マクロス⊿「一度だけの恋なら」の曲展開に俺がカタルシスを感じない理由を真面目に考察してみた

いつもレベルの話をしますが、今回は帯域の使い方が主テーマです
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David Shimamoto @gyokimae

マクロスすごいよマクロス! ワルキューレきたこれ さすが2016年の音楽ってカンジ!! pic.twitter.com/I3Pic17w1h

2016-05-12 21:15:47
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David Shimamoto @gyokimae

真面目な話をすると、サビ前アフフタクトの方が続くフレーズより強いというのは相当斬新ではある。弱起の概念が、いま覆される…21世紀ウェルカム!

2016-05-12 21:20:51
David Shimamoto @gyokimae

「一度だけの恋なら」 サビ前アウフタクトから、ドッと盛り上がるのかと思ったらボーカル一歩さがって代わりにバスドラが強烈に自己主張してサビ突入する様子、誰か画力のあるひと2コマ漫画化してくれないかな

2016-05-21 14:51:21
David Shimamoto @gyokimae

Bメロよりもサビの方が声が遠いのはYouTube公式でも確認できた youtube.com/watch?v=5mzsD2…

2016-05-21 15:05:46
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David Shimamoto @gyokimae

0'55" と 1'03" あたりを比べたとき、構成上本来どっちがボーカル大きくあるのが自然かって話。だと思うのです

2016-05-21 15:08:26
David Shimamoto @gyokimae

見目麗しい歌姫の声が聴きたくてCD買ったのに、怖いバスドラのおにーさんが出てきてタコ殴りにされてる感now

2016-05-21 15:12:01
David Shimamoto @gyokimae

ダイナミックレンジ(DR)の計測値を論じるのもいいけど、曲中のラウドネス変化がアレンジの抑揚に追従するか?という観点も興味深いというのが今日の発見(続

2016-05-21 15:31:41
David Shimamoto @gyokimae

LUFSメータで見る「一度だけの恋なら」 これもルンより移動幅は狭い。一昔前のポップスなら「光より速く」よりも「キス」って単語に比重が置かれたんじゃないかと思うけど、むしろ相対的にレベルがぐっと下がるのはご覧のとおり pic.twitter.com/EO2aTdX9g4

2016-05-21 16:19:17
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David Shimamoto @gyokimae

アニメ City Hunterでおなじみ、PSY・Sの曲です。これはAメロからBメロのつなぎ。 派手なイントロから一転して、おとなしめのAメロ。この最後を飾るのは、セクション中で最大音量のノートです。次の展開に期待がわきますね pic.twitter.com/09JPdFpk0w

2016-05-21 20:01:31
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David Shimamoto @gyokimae

同曲から。今度はBメロからサビへの展開。 BメロもAメロ同様、セクション最後はサビに向けてラウドネスが増してゆき、サビ頭がピークになります。聴いていても盛り上がりますね pic.twitter.com/ECrSnhjBNn

2016-05-21 20:08:04
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↑"Echo!"も飛び抜けていて、聴かせたいフレーズが明確ですね

David Shimamoto @gyokimae

続き)アニソンつながりで、これは2001年のタイトル。歌詞は割愛。これもBメロ末尾がセクション最大レベル。アウフタクトで一旦落ちて、サビ頭が一段大きくなるのが数値で見てとれます。これも聴いてて盛り上がりますね pic.twitter.com/jOrpCcerL0

2016-05-21 20:17:48
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David Shimamoto @gyokimae

これもわかりやすいケース。Aメロはわりと平坦なのですが、Bメロ頭で一段レベルを上げることでガラっと雰囲気を変えます。で、同じくサビ直前がセクション最大となり、ブレイクを挿んでサビ頭が最大レベルになります。盛り上がりますねぇ pic.twitter.com/lIuojIk9zp

2016-05-21 20:27:34
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David Shimamoto @gyokimae

改めて「一度だけの恋なら」を観察。 サビ頭よりも、あるいはサビのどの歌詞(単語)よりも、「ぎゅーんぎゅーんぎゅーん」が大事にされていることがわかります pic.twitter.com/WDTWUF8IK2

2016-05-21 20:31:42
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David Shimamoto @gyokimae

続き) これは2008年タイトル。Bメロがサビに向かって盛り上がってる。サビは一見平坦ですが、そういう曲なので pic.twitter.com/u7KgraTog9

2016-05-21 20:44:40
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David Shimamoto @gyokimae

先ほどと同じ曲で秀逸なのがAメロ。歌詞・曲ともに、2小節ずつから成る起承転結をメンバー4人で回す構成なのですが、レベル差を見てももしっかり起承転結してます pic.twitter.com/DjF37HtnRI

2016-05-21 20:48:37
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ここからは周波数帯の埋め方の話です。

David Shimamoto @gyokimae

一昨日に続きマクロス⊿主題歌について補足です。 本来クライマックスであるはずの(またアレンジからもそうであるべきと思われる)サビ部分のボーカルが、他のどのセクションよりも小さく感じるという件について。これを曲中のレベル変化を追って過去タイトルとの違いを考察しました

2016-05-23 05:56:17
David Shimamoto @gyokimae

これに対し「マスタリングで天井打って、やむなく上下させた結果ではないか」とのご意見(エアリプ)いただきました。この曲については実はマスタリングではなくミキシング段階の判断ではないか、またマスタリングEngはむしろ今回泣かされた立場ではないかと思う理由を書きます。

2016-05-23 05:56:46
David Shimamoto @gyokimae

一般に、曲中で編成の密度ががガラっと変わるとき、ミキシング段階ではいくつか対応方法があります。 1) 各パートが占有する帯域をあらかじめ決め、あまり変えない。 2) 曲のセクションごとに、各パートが占める帯域を動的に変化させる。

2016-05-23 05:57:36

↑「編成の密度」は、「パート数」に読み替えていただいて結構です

David Shimamoto @gyokimae

1)はつまり、パートごとのEQ設定を決めたら最後まで変えないということ。パートが出入りしてもそれぞれの占める帯域は同じ。必然的にオケが手薄になる場面では、トラック全体の周波数としては空白が生じる。EQオートメーションが難しく、またトラックが少なかった頃の、昔ながらの手法といえます

2016-05-23 05:59:15

「トラックが少なかった頃」は「MTRのトラックが少なかった」ときの話

David Shimamoto @gyokimae

2)は、比較的現代的な手法。たとえば他のパートが出入りするたび、曲中に常駐する他のパートはEQ/フィルタで占有帯域を変える。常駐パートは、オケが手薄になる場面では占有帯域が増えるし、他のパートが入ってくると重なる帯域をカットして出入りするパートに明け渡す。

2016-05-23 06:00:24

セクションでEQが大きく変わるときは、オートメーションで動かすというよりは編集トラックを分けて個別に処理しているのが実際かと