小六の国語教科書を読んでみる

0
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

1)小6の国語教科書の分析を始めます。例によって文法・語法に絞っての分析です。

2016-04-06 16:29:04
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

4)これは英単語を語源で理解するためのウォーミングアップになりそうですね。reveal は re + veal ヴェールがはがれるわけだから「世に明かす」の意だと理解できる。高校生のときこうやってなじみ単語を増やしていった。 pic.twitter.com/RewYjzL0zr

2016-04-06 16:36:00
拡大
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

5)敬語ねた。小5でも比較的早めに出てきた覚えがあります。敬語も明治になって整備された社会的ルールだと小学生に教えてはいけない決まりでもあるのかな。 pic.twitter.com/4uTjIoUWAa

2016-04-06 16:38:20
拡大
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

6)「ゆらゆら」はオノマトペに入るのかな。副詞なのは間違いないとして。 pic.twitter.com/FDQKhiH72g

2016-04-06 16:40:41
拡大
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

6)「ゆらゆら」はオノマトペに入るのかな。副詞なのは間違いないとして。 pic.twitter.com/VRI86ba7TL

2016-04-06 16:42:10
拡大
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

7)文法というよりは作文のコツみたいな話になっていくのが興味深い。 pic.twitter.com/NAYzenVs7O

2016-04-06 16:43:03
拡大
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

8)「-を見ると、」の「と」は接続助詞の「と」。接続助詞はほかに「~ながら」「~て」「~して」等があります。小6でそこまで教え込むのもなんですけどね。 pic.twitter.com/8DAC7LwWtz

2016-04-06 16:47:31
拡大
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

9)さあここではっとなってほしい。小学校の国語で外国人が登場するのはなんと小6のこのページになってから!非ネイティヴすなわち〈外部〉の視点からの日本語論はこれまで全然なかったのです。閉じた国語ワールドが続いたなかにようやく登場。 pic.twitter.com/uUUfXfpY1w

2016-04-06 16:49:49
拡大
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

10)ちょっと脱線しますが私が国文法の威力を思い知ったのは高校に上がってから。古文の読解で文法がとても使えることに気が付いた。助動詞がカギなんだなって。いいかえればいわゆる現代文では文法なんて役に立ったためしがなかったということですが。

2016-04-06 16:58:20
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

11)源氏物語や徒然草なんて外国文学と同じだし、文法がわかっていないと手も足も出ない。

2016-04-06 16:59:11
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

12)源氏の現代語訳は谷崎や与謝野やいろいろあるけれど、このひとたちの時代にはまだ国文法は整備されていなかったはず。古典読解用の国文法つまり私たちが高校で習う古典文法が完成したのは敗戦より後。これ豆知識。

2016-04-06 17:01:33
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

13)小学校国語であまり文法に深入りしないのは、むろん小学生には少々難しすぎるからでしょうが、もうひとつ考えられる理由は、文法を知らなくても読み書きに支障はないし会話も楽勝だからあまり無理強いもしがたいこと。この理由はあくまで想像ですが。

2016-04-06 17:03:39
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

14)自分の足で自由に歩き回れて、視力もちゃんとあって耳も聞こえる者にとっては、そうでない者にとって街がどんな不便で怖い迷路なのかはなかなか想像が及ばない。文法という名の身障者用案内器具や設備やバリアフリー経路の大切さはなかなか認識できない。

2016-04-06 17:07:21
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

15)はなしことばと書きことばについて。日本では書きことばと話しことばがほとんど別の言語に進化していて、明治になって「これではいかん」と言文一致運動がうたわれた…とそこまで踏み込んで説明してもいいのではないでしょうか。 pic.twitter.com/xH4X4sfueR

2016-04-07 10:27:48
拡大
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

16)国家は国民を必要とします。「われらは同じ国に暮らす同胞なり」という自意識を刷り込むことで、国家は自らの存在を肯定するわけです。フランス革命を皮切りに生まれた考え方ですね。ナショナリズムともいいます。

2016-04-07 10:37:07
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

17)同胞意識を刷り込むには、歴史と国語の教育が必須です。同じ歴史、同じ言語をいただく同じ国民というわけです。

2016-04-07 10:38:06
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

18)明治の言文一致運動はそういう時代背景から生まれました。国家の意思を国民のひとりひとりにさっと周知させるには、全員が同じ言語で読み書きできないといけない。そのためには書きことばと話しことばの距離を縮めないといけない。

2016-04-07 10:39:30
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

19)勝海舟とか西郷隆盛とかの活躍が好んで講談や歴史小説に取り上げられる理由がわかるかな。彼らの書簡がたくさん残っているのでお話にしやすいからです。当時は話しことばで政治思想を語るのは困難だったため、会見だけでは意思疎通ができなくて、それで書簡で改めて意見交換してたのです。

2016-04-07 10:41:27
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

20)いわゆる候(そうろう)文。漢文の素養がないと書けない。つまり一部の階級の人間にしか使えないし、この候文が使えないと政治思想を語ることも理解することもできなかった。明治維新はエリートの運動だったことがうかがえる。

2016-04-07 10:45:36
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

21)しかし明治とともに日本に国家が生まれた。一部エリートにしか通じないことばでは「国民」を育てられない。それで庶民にもわかる新たな言語「日本語」の開発が急がれた。

2016-04-07 10:47:31
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

22)エリートしか使えない言語のほうが愚民をコントロールしやすいし、といって愚民に通じない言語では国家が成り立たない…このジレンマのなかから模索を経て進んでいったのが言文一致運動です。

2016-04-07 10:48:58
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

23)その最高の成果が森鴎外や夏目漱石。

2016-04-07 10:54:07
くみかおるの冒険 @ElementaryGard

24)いいかえれば今の私たちが日本語と呼んでいる言語は明治時代に人工的に整備されたものだってことです。

2016-04-07 10:54:58