ゆりうす三国志 第一章

書いても書いても0国志なんだが
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ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

張均は劉備の訴えを聞いた。たとえ義勇兵でも、漢王朝のために命をかけたのだ、官軍でないからと言って差別するのはいかんと言った。張均は正義感の強い男だった。 張均「お前らに手柄があるかどうかは別だがお前らが差別されるのは正義でない」 劉備「はー!ありがたきおことばっ!」 c1-123

2016-02-02 00:55:25
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

張均はいささか興奮していた。実はこれから皇帝に会い、ご諫言申し上げるのだという。つまり十常侍を粛清せよと懇願するのだ。十常侍というのは皇帝の側近中の側近たちのことである。彼らが皇帝をあやつり、えこひいきと賄賂で国政をろう断する悪の元凶であった c1-124

2016-02-02 00:59:50
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

その十常侍たちを粛清し、まつりごとの風通しを良くし、皇帝のご身辺をお清めまいらすのだと張均は息巻いている。地面に額をこすり付けたまま聞いていた劉備は急にあたりを見回し、朱儁のところへ向かわず、そそくさとどこかへ消えた。張均は無礼な田舎者だと思った c1-125

2016-02-02 01:07:45
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

劉備らが『張均粛清される』の知らせを聞いたのはそれからすぐのことだった。張飛はびっくりして「え!あの張均さんが十常侍のオカマどもにやられたのか!」と悔やんだ。関羽も「あの漢の正義を体現する烈士が!ここに朝廷の腐敗きわまった!」と泣いた。劉備はしずかに目をつむっていた c1-126

2016-02-02 01:12:51
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

張飛の調べでは、張均が皇帝に十常侍の粛清の計画を進め、了解を得ようと向かったところ、十常侍たちに待ち伏せされ、逆に殺されてしまったというのだ。誰かが密告したのだ。しかし張均の計画は非常に慎重で、これを察知した密告者はよほど大きな耳を持つものだろう c1-127

2016-02-02 01:17:57
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

漢王朝の腐敗ここに極まれり!(ちょーん)

2016-02-02 01:20:46
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

劉備のもとに「県尉」に任官せしむという辞令が交付されたのは、逆賊として張均が粛清されたという知らせとほぼ同じころだった。大親友を失って、悲しみの極致であるが、と劉備は言った。しかしながら朝廷からの命令でもあり、ありがたく拝命し、任地におもむくことにしたのだ c1-128

2016-02-03 23:53:31
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

任地では軍団は必要ない。そこで決起以来の関羽張飛以下十数名だけを連れて行くことにした。他の者はここで解散と伝えた。知らぬ土地で故郷までの路銀もない彼らは、劉備に連れて行ってくれと頼んだ。劉備は彼らの話しを聞き「頑張ってください」「ガッツです」などと答えた c1-129

2016-02-03 23:56:43
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

思えば転戦につぐ転戦であった。辛酸をなめ苦汁をのんだ。決起からおよそ一年、天下の為に死力を尽くした結果は、警察署長くらいの地位だった。だが任地での民衆の評判は良かった。自堕落になり仕事をまったくしなかった劉備たちだが、税の徴収までほったらかしていたからだ c1-130

2016-02-03 23:59:52
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

任地の安喜県(アンキ県)は一年前に馬と金をくれた商人張世平(チョウセイヘイ)の地元だった。地元に帰っていた張世平が劉備を訪ね、支払いを利子付きで要求してきた。劉備は張世平の話を聞き「言ってる意味はわかる」とか「それでこそ商人だ」とか言っていた c1-131

2016-02-04 00:03:30
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

だらだらと数カ月が過ぎた。ふぬけた劉備たちのもとに、勅使が下向する知らせが届いた。中央政府から派遣された高官がこの地方を視察に来るのだ。 関羽「お迎えしないとだめですね」 張飛「宿と食事と、宴会の準備もいるよね」 劉備「張飛おしょう油とって」 食事中だ c1-132

2016-02-04 00:06:44
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

食事中の劉備たち!(ちょーん)

2016-02-04 00:07:35
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

劉備たちは勅使を出迎えると、民衆が集まってきていた。税を集めない劉備を辞めさせにきたと思い、止めに来たのだ。 張飛「民は兄が罰せられると勘違いして、助けに集まってますよ」 劉備「ふふ、私を慕うかわいいやつらよ、勘違いしてるバカっぽさもかわいいポイント」 c1-133

2016-02-05 22:48:46
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

勅使はわがままだった。よい眺めの宿、うまい料理、夜は宴会とやりたい放題だ。ふと勅使が「県尉、きみどこ出身?」と聞いた。劉備はふふっと久々に例の中二設定を持ち出し、涿県(タク県)の生まれで、実は中山靖王の後胤だと言った。張飛も「いよっ!」と合いの手を入れる始末だった c1-134

2016-02-05 22:52:03
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

勅使は烈火のごとく怒った。恐れ多くも王の末裔を僭称するとは何たる無礼!何たる不敬!この上は相応の仕置きがあるものと心得よ!しかも勅使は劉備の普段の職務怠慢を調べていた。わがままではあるが、やることはやる勅使であった。劉備、絶体絶命のピンチであった c1-135

2016-02-05 22:56:17
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

油汗だらだらの劉備は「ち、違うんです!誤解です!」と慌てて言い訳しようとした。「何が?どこが違う?」と勅使に具体的に問い詰められると、劉備は黙ったまま立ち尽くすしかなかった。張飛「あ、兄者に恥をかかせたな!」関羽「おのれ!」激しい緊張の中、劉備は覚悟を決めた c1-136

2016-02-05 23:04:40
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

劉備「もはやどのみち助からぬ」 勅使「なに?」 その後、劉備たちは勅使をボッコボコにして裸にして木にくくりつけ体中に落書きしまくって逃げた。逃げに逃げた。あてなどなかった c1-137

2016-02-05 23:12:10
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

夜を駆ける三つの影よどこへ行く。頬を濡らすのは夜露か涙か。 西暦185年の春くらい。ときに劉備、25歳くらい。関羽、劉備よりちょっと下くらい。張飛、20歳になるかならないかくらいのことだった c1-138

2016-02-05 23:24:06
ゆりうす三国志 @3kingdoms4j

チャプター1 キリングミーソフトリー 完 (ちょーん)

2016-02-05 23:26:29
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