「戦争/ガンダムはかっこいい」か? ~安彦良和さんインタビュー記事(朝日)のぐだぐだ感想
**やるだけやってから富野氏がふと作ったのが、言わば結婚育児奨励アニメ「ママは小学4年生」(のOPコンテ)。
続)「ニュータイプ」と言う語はあたかもアニメファンの自画像の様に取られた所があって、アニメ雑誌の名にもなり、アニメに関心があるのか無いのか分からない様な世間まで自分(アンノ監督と同い年)世代を「新人類世代」と呼んだ。少なくとも「70年代の文脈から切れた世代」、とは言えるかも。(続
2015-12-08 17:07:20続)しかし安彦氏は弘前大学に入学した時には民青に入りそして抜け、無党派で運動を続けて最後には放校になり、上京して虫プロに入り、アニメの仕事をしながらも近くの秩父困民党事件の資料調べを”生きる支えにしていた"人。当時の氏の人間観が鮮やかに描かれているのは、防災アニメ「火事と子馬」。
2015-12-08 17:17:25上映会終了。今回初めて観た『火事と子馬』は素晴らしかった。個性的な面々、生き生きとした動き、細やかな生活描写、安彦良和さんの魅力に溢れた短編だった。こんな豊かな表現の手描きアニメーションを、現在作ることができるだろうか? pic.twitter.com/dILVTUQXZD
2015-05-23 16:49:25続)安彦氏が”火事と子馬”で描いた様な人間観からは、社会の多くの人はニーチェ的な「超人」にはなれないし、生活の安定に乗っかってただの人がそんな錯覚を持つ事も、錯覚させる様な表現をする事も不可と言うより「犯罪」。なんとか宣言イベントでは「実体の無いイベントは犯罪」とまで言ったとも。
2015-12-08 17:27:56安彦氏は「秩父事件」を、漫画『王道の狗』の一部として描いています。
*一方で安彦氏は同じ頃に「さらばヤマト」にも深く関わっています。初代では絵コンテのみ担当だったが、既に「ライディーン」等でのキャラファン人気もあり、西崎Pにラストシーンの作画を依頼されて請け、また松本氏と西崎氏の間に既にあった確執絡みで広告の絵に松本画を使わず、古代と雪の絵を安彦氏が描いている。ファーストヤマト原理主義(笑)の自分は「さらば」を見ていなかったので、後で知ってびっくりしました。広告イラストも安彦氏が描いたと言われないとなかなか気づかない。虫プロ出身同士、とも言える西崎氏と安彦氏。いわば何かの”義理”を返したのか。この辺は安彦氏の作品歴のディープな部分だと思います。
続)安彦氏はアニメの「ガンダム」本編では、富野監督の現場叩き上げの様な優れた人間観察表現を「ステレオタイプでない個の人間」として絵にするために"共闘"していた感があるけれど、話が"ニュータイプ"と言う「個の独立でない話」になると、それはもう違う話だと言う事だったのかも知れない。
2015-12-08 17:37:48続)宮崎駿氏は高畑監督の「ハイジ」と言う、アニメ日常表現と言う新しい挑戦に共闘するが、話数半分に届く前に「ハイジで僕らがやるべき事はもう全部やった!」と叫んだとか。「三千里」ではもう、画面設計(レイアウト)の職人に徹した。富野氏と安彦氏にもそう言う「分かれ道」はあったのだろう。
2015-12-08 17:50:27続)しかし「ガンダム」の職分はあくまで富野氏が監督で安彦氏は作画。外から見ると意に沿わなくなった部分は部分で放っておけばいい気もするのだが、「オリジン」で独自に語り直しを試みたのは、やはりアニメ界にも留まらなかった安彦氏の「個人」としての作家性、そして政治的な誠実さかも知れない。
2015-12-08 17:56:15続)富野氏も戦争のステレオタイプでない"実相"を描こうと試みを続けている人で、「Gレコ」でパイロットシートにトイレをつけたと言うのもそんな。しかしトイレ完備の綺麗な機体が貰えて「"有志国"の兵士でよかった」と思うだけでは。カタロニア讃歌の「従軍とは野糞の山」にはなかなか届かない。
2015-12-08 18:08:05続)宮崎駿氏は"ミリオタ"でありながら、アニメではリアルな戦争表現をしない。「アニメでは描けない」とはっきり言っている。生理を伴いかつ観客が受容出来る表現は「政治的ウソ」。ただしアニメでは描かない表現も漫画版ナウシカや漫画「泥の豚」ではする。「動かない」から描けるものもある。
2015-12-08 18:16:48「だまされるな」。誰に。皆まで書けない朝日。
安彦氏は”(安保法制)採決の過程について「多数決が議会のルールとはいえ、納得できない」と主張。与党が圧倒的多数を占める状況には「国民にも責任がある」と指摘した。”(2015年7月)
朝日記事から安彦良和氏の”若者への言葉”。「だまされないでほしい。安保法制の反対デモを見ていると、学生運動をしていた我々みたいに跳ね返ったことをしないで粛々とデモをしているので見直した。一方、『9条守れ』『平和国家守れ』で思考停止してしまっては残念だ。」(続
2015-12-08 18:30:25続)「…例えば、ISISみたいなものにどう対応するのかなど、この先、自分の頭でよく考えていってほしい」と。 求める内容も集会のあり方も法に沿って「粛々と」、が安彦氏の頃の学生運動とは180度違うところ。「法に反する」要求は一つも無く、「内閣は法を守れ」と言うデモ。知るべきは大人。
2015-12-08 18:34:25続)SEALDsの主張の文脈での「9条守れ」とは、条文としての9条を守れ、と言う意味ではないんですよ。「内閣は自らの過去の9条解釈を法に沿って遵守せよ」、「自分の言った事は守れ」と言う意味なんです。そうでなければ憲法は9条に限らずグズグズになり、基本的人権も守られないと。
2015-12-08 18:38:41続)SEALDsが「立憲主義って何だ」を問うのは、憲法解釈の”法的安定性”を屁理屈で裏返されていては、他の条文でも同じ事が起こるから。実際、臨時国会開会要求にも従わない。国民の基本的人権に関わる条文も同じになる。と言うより自民は元々憲法軽視。経済の順調な間は気づかずに済んだだけ。
2015-12-08 18:45:52続)安彦氏の「一方『9条守れ』『平和国家守れ』で思考停止してしまっては残念だ」がSEALDsのコアに近い部分を指すのか、もっと広い”総がかり”的部分まで指しているのか不明だけど、前者なら杞憂だと思います安彦さん(笑。恐ろしい程現状理解が追いついてないのは、”TVっ子”の大人の側。
2015-12-08 18:57:54クール、ジャパン!クール、ジャパン!