HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)に関する誤解について
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推進側の利益相反に注意したほうがよいのはもちろんですが、反対側にも利益相反がある可能性もあることにも要注意。
2016-04-07 07:33:29「ワクチンでがんになる確率が上がる」ということを最初に主張した方は、自分の会社で開発したHPVテストをFDAに認可させようとして訴訟を起こしている人だそうです。 vaccineswork.blogspot.jp/2010/11/funny-… まあ、世の中、いろいろあるわけですね…。
2016-04-07 07:36:02副作用に対する代替医療を提供している医師はそれでビジネスになるでしょうし、マスメディアも、できるだけ意外でショッキングな映像を出したほうが、ビジネスとしてはプラスでしょう。
2016-04-07 07:39:10ビジネスが関係しているからといって、発信する情報に影響させてしまうのは倫理的にまずいことであるのは当然で、実際はそういう影響をさせない人のほうが多いのでは、と思ってます。医師の多くの方々は、高い理想をもってなられているわけで利益相反で影響されるような方はむしろ少数派かと思います。
2016-04-07 07:42:06ともかく科学といえば「確実」のイメージがありますが、実際の研究者から見ると、世の中不確実なことだらけで、確実だと言われるのを疑うのがむしろ科学的態度でしょう。不確実なもののなかでどれが確からしそうかをデータに基いてそれなりに推定するノウハウを科学はもっているわけです。
2016-04-07 07:46:32一般の方々は、二次情報、三次情報をもとに意思決定をする場合が多いと思いますが、一次情報も多少の素養と英語力があればそれほどハードルの高いものではないはずなんですね。僕は、ガンや予防医学の専門家などではありませんが、この程度のことは検索すればすぐ調べることができるような時代です。
2016-04-07 07:50:28科学的な問題について自分で意思決定しなければならない状況に迫られる場合は出てくると思います。そういう場合には、ぜひがんばって原著論文を検索して、読んでみていただきたいです。訴訟のために法律の勉強をするのとそれほど変わらない努力で可能ではないかと思います。
2016-04-07 07:54:124月23日分追記。宮川先生がHPVワクチンに関心を持っておられる理由。
なんで心理学者・神経科学者がワクチンのことをたくさんツイートしているのか、と不審に思われるかたもいらっしゃるかもしれないので、少し説明。 一つは厚労省の池田班の発表に出てきたKOマウスをうちの研究室で研究に使っていたことがあるからというのがあります。
2016-04-23 22:31:55もう一つは以前少し書きましたが、2009年に子宮頸がんワクチンの開発者であるイアン・フレイザー博士が本田賞を受賞され、hondafoundation.jp/winner/view/407 その授賞式に出席させていただく機会があり、 フレイザー博士のご講演に感銘を受けた、ということがあります。
2016-04-23 22:34:34記念講演録がダウンロードできますが、hondafoundation.jp/winner/view/407 「HPV-16 とHPV-18 に起因する病気はほぼ100%予防」できる、というのはやはり単純にすごい。創薬を視野に含めた疾患関連の研究をしているものとしては、尊敬の念をいだかざるを得ないです。
2016-04-23 22:42:30「ワクチンは全世界約2千人の科学者と6万人の女性被験者の協力、そして総額150 億ドルの研究費用のたまもの」であると。であるから、この賞は、たくさんの共同研究者、協力者、さらには生命科学のすべての研究者に与えられたものであり、それを私が代表していただくだけである、と。
2016-04-23 22:52:14で、(記憶が正しければ)フレイザー博士は、後進の育成のために、賞金1千万円をオーストラリアの修士課程の学生さんの奨学金の基金に全額あてることにされた、ということだったと思います。
2016-04-23 22:55:17感銘を受けた、というようなことは広い意味での利益相反にあたってしまうということもあるかも。ただ、狭い意味では子宮頸がん関連で研究費はいただいておらず利益相反はないです(精神疾患関連の研究費はいただいている)。式に出席できたのは単に以前賞の候補者の評価に関係したことがあったから。
2016-04-23 23:01:08