大学入試センター試験、スマホを使うと東大合格できるか?現役大学生が試してみた②
前回のお話はこちらから
大学入試センター試験、スマホを使うと東大合格できるか?現役大学生が試してみた①
余裕で一次通過か!?チート組の試験結果は…
チート組全体の試験結果は…こうだ!参考までに、大学入試センターが発表した「平成31年度大学入試センター試験(本試験)平均点等一覧(中間集計)」で確認した平均点も並べてみた。
数学(200点満点)と、英語のリスニング問題(50点満点)は解いていないが、250点中120点程度取れたとみなし、チート組の合計点は660点程度と考える。
ここで2019年度の東大一般入試(前期日程)「第一段階選抜合格者の最高点・最低点及び平均点」を見てみよう。

文化一類では最低点が628点、理科三類では630点。この得点率なら、一次通過はギリギリ、可能性がある…という結果になった。他大学なら私大も含め、通過できる見込みは十分ある。
やっぱりGoogleは強い。試験会場にスマホ、持ち込み危険。
「東大に行きたいならスマホ」自力組の受験と感想
次は自力組の様子を見よう。「スマホなし、自力で解いて」と言ったら皆一様に「えっ…」と蛭子能収のマンガみたいな顔になった。

大学2年生X(国語、世界史担当 なお東大生)
国語
・古文が難しかった…Googleで調べられるとしたら古文と漢文の単語、句形くらいのもんです。現代文と小説はまったく無理。
世界史
・9割ぐらいの用語の記憶が曖昧になっていた。選択問題だからかろうじてなんとかなったけど、記述だとたぶん0点に近くなっていたかも。
・各用語の位置づけや関係性はざっくり覚えていたので、スマホや電子辞書があればたぶん満点取れていた。こんなに点取れないなんて…復習しないと。
東大生Xは2年ぶりのセンター試験。今回は各自の学力を競うものではないと伝えていたが、問題を解きながら「想像の100倍わからなくてやばい」とこぼしていた。全体として感想が自分の得点能力のことしか言ってないのが印象的だった。
大学4年生J(英語、日本史担当)
英語
・現役時代、センター試験失敗したので…頭がまわらなすぎてビビリました。こんな調子じゃ、今年受けてもまた全落ちするかもしれません。
日本史
・全然ダメでした。日本史は一問一答で思考力を試す感じがなかったですし、やはりですが暗記だけで対応できるので、Googleで調べられれば解けると思いました。
Jは「もう考えても無駄な気がしてきたので解き終わったことにさせてください」と言って制限時間より早めに提出してきた。Jに幸あれ。
大学1年生B(理科担当)
化学基礎
・化学基礎はキーワードがはっきりしていると思うので、スマホがあれば性質を問われる正誤問題で間違えることはほぼないと思いました。
・計算問題も「気体 計算方法 化学基礎」とかで検索すれば、公式も添えて解説されているはず。
・問題の意味がまったく理解できない場合は大変かもしれませんが、ある程度言ってることがわかるなら、スマホを使うと得意・不得意がなくなると思います。迷った問題の確認でスマホを使えたら最強ですね。
・スマホが使えるならぜひ化学基礎を受験しましょうと言いたいです。
生物基礎
・生物も、スマホが使えるなら、センター試験によくある「間違っているものを一つ選びなさい」や「3つの組み合わせとして正しいものを選びなさい」といった問題の正答率は確実に上がると思います。
・知識系統の問題もほぼ確実に正解できるので、スマホが使えるなら絶対に生物を選択した方がいいです。
Bは大学1年生、つまり平成30年のセンター試験を受験しており、今回の被験者の中で最もフレッシュ(死語)だ。そのせいか、自力組の中では最も余裕の構えで解いていた。
それにしても「スマホが使えるなら絶対に生物を選択したほうがいいです」という力強いコメントに少し闇を感じる。

すべての試験を終えたところで、自力組とチート組の点数を集計した。