「戦争/ガンダムはかっこいい」か? ~安彦良和さんインタビュー記事(朝日)のぐだぐだ感想
「戦争はかっこいい」と誤解招いたガンダム 安彦良和氏:朝日 asahi.com/articles/ASHD5… ベトナム戦争の頃にも漫画が戦争はカッコいいものと誤解させていると言われ、週刊朝日は「戦争はカッコいいか?」と題した描きおろし"反戦"漫画アンソロジーの増刊を出した事がある。
2015-12-08 15:32:25続) 終了オークションの説明文から。 週刊朝日 増刊号 「戦争はカッコいい」か?昭和46年8月25日号 赤い砂漠/石森章太郎 沖縄に散る/水木しげる 日中戦争(小山内 宏)/横山まさみち 小さな戦争/江波じょうじ 復活の日/黒田みのる 真空地帯/瀧田ゆう
2015-12-08 15:37:36続) 週刊朝日増刊号 ”「戦争はカッコいい」か?”のオク出品説明より。 "少年誌によくある武器のイラスト解説など、少年誌のような体裁。 当時25歳の医大学生だった北山修氏が司会の討論会もあり、当時22歳のベ平連で大学生の吉岡忍氏も出席。巻末に「広島・長崎の原爆禍」の写真特集。"
2015-12-08 15:43:12週刊朝日増刊 1971 「戦争はカッコいい」か?page22.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/l32… ヤフオクに出品が。表紙と中身見開き画像が4点ほど見られます。
2015-12-08 20:32:01続)この増刊号は昔古本屋で見つけて、読んでいます。今ちょっとどこにあるか(汗。 赤い砂漠/石森章太郎 は全PカラーのSF。 小さな戦争/江波じょうじ はソンミ村虐殺のドキュメント劇画。 復活の日/黒田みのる 真空地帯/瀧田ゆう の2本は、小松左京・野間宏の小説のダイジェスト。
2015-12-08 15:53:26続)昭和46年の週刊朝日増刊号 ”「戦争はカッコいい」か?"掲載の漫画は多分すべて描きおろしで、雑誌全体の構成の中で見てこそ時代的意味の分かる漫画でもあるので、せっかく安彦良和氏に引っ掛けて"戦争はカッコいい"と言うフレーズを使ったなら、ぜひ電子書籍で復刊か無料公開を希望(笑。
2015-12-08 16:05:27続)この増刊は、朝日が昭和40年代、何度目だかの"マンガブーム"の中で、漫画とは決して「戦争をカッコいいものと思わせる」だけのものではない事を、いわば「漫画」の側に立って、週刊誌の購買層に示した本でもあるんです。筆者のセレクトも良く考えられている。
2015-12-08 16:09:40"戦争まんが"だらけだった1960年代
続)安彦氏の記事中”70年代、戦争をテーマにしたアニメはヤマトとガンダムだけ”はまあその通りだけどちょっと注釈が必要で、60年代の少年"漫画"の方は戦争漫画だらけでした。空戦を決闘かスポーツの様に描くものも目立った。"「戦争はカッコいい」のか"の批判の語はこれに対してのもの。
2015-12-08 16:20:02続)60年代の少年向け戦争漫画はモロに第二次大戦を舞台にしていたので、現実離れの軍国プロパガンダだ等と批判され、70年代に入る頃には殆ど姿を消す。読者の感覚とも合わなくなっていた。最も進化した形になって最後まで残ったのが松本零士「戦場まんがシリーズ」「ザ・コクピット」。
2015-12-08 16:25:24続)60年代では海外TVドラマでも「コンバット」の様に、戦争を優れた人間ドラマにしていた。エンタメの題材としては普通だった。しかしベトナム戦争の実相がリアルタイムに映像で伝わり、現実の戦争を"生理的に問題ない部分"だけ抽出して描くのは、もうダメだ、となった、と言う事だと思います。
2015-12-08 16:35:07「ガンダム」も、つまりロボット物に「コンバット」を混ぜるのかな?と思ったんですよね。第二次大戦的だし。実際前半の頃はそんな感じでした。
トミノ氏とヤスヒコ氏の哲学的確執。神か、人か。
続)現実の戦争を直接モデルにして漫画やアニメで描く事は避ける様になった替りに、歴史の過去も現在もなるべく連想させない「SF」の方向に逃がしたのが「ヤマト」「ガンダム」。ならばどう描くべきか、と言うところに「ガンダム」の監督・富野氏と作画監督だった安彦氏には深い確執がある。
2015-12-08 16:44:44続)アニメブームも中で個人的な作家性が露にされる中、富野氏と安彦氏の確執は深い哲学の領域と言うべきで、だから"共闘"出来た部分も深くまであった。"現場感覚"を等身大に描くようなところから始まったガンダムは、最後はニーチェ的な”超人”の物語に変容していく。「ニュータイプ」。
2015-12-08 16:51:57続)富野氏の"闇の深淵"を覗く様なニーチェ哲学的人間観は「イデオン」で徹底して展開される。とても刺激的な内容で"SF"にもピッタリだけど、このスケールだともう人間一人などゴミクズみたいなもの。その証明として登場人物も「皆殺し」にする。「ニュータイプ」とは、それも"アリ"と知る人。
2015-12-08 16:57:34この辺は、宮崎駿氏の漫画版ナウシカでも深く追及されているところだと思います。"闇の深淵"も登場します。「念話」の様なニュータイプ的超能力もある世界。未整理メモとして書き足せば「超能力SF」の嚆矢はV・ヴォークトの「スラン」。ヴォークトは戦後ブームになった"一般意味論"を言わばそのまま絵解きした「非Aの世界」の作者でもある。禅ブーム、スピリチュアルと繋がっている流れ。その極端化例には「オウム」も入ります。
*「スラン」は竹宮恵子「地球(テラ)へ…」の言わば元ネタ。エスパーのサーガ「超人ロック」。石森漫画にも「ミュータント・サブ」。