不知火に落ち度はない 43(不知火)
なお、不知火はそれでも鼻歌交じりだったので、よっぽど他人の幸せが気に入ったと見える。 珍しい姿だったが、あの演説を聴いてるととても可愛いとは思えない。 きっと今頃あの提督は、裸エプロンからのお風呂エッチでも慣行してるに違いない。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 18:47:26そして不知火を部屋に帰した後、俺は司令室で即お電話した。 当然相手は──ギンブチである。 あいつはかけられるのがわかっていたらしく1コールで電話に出やがった。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 18:49:08「で。あれお前の仕込みなんだろ。どこまでお前の作戦だよ」 『ああ。ご心配なく。磯波と彼の関係は本物です。私は何も工作してません』 「信用できるかっつの! 何あんな善人に吹き込んでやがんだよ!」 『高校時代の友人ですので。幸せになって欲しくて』 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 18:52:40「いい加減本音話せよ。どういうこったよ」 『ああ。二見家は邪魔だったので、少し勢いを減らして貰おうかと思いまして』 やっぱりかこの野郎。毒蛇かこの野郎。 『バツイチ長女がいると不良債権になりますからね』 「お前他人の幸せまで踏みにじるクソ外道ですか」 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 18:56:11『いえいえ。チャンスがあったからねじ込んだだけで、そもそも八郎くんは軍閥社会に生きるには向いてませんよ』 「お前さ。それは本音と思って良いんだろうな」 『サラリーマンが見合いの結果、提督になってるのは異常じゃないですか?』 「それは正解だけどさ」 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 18:58:26『当然、他言無用でお願いしますよ。私は磯波の年齢なんて聞いてませんので』 「……。もし喋ったら?」 『八郎くんの自殺報道なんて見たくないですよ?』 「死ぬほど危ない橋渡らせてんじゃねえか!!」 予想通り過ぎる末路聞かせるんじゃありませんよこの野郎。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 19:59:30『貴方とぬいぬいが黙って居れば、みんな幸せになれるんですから』 「嫁はどうなのよ」 『旦那の居ない間に不貞し放題に決まってるじゃないですか。なにせ──旦那の友人である私を誘うくらいですから』 などと仰るギンブチ先生。閥界怖い。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 20:02:22『慰謝料の件はご心配なく。訴えられても勝てます』 「お前、今相当楽しんでるだろ」 『ええ。実に痛快な話だと思いますが。それに──』 ──八郎くんの努力と貢献は本物ですし。 ギンブチはそう、言葉を付け加える。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 20:04:44『彼は努力で今の地位に居ます。もし、飼い殺しのままなら私が助け船なんて出しませんよ』 「綺麗な話に聞こえるけど、含みあんだろ、それ」 『ええ。彼に本格的に軍閥入りされたら、私にとって厄介な『対立』を産むので』 あら素敵。お前の打算ホント怖いわ。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 20:08:41『そうしたら不貞を表に出して、彼の立場を奪うしか無くなります。正直御免ですね』 「たまに人間らしいこというの、汚えぞ」 『失礼。そういう人間ですので』 電話越しに自嘲のような声。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 20:11:01『さて、質問はそんなところですか?』 「おう。不知火が居合わせたところに声をかけたのは偶然か?」 あいつすげえノリノリになってたし。 そこも仕込みだと、俺が不味い気がする。 なんだかあの勢い、すっげー怖かったし。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 20:13:26『ふむ? ぬいぬいの話題が何故出るんですか?』 あれ。外した? 『先ほどからそういえば、貴方の話題が今ひとつピントボケしてますが──もしかして』 「あ。じゃあそろそろ切るからな」 やっべ。今絶対地雷踏みそうになってた。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 20:16:16『ええ。ぬいぬいを抱きたくなったのならご随意に。いやいや、そうですか。同好の士でしたか』 「うっせ、じゃあな!!」 『翔鶴、今夜は体操服で──』 ぶつ、つー、つー、つー。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 20:17:38「ありゃ気づかれたな」 ったく、余計な地雷を踏みつけた気がするぞおい。 俺はピースを取り出し、口にくわえて一服する。 頭の中にもわっと浮かびかけた、おっそろしい未来を紫煙でかき消す。 とりあえず不知火のメシの約束はしばらく先にした方が良さそうだった。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 20:21:27「とりあえずロリコン野郎に幸あれ」 半ばやけくそ気味に俺はそうつぶやいて、再び紫煙を吐き出す。 そんなわけで、今日はこのへんで。 次会う時があれば、またな。 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 20:24:32あとがき&おまけ
さて、ではオチもついたところで今回の落ちぬいはこのへんで。 お楽しみいただければ幸いです。 磯波とぬるぬるぬぷぬぷライフ、素敵ですね。 あの子きっと、すけべえなことたくさんしてくれますよ。 #落ちぬい
2016-02-04 20:37:08球磨多摩大戦争
仲が良くても喧嘩はあるのです。
Q、球磨多摩大戦争とは。 A、仲良しの球磨と多摩が起こした喧嘩から端を発する戦争。 食堂で多摩がドロップキックをかまして、球磨鍋になってたのは皆の記憶に新しい。 #落ちぬい
2016-02-04 16:36:44二見提督登場回
実は登場してたんです。この回の時。
なお、二見八郎氏はこのときにすでに居たんですね。 撤退を指揮したまずい一手を打ったのは、今回の話を見ると腑に落ちたのではないでしょうか。 そりゃあ悪手だろうが打っちゃうよね、人間だものってことで。 togetter.com/li/825437 #落ちぬい
2016-02-04 20:47:35浜風の恐怖体験
たのしいぬいぬいのごようす
「浜風、どしたんー? 顔青いけど」 「いえ、大変怖いのを見たんです浦風」 「なになに?」 「携帯片手に上機嫌で笑ってる不知火さん」 「……」 「……」 「強烈じゃねえ」 「はい、強烈でした」 #不知火に落ち度はない #おまけ
2016-02-04 20:27:58「ちなみに鼻歌も歌ってました」 「あー、鼻歌ぐらい普通かなぁ……?」 「それがすごい曲だったんです」 「どんなん?」 「えっと……名前がよくわからないんですけど、鼻歌真似てみますね」 「ええけど」 #不知火に落ち度はない
2016-02-04 20:34:35