7月3日　三笠の昔話

戦艦だった三笠 @senkan_mikasa

今日は第二次世界大戦＠欧州戦線・メルセルケビール海戦（1940）の日です。 複数の戦艦同士が砲撃戦を交わす、という海戦ではあったのですが・・・・ #三笠の昔話

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その実は、メルセルケビール軍港（今のアルジェリア）に停泊する仏戦艦群に、英戦艦群がほぼ一方的に砲撃を加えた・・・という、ちょっと微妙なもの。 ではこの海戦を紹介していきましょう。 #三笠の昔話

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まずは背景。 仏国は6月に独に降伏。親独のヴィシー政府が樹立され、仏海軍はヴィシー政府に属することになりました。 とはいえ、独国に艦艇を接収されるのはイヤ・・・ということで、母港トゥーロンやブレストからは艦艇を出して分散配置してリスク回避を図りました。 #三笠の昔話

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そのひとつ、メルセルケビール軍港には、戦艦ダンケルクちゃん、ストラスブールちゃん、プロヴァンスちゃん、ブルターニュちゃん、その他大型駆逐艦たちが停泊していました。 そこに、戦艦レゾリューションちゃん、ヴァリアントちゃん、巡洋戦艦フッドちゃんたちがやってきたのです。 #三笠の昔話

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英艦隊の目的は、仏艦が独へ編入されることを防ぐこと。 英艦隊は使者を出し、仏艦隊に選択肢を示しました。その内容は・・・ #三笠の昔話

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１、英艦隊へ参加する。 ２、英国へ艦を引き渡す。 ３、遠いところへ避難する。 ４、自沈する。 ５、英艦隊と戦う。 しかし、ヴィシー政府の交わした停戦協定のため１と２は選択不可。当然自沈も交戦も避けたい。３を選ぼうにも、本国とは連絡がつかず許可が得られない。 #三笠の昔話

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仏艦隊司令は、「とにかく独には行かない、でもヤル気なら徹底的に抵抗するよ？」とだけ返答。事態の引き伸ばしを図ったのですが。 しかし、回答期限を過ぎた後、英艦隊はその38cm砲を容赦なく仏艦隊に放ったのでした。 #三笠の昔話

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港湾の形状のため、仏戦艦はすべて海側に艦尾を向けていました。 旧式のプロヴァンスちゃん、ブルターニュちゃんはともかく、最新鋭のダンケルク・ストラスブール姉妹は、ネルソン級同様前面にしか砲塔がなく反撃困難！どうする！？ #三笠の昔話

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そんな中ストラスブールちゃんは決死の覚悟で出航。姉のダンケルクちゃんの援護を受けつつ、38cm砲24門の包囲網をくぐりぬけて母国トゥーロンへの帰還を果たしました。 写真は出航せんとするストラスブールちゃん。 upload.wikimedia.org/wikipedia/comm… #三笠の昔話

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降り注ぐ弾雨の中、駆逐艦を引き連れ強行突破を図る仏戦艦ストラスブールちゃん。 upload.wikimedia.org/wikipedia/comm… pic.twitter.com/P4YdMk5ar8

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一方、姉のダンケルクちゃんは援護のためフッドちゃんへ発砲を続けていました。 しかしフッドちゃんとの間合いは彼女の装甲の安全距離（装甲を抜かれないギギリの距離）を割った至近距離。それはすなわち、被弾したら即致命傷！ほどなくしてその時はやってきました。 #三笠の昔話

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水線下、砲塔直下にフッドちゃんの38ｃｍ砲4発を次々と被弾したダンケルクちゃんは、最後の力を振り絞って座礁。沈没だけは回避しました。 なんとか離岸できたプロヴァンスちゃんも被弾・座礁。 #三笠の昔話

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そして、最後まで離岸できなかったブルターニュちゃんは集中砲火を浴びて炎上の末大爆発を起こし、轟沈。 以上、戦艦２大破、１沈没。 英艦隊は微小な損傷のみ。 #三笠の昔話

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為す術なく港内で炎上轟沈する戦艦ブルターニュちゃん。司令、艦長以下900名余りが艦とともに果てました… upload.wikimedia.org/wikipedia/comm… pic.twitter.com/wikrR4YEIb

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座礁したダンケルクちゃん、プロヴァンスちゃんはそのあと応急処置の末、トゥーロンへの帰還を果たしました。つまり、結局沈めたのはブルターニュちゃん1隻のみ。 真珠湾でもそうでしたし、私の場合もそうでしたが、軍港内での沈没は復旧が可能なのです。 #三笠の昔話

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ち　な　み　に プロヴァンスちゃん、ブルターニュちゃんはたぶん日本戦艦だと扶桑級ぐらい、ダンケルク・ストラスブール姉妹は、金剛級に相当するかな。ただ、ダンケルク級は最新鋭。 #三笠の昔話

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結局最終的には仏海軍の多くはトゥーロンで自沈してしまうのですが・・・ リシュリュー級といい、ダンケルク級といい、劇的で魅力的な艦たちですから、いつか艦これにも実装されるといいですね。 ではきょうはこのへんで。

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今日は、米西戦争:サンチャゴ・デ・キューバ海戦の日(1898)です。 西領キューバの要港に閉じ込められた西艦隊が決死の脱出行を図りましたが、待ち構えた米艦隊に撃滅されたという戦い。要港封鎖作戦は日本の観戦武官により調査され日露戦争にも活かされることになりました。 #三笠の昔話

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装甲巡4隻を基軸とする西艦隊に対し、包囲する米艦隊は戦艦5・巡洋艦5を揃え戦力的には圧倒的不利。 補給や陸上支援等で数隻が海域を離れた隙に旗艦インファンタ・マリア・テレサが囮となって飛び出した後、他の艦は一斉に包囲を突破する計画でしたが… #三笠の昔話

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港口に自沈した米船が邪魔をしてスムーズに出航できず、加えて、米艦隊は雨霰のように砲撃を加えたため想定より早く旗艦インファンタ・マリア・テレサが撃破されてしまい、その他の艦も逃げ切ることができずに西艦隊は全滅。 うーむ、ｼｮｯｷﾞｮﾑｼﾞｮ… #三笠の昔話

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はて、こんなシチュエーション、どこかで見たような… その通り。この状況は旅順攻略戦に似ていますね。 そして、日本が送り込んでいた観戦武官は、他でもない、秋山真之大尉でした。 #三笠の昔話

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三国干渉により旅順を明け渡した日本は露国が旅順に堅牢な要塞を築きつつあることを知り、よく似た状況にあったサンチャゴ・デ・キューバ攻略戦に秋山大尉を派遣して事前研究を行おうとしたのです。 秋山大尉は期待に違わず綿密なレポートを送りました。 #三笠の昔話

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被弾自体のダメージより引火・延焼で爆沈した西艦の様子を調査し｢可燃物を甲板に置くべからず｣などの戦訓が活かされた一方、港口閉塞の有効性についての議論は賛否別れるところとなり、日露戦争では旅順口閉塞作戦で多大な犠牲を払うことになりました。 #三笠の昔話

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海戦自体は米艦隊の勝利S、カリブ海海域の制海権は米国のものとなり、続くプエルトリコ陥落をもって米西戦争は決着。 キューバ、プエルトリコの統治権委譲、また、後には比島の統治権も米国に移ることになり、西国は列強から脱落、米国が代わって強大な力を得ることになります。 #三笠の昔話