「アット・ザ・トリーズナーズヴィル」 #2
「そうか」「うむ。テロルはかなり注意深く扱うべき言葉だ。非難のニュアンスが含まれる。イッキ・ウチコワシは戦闘組織ではあるが、それはやむにやまれぬもので、進歩的闘争、言わば必要悪的暴力だ。闘争を忌避すれば唾棄すべき敗北主義が待つばかり。君にもわかるだろう?ニンジャスレイヤー=サン」
2011-01-24 18:01:36「……そうだな」しばし沈黙した後、フジキドは同意した。彼自身の手もまた、血塗られた暴力の記録そのものだ……。「君のこれまでの闘争行為は実にめざましく、驚くべきものだ」アンサラーが言う「ヨロシサンのバイオプラント破壊は我々の計画下にもあったが、あれほど電撃的に実現させてしまうとは」
2011-01-24 18:18:48アンサラーの口調が熱を帯びる。「君一人の力が加わるだけで、我が組織の進歩性は二倍にもなるのではなかろうか?一方で我々は、これまでの君の無計画な破壊行為……失礼……に、明確で進歩的な意味を、目的を、付与する事ができるように思う。お互いにとって、こんな素晴らしい事は無いはずだ」
2011-01-24 18:28:34「……」実際そうかも知れぬ、とフジキドは思った。妻子を殺された憎しみを、ニンジャスレイヤーとなったフジキドは、ソウカイヤのニンジャに対して容赦なくぶつけ続けてきた。ニンジャを痛めつけ、殺す。例外は無い。カタキだからだ。だが、それはいつ終わる?その先に何がある?
2011-01-24 19:01:28「そうかも知れぬ」「そうかも知れぬ?実際そうなのだ、ニンジャスレイヤー=サン。共に闘おう。ラオモト=カンを排除する日も、闘争の中で、じきに訪れる」タイピングし続けていた構成員の一人がノーティスを受信した。「受信!同志フリックショット=サンが帰還!」「確認!」「革命!」「進歩!」
2011-01-24 19:22:20アンサラーはフジキドをじっと見る。「……そして、抜き身のカタナのような闘争的存在である君に今、うってつけの革命的任務が用意されている。どうか力を貸してほしい」カーボンフスマが開き、銀色のニンジャが入室してきた。「ドーモ、アンサラー=サン。そちらは?」
2011-01-24 19:34:42「こちらはニンジャスレイヤー=サンだ、フリックショット=サン」アンサラーが紹介した。フリックショットが身構える。「なんと……?あのニンジャスレイヤー?なんたる革命!信じられぬ!」
2011-01-24 20:15:30フリックショットは興奮してフジキドに顔を近づけた。「これで我々の革命的努力の邁進速度は爆発的なまでに進歩するぞ!ドーゾヨロシク!」そこへアンサラーが快活に口を挟んだ。「そんな君たち二人を中心とした任務がある!ここで早速ブリーフィングに入るとしよう」
2011-01-24 21:03:48