原爆症認定や水俣病裁判に携わった弁護士・尾藤廣喜さんインタビュー
【今週の読み物】原爆症認定や水俣病裁判に携わった弁護士・尾藤廣喜さんインタビュー(2016.6.28):archive.is/OfhsL
2016-06-30 20:32:25尾藤廣喜弁護士は、「被ばく影響を考慮した健康診断と、手記などの行動記録を永年保存すること」の必要性を訴えています。その理由を伺いました。 by中村純氏
2016-06-30 20:35:15(抜粋) 日本は原爆被害を経験しています。また、ビキニの水爆被害を経験している。当然、放射線による人体への影響はあり得るものとして人々の健康管理をするべきです。
2016-06-30 20:36:31小児甲状腺がんが事実上多発しているなら、当然原発事故の影響が「あり得る」ことを考慮しながら、国や県が大規模で継続的な健診を続けるべきなのです。
2016-06-30 20:37:40水俣病には特異性のある症状もあるのですが、放射線の影響は全身に及びます。現在、甲状腺がんだけが問題になっていますが、高血圧、心筋梗塞、肝機能障害、免疫機能への影響として、C型肝炎やB型肝炎なども起こり得るのです。そういった症状が、早くて10年後、遅ければ30年、40年後に出てくる
2016-06-30 20:38:51健康調査をして、健康の推移を明らかにしていく。できるだけ多くの母数で健診をし、これを長期継続していく必要性の理由は、ひとりひとりの単発的な健診や診療では変化がわからず、他との比較もできないからです。
2016-06-30 20:39:58大規模な範囲で原発事故の影響のある母集団だけでなく、事故影響の比較的少ない地域の母集団の健診データを集めて、比較のための材料を保存することも大切です。
2016-06-30 20:42:15放射線被害は、甲状腺だけが現在話題になっていますが、原爆の経験からすれば、もっともっと広い範囲の症状が問題となり認定されています。
2016-06-30 20:44:17原爆の放射線被害としては、すべてのがん(胃がん、肝臓がんなど)や、心臓疾患(狭心症・心筋梗塞)、肝機能障害、甲状腺機能低下症、糖尿病などについても、因果関係が認められています。
2016-06-30 20:45:32その検証がなければ、国や県や加害企業の調査は信用できない。だから民間で健診をせざるを得ないという過渡期の時期はあると思います。
2016-06-30 20:49:55原爆症裁判のときに、原告の方と同じ地域の方の手記を探してきて、原告の被爆した地域の状態の証明に役立てました。原爆投下後に家族や親類などを探して広島市に入った、いわゆる入市被爆者の認定でも、手記は有効でした。
2016-06-30 20:50:58水俣病の裁判でも、「どのような症状がいつごろからあったか」ということが、いつも問題になっています。原爆症の認定では、「初期症状とその後体の状態がどう変化したか。いつどのような病気になったのか」ということが、認定に役立ちました。
2016-06-30 20:53:22(帰還政策などについて:)一般の福祉施策ではなく、原発事故があったことによって受けた被害に対して加害者から補償を受け取るというのが正当な要求です。
2016-06-30 20:54:34国や県が、勝手に原発事故影響地域の線引きをして、「安全宣言」をする。放射線は低レベルでもがんは発症し得るのに、勝手に安全だと宣言して帰還を促して補償は打ち切る
2016-06-30 20:55:57東電、国は企業の利潤と財政を考えて補償をできるだけ抑えたいのです。本来は、東電と国が責任を持つべき問題です。被害は完全に救済されなくてはならない。これは、人間の尊厳の問題なのです。
2016-06-30 20:57:10