劇場行き2016年

劇場(音楽・芝居・映画)へ足を運んだ記録に自分用でまとめてみた(2016年分)。
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ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

「ワルキューレ」第3幕。ヴォータンとブリュンヒルデが別れる終幕もついに冷めたまま見終えた。相性が悪いのかしら。「ラインの黄金」よりよかったのになあ。 出番1回のツィトコーワさん、第2・3幕のカーテンコールに登場して満面の笑み。全体腰砕け気味なれど、まあよしとするかあ。

2016-10-03 00:40:03
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

イザベル・ファウスト&クリスティアン・ベザイデンホウト(みつなかホール)、ロータス・カルテット&ペーター・ブック(いずみホール)。何の関係もないこの二つを続けて聞いて、「1750年」という深淵をまざまざと知ったらしい。ポリフォニーか らヘテロフォニーへでは正しくないのかも。

2016-10-10 01:18:12
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

ファウストがバロックとはこうなのだと耳から注ぎ込んでくれたおかげで、ロータス・カルテットのシューベルトが、明らかにハイドン以降の響きだと感じた。フーガが軽やかに音を追いかけているのに対して、他にどうしようもないような音の推移が音楽を進めている……シロートには表現のしようがない。

2016-10-10 01:25:57
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

鵜山仁演出「幽霊」(兵庫県立芸術文化センター)。 プロテスタンティズムの破綻と因果論としての遺伝。イプセンってこんなに男を面罵してやまないのか、と印象が改まった。でも丹念に人物を造形していくので(牧師がどれほどだめか)、図式には見えないあたりが「近代劇」らしいといえるのかも。

2016-10-14 18:50:11
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

イプセンの「幽霊」は、人物の組み合せで(とりわけその場にいない)登場人物人物が違って見え、ドストエフスキーのよう。特に牧師は、周囲から万能と期待されながら一貫する以外に何の取柄もない「輩」であることをさんざん見せつけられた挙句、「いつまでも赤ちゃん」とまとめの科白が発せられる。

2016-10-14 18:55:11
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

「幽霊」には、家を出る女も登場するけれど、どの女も男も暴発しながらこわれていく(と観客に明かされる)。それがまざまざと見せつけられて引き込まれるので、「いやよねえ」と笑えない。リアルかどうかわかんないや。 終って出演者全員と同道する演出家の朗らか和やかなアフタートーク。

2016-10-14 19:00:43
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

「白石加代子『百物語』シリーズアンコール上演」(兵庫県立芸術文化センター)。 南條範夫「燈台鬼」と筒井康隆「五郎八航空」というおよそ趣の違うもの。自分で読むより絶対おもしろい……というも愚か。「燈台鬼」は、まんまと物語に導かれながら、主人公への感情移入が最後に拒まれて切ない。

2016-10-20 23:47:46
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

白石加代子みずから一番人気という「五郎八航空」は、同じできごとが何てことはないととんでもないこととの両極端、いわば両翼が同時に上げ下げするような中でのスラップスティック。目の前で繰り広げられながら、安心して(でも心でなくからだに悪かろう)それを見て楽しめるといえばよいのか。

2016-10-20 23:53:31
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

白石加代子の一人朗読芝居(?)を見ていると、representationを「再現前」などと訳す輩の鈍感があらわになりますね。オリジナルを再現・再生するのでなく、上演すれば別の何かが立ち上がってくるという感じです。もちろん作者だって上演で生ずるすべてを用意してはいないでしょう。

2016-10-20 23:59:38
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

アンドレア・バッケッティ(兵庫県立芸術文化センター)。前半は、JSBのチェンバロ曲をピアノで弾いている趣。途中(前半の半ば)あたりからピアノ曲に変貌。後半のモーツァルトもベートーヴェンと地続きで、じつはこのあたりが好みなのかも。いわば音楽の論理で構築された曲を演奏したいらしい。

2016-10-24 02:19:54
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

日本一人口の密集するあたりを通ってアーサー・ミラー「るつぼ」(シアターコクーン)。セイラムのひたすら拡大する魔女狩りが赤狩りとして蘇ったとの見立て。ぞっとする集団ヒステリーの見せ方がすごい。否認すれば悪魔の手先、肯定は罪の承認という抜け出ることのできない泥沼の論理こそ罪なのだ。

2016-10-30 06:50:53
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

「るつぼ」もイプセン同様、純粋化したプロテスタンティズムが当事者能力を失い、何も解決できないとしている。魔女狩りが否定すべきとしていたことばが反転して最後に、自身の内の善きものを見出すことになる過程は説得力あり。 主人公の妻(松雪泰子)の硬い声がドンピシャで素晴しかった。

2016-10-30 06:59:42
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

新国立劇場の「ロメオとジュリエット」を小野絢子と米沢唯で見て来ました。何か物足りないもやもやした感じ。初めて全幕を見たのが新国立劇場でリアン・ベンジャミンのジュリエットでした。日曜だから買っていたら、リアンだれそれに決ったと葉書が来たのかなあ。実際に見て打ちのめされちゃった。

2016-10-30 23:06:49
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

バレエの「ロメオとジュリエット」はジュリエットの成長物語で、初めはほとんどガキ。ロメオを知って好きでもない男を拒むようになる(あれあれ父親が暴力)。そしてついにはみずからの意思で死を選ぶ。選択肢が他になかったので悲劇です。そこをリアンはくっきり描いてくれたのでゆさぶられたのかな。

2016-10-30 23:15:34
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

ハイドン・マラソン第7回(いずみホール)。とりわけヨハネス・モーザーによるチェロ協奏曲第1番が、先月のシンフォニーホールでのがひたすら退屈で心配したけれど、溌剌として快活に疾走し、音も豊か。もしもロッシーニが作曲していたらという優れた演奏でした。JSBからの一曲も◎。

2016-12-12 01:05:51
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

上原ひろみのトリオへ(フェスティバルホール)。今回はドラムスが前面に出て、リズムも強弱も音の変化も尋常でなかった。楽器以外からも音を出すいかにもパーカッション奏者らしいのは今回が初めて? それはさておきサイモン・フィリップスに合わせた手拍子が音頭で、まったくずれてたんですけど……

2016-12-12 01:12:25
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

1日がかりで「繻子の靴」を見る(春秋座)。特に前半(第1・2日)はおもしろいところと退屈なところとが混ざり合い、記憶が一部欠落。朗読劇風の演出もあったけれど「子午線の祀り」におよばず。所作重視のところがずっと上出来。ただ剣幸のようなこれ見よがしができる人なしにありえない。

2016-12-12 01:21:15
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

「繻子の靴」は、科白と科白が交錯して火花が飛ぶというより、何だか演説をぶってるみたい。 ただイプセンやミラーのようにプロテスタンティズムの破綻で神から遠ざかるのと異なり、カトリックは絶えず神へ回帰する感じ。とにかくピーター・ブルックスのいうメロドラマ直系でなかろうか。

2016-12-12 01:28:09
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

「ヘンリー四世」を通しで見た(新国立劇場)。第2部の扱いがむつかしい…… 鵜山仁演出の史劇が進むに連れ、浦井健治と岡本健一が軸になってきて、同時に舞台へ現れるかどうかと別に、くっきり対比されている。とりわけ浦井ハリーのはじけっぷりが素敵。岡本ホットスパーは得意の変人ぶり。

2016-12-19 18:05:09
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

「ヘンリー四世」第一部は、ヘンリー王側・反乱側・ハル1党が、重要人物や全体の役回りやなどうまく配分されていて、目まぐるしくもどんどん進行する。蜷川演出よりずっとおもしろかった。 でも第二部は、佐藤ホールスタッフB作の出番が多すぎ岡本健一の出番が少なく、場面が停滞する印象を受けた。

2016-12-19 18:15:15
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

鵜山仁が新国立劇場で「ヘンリー六世」「リチャード三世」「ヘンリー四世」と書かれた順に上演し、浦井健治のできばえからしても「ヘンリー五世」が楽しみになってきた(おもしろいと思ったことないだけに)。「ヘンリー八世」はともかく、「リチャード二世」もするつもりかな。

2016-12-19 18:20:11
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

ルシオール音楽塾第9回(守山市民ホール)へ。メジューエワが「展覧会の絵」を弾くので、亀山郁夫の話は興味なしのつもりでしたが、20世紀以前のロシア絵画に無知なのを思い知ってしまいました。ショスタコーヴィチの代表作として「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を挙げたのもよし。

2016-12-19 18:35:07
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

ピアノを練習する人たちに、音楽だけでなく文学や哲学などもしっかり学ぶように、とメジューエワ先生。詩歌が好きでアフマートワ、マンデルシュターム、ブロツキーを挙げていらっしゃいました。いやーびっくり。 フォルテで音のさえないピアノでしたが、最後には飼いならしちゃいました。

2016-12-19 18:40:12
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

「ヒッチコック/トリュフォー」(テアトル梅田)。広場へ出てきた作品を避けて片隅へ。 中途半端なのはまず時間の配分だ。確かに最高は「サイコ」としている。ならばもっと時間を。 だいたいヒッチの変態性をいうなら、金髪美女に着目せずして何とする。それにフランス語の名詞は文にしなくちゃ。

2016-12-25 14:40:46
ASHIME#theatre-goer @Ashime2010

「グレート・ミュージアム」(シネ・リーブル梅田)。すぐわかる通り大規模美術館運営の人たちをスケッチした映画。所蔵品や施設を見せようと光を強く当てたりしないので地味な色調です。ハプスブルク帝国時代の物なので、それにふさわしい扱いをしようというのですが、人人の意欲が高いこと。

2016-12-26 18:40:46
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