夏の思い出

御伽の国のある年の夏の日々 手動イベントとしてはこれが最後の予定です。 (手動といいつつ、ほとんど時間指定呟きですが……) のんびり進行ですがお付き合い下さい。
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冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

<夏の思い出> 8月25日 グレイトと一緒に内緒のお茶会してたら、シレネッタさんとかぐやさんがずぶ濡れで来たの。 なんか海から逃げてきたんだって。変なの。 シャドウ・アリスが日記を書いている。 「そういえば…最近ちょっと虫の声が変わったにゃあ」

2016-08-25 19:12:47
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

シャドウ・アリスがテラスへ足を滑らせ、耳を澄ませている。 ……キリキリキリキリ…コロコロコロ…スィーッスィーッチョ………… 「んー…うるさいなぁ。ギディー!一緒に虫さんと鬼ごっこしよー!」 シャドウ・アリスが室内に向かって呼び掛けながら部屋へ戻っていった……

2016-08-25 19:20:12
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

「あ……」 ミクサのかごの中でセミが力無く木の枝から落ちた。 セミはよろよろと歩き、葉の下でじっとしている。 ミクサが息を潜めて見つめている様子が映っている……

2016-08-25 19:22:11
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

「ねぇピーター、本当に夜の森でおばけを見たの?私怖いよ…」 「な、なんだアリスもうビビっちまったのか?お、俺は全然怖くなんかねー…」 突然、二人の目の前を火の玉がゆらゆら通り過きた。 「「ギャー!?」」 脱兎の如く二人が去ると、夜の森から人影が現れた。 「んん…誰か…いたの…」

2016-08-25 20:44:12
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

美猴が夜道を歩いていると、突然何者かに襲われた。 「なんだぁ!?」 美猴が驚いていると目の前にスカーレットが現れた。 「随分なご挨拶だなァ!オイ!」 「ごめんなさい、間違えたわ」 「誰と間違えたって言うんだよォ!」 美猴が怒っている様子が映っている……

2016-08-25 23:01:04
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「悪いオオカミさんを探しているの。貴方ケモノ臭いから…」 「あァ?…そういやお前、今日のハサミいつもと違…ヴァイスのじゃねぇか」 「そうね。…寄り道は楽しいけれど、また今度」 フードを被りスカーレットが風のように消えた。 美猴が一人森の小道に残されている様子が映っている……

2016-08-25 23:07:17

26日 生の牢獄

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美猴がさらに歩いていると、何かとぶつかった。 「あァ?今日はなんだ?」 ミクサが虫かごを手に歩いていた。 「あ……」 「お前ェ、こんな真夜中に何してんだ?」 「ん……」 ミクサがうつむいている様子が映っている……

2016-08-25 23:14:07
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ミクサが美猴に虫かごを渡した。 「セミじゃねぇか」 「元気…ないから…」 「寿命だな」 「そうなの…?」 「7日しか生きられねぇからなァ…」 「そっか…」 ミクサが美猴から虫かごを受け取ると、地面に置き、マッチに火を付けた。 「なんだとぉ!?」 驚いた美猴がマッチを奪い取った…

2016-08-25 23:28:14
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「何しやがる!?」 美猴がミクサを、怒鳴りつけた。 「死んじゃうなら…燃やしてあげようと思って…」 「まだ生きているだろぉ!」 「でも…生きるの…苦しいよ…」 ミクサが静かに続ける。 「燃えたら…みんな同じ。灰になって…天国にいけるよ……」

2016-08-26 12:58:49
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美猴とミクサが沈黙している様子が映っている……

2016-08-25 23:40:30
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美猴が口を開いた 「俺様は、仲間が死ぬのが辛くて仲間と一緒に不老不死になったんだ。でもよぉ…生きるって事は牢獄みてぇなもんよ。俺様は死なねぇから無期懲役だなァ」 ミクサに視線を合わせて美猴は続ける。 「それでも、そんな牢屋の中でも良いことは大なり小なりあったぜ」

2016-08-25 23:51:10
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

「岩の下に何百年といて、俺様思ったんだ。俺様は、今は何のために生きてるのか、何をしてるのか、どうして不老不死になろうと思ったのか…生きることにも死ぬことにも何か意味があるんじゃねぇかって…お師さんに出されて忘れちまったけどなぁ!」 美猴が豪快に笑っている様子が映っている……

2016-08-25 23:55:51
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「俺様はお前ェの考え方は否定しねぇ。お前の生き方も死に方もお前が決めればいい。でも、このセミはこの小っせえカゴの中で、こいつの生きたい生き方をしてきたか?この終わり方で良いのか?」 美猴が地面に置いていたセミのかごを拾い、ミクサに渡した。 ミクサが考え込んでいる……

2016-08-26 00:02:59
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

ミクサがかごを開けて、そっとセミを近くの切り株の上に乗せた。 セミはよろよろと歩き、ぴたりと止まる。羽が僅かに動いている。 「私、何も出来ないけど…最後の最後まで…一緒にいる」 「よーし、わかった。俺様も付き合うぜ」 美猴とミクサがセミを見守っている様子が映っている……

2016-08-26 00:07:16
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セミの声が森に響いている……

2016-08-26 10:27:04
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ミクサと美猴の目の前のセミが羽根を震わせる。 セミの声が不思議の森に響いた。 やがて、セミの声が消え、風に吹かれてセミの亡骸が飛んだ。 セミの亡骸がミクサのスカートの上に落ちた様子が映っている……

2016-08-26 10:31:48
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

ミクサがセミをマッチの空箱の中に入れ、火を付けた。 美猴が鼻をすすっている様子が映っている…

2016-08-26 11:33:54
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

「セミも…私を置いていくんだね…」 ミクサがぽつりと呟いた様子が映っている…

2016-08-26 11:34:18
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

セミの亡骸をミクサ達が燃やしているとピーターが空から降りてきた。 「何燃やしてるんだ?」 「セミ…死んじゃったの…」 「悲しいな…俺、花摘んでくる!」 ピーターが空を舞った…

2016-08-26 11:34:49
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

ピーターが花畑に降りると瀕死のヴォルフがいた。 「ど、どうしたんだ!?」 「う、うう…」 「薬持ってくる!待ってろよ!」 ピーターが空を舞った…

2016-08-26 11:35:27
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

ピーターが大急ぎで空を飛んでいるといい匂いが鼻に飛び込んだ。 「あら、ピーターさん?」 サンドリヨンが窓から顔を出した。 「すっげーいい匂いだな!今日は何作ってんだ?」 「エスカルゴが良いと言われましたので…」 「うわっカタツムリじゃねえか!面白そうだな!」 ピーターが降りた…

2016-08-26 11:56:06
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

「アイツ…どこまで花を摘みに行ったんだァ?」 美猴が帰ってこないピーターを心配しながら灰を埋めていた。 「線香…お師さんから貰って来るか…いや、ツクヨミのとこに飛んだ方が早いかァ?」 「線香?」 「おう、死んだ奴に弔いであげるもんなんだ。お前も来るか?」 「うん…」

2016-08-26 12:00:31
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

美猴とミクサが筋斗雲に乗って空を飛んでいる。 ツクヨミの屋敷に着いた様子が映っている…

2016-08-26 12:02:20
冷徹な悪魔の鏡bot @evils_mirror

「うまかった!」 「ふふ、良かったです。ところでどちらへ行こうとされていたんですか?」 サンドリヨンが食器をしまいながらピーターに問いかける。 「んー…?忘れちまったな…ミクサとヴォルフに用事があった気がする…」 ピーターが思い出せず悩んでいる様子が映っている…

2016-08-26 12:14:59
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