テキストカラテ【ユー・オンリー・リーヴ・ワンス、イブン・イフ・ユー・アー・ア・ニンジャ】#3 （前編）実況付き

きゃんてら @Cantera36

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◆TEXT KARATE◆ #UslaBtk

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◆◇◆ドーモ、相変わらず筆が遅いキャンテラです。まったく申し訳ない。これより #UslaBtk にてテキストカラテの続きをおこなう。TLにもしんこくなえいきょうを及ぼすので、迷惑ならミュートをお願いいたします。当然、実況も大歓迎な◇◆◇

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(これまでのあらすじ:ニンジャにして連続通り魔強盗殺人犯、レイジクィッター。自分が不死存在であると信じて疑わない彼は、その日とある判断ミスのために相当に苛立っていた。腹いせとばかりに通りすがりの女子高生・ヤシキを襲い、ファック・アンド・サヨナラを試みる。) #UslaBtk

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(己の不出来さに失望していた彼女は最初こそこの凌辱を覚悟していたが、自分の不死性を延々と掲げる彼に対して、不条理に対する弱者の怒りが炸裂。逆襲の想定がなかったとはいえニンジャをも怯ませる程の気迫を前に、余裕綽々のレイジクィッターも前後行為を焦る。) #UslaBtk

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(長時間のニンジャとの対面によってニューロンが疲弊しきったヤシキに、逃げる術は無し。いよいよ迫る死を前に、ヤシキは意識を失った。しかしそこへ新たに、赤黒のニンジャが乱入する！…レイジクィッターは知らぬ。ニンジャを殺すその男を。ネオサイタマの死神を…！) #UslaBtk

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【ユー・オンリー・リーヴ・ワンス、イブン・イフ・ユー・アー・ア・ニンジャ】 #3 #UslaBtk

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レイジクィッターは目の前に現れた赤黒の男……どうやら己と同じニンジャだ、それも、ニンジャを殺す者、などというご大層な名の！……を見て、しばし固まっていた。当然彼に心当たりなどない。突如として現れ、自分に声高に死を宣告しに来た、この男のことなど。 1 #UslaBtk

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「アッ、ア…！？」ゆえにレイジクィッターが狼狽するのは、やむを得ぬことではあった。何しろこのただならぬアトモスフィア、ジゴクめいた殺気、(今こいつは一体何を、アイサツ？敵前でナンデ？…挑発な？)…否、彼の思考を占めるのはアイサツに対する疑問であった。 2 #UslaBtk

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ナムサン、なんたる普遍的なイクサ倫理も感じられない困惑か！…だが、無理も無し。彼はそもそも非ニンジャの蹂躙の中に生きる犯罪者である。ニンジャはおろか深く礼を知るカラテカとも会わなかった彼に、古事記にもある死闘の前の奥ゆかしき儀式を知る由などあるものか。 3 #UslaBtk

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しかし、彼の奥底に宿る強大なニンジャソウルは、そのようなスゴイ・シツレイを看過などせぬ。「グ、グワッ」おお、見よ。得体の知れぬ力に押され、レイジクィッターの腰が曲がる。抵抗も虚しく頭は垂れ、「ド、ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。レイジクィッターです…！」 4 #UslaBtk

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不恰好ながらも、それは正しくニンジャのアイサツ。これ即ち、双方が互いを同じドヒョーに立つ者と認め合ったことの証左に他ならない。つまり、これより始まるのはニンジャのイクサ！「アアアアーッ！クソが！」…その前にオジギ状態から復帰したレイジクィッターが叫ぶ！ 5 #UslaBtk

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「何だ、ファック！何者だッてンだ、テメエは！どこまでもコケにしやがってよォー！？」レイジクィッターの怒りはネオサイタマの夜風を切り裂く。「大体ナンデ俺の名を、いや、どうしてここが、俺の隠れ家がッ…」「状況判断だ」それに報いる死神の眼光。尽きぬ殺意が闇を射る！ 6 #UslaBtk

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「連続無差別殺人についての噂が私の元に届いたのは四日程前のことだ。ネオサイタマの裏路地周辺にて暴行を繰り返す、神出鬼没の凶悪犯。それが逮捕と脱走を繰り返していると」汚染青パーカーの埃をひたすら叩くレイジクィッター(かなりシツレイな対応だ)を油断無く睨む。 ７ #UslaBtk

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「昨日は目撃情報を頼りに表を捜していたが成果は全く無し。潜伏地点を替えたのかと思えば、単にすれ違っていたのみであったとはな。まったく」無残に転がる段ボールの残骸を一瞥し、溜め息混じりに、「隠れ家というには余りに粗末。全うな捜索では尾を掴めぬのも道理か」 8 #UslaBtk

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「ンだと…！」「よもや現場調査の最中に居合わせるとは予想外であったゆえ、通りで黙って立ち聞きしている他なかったが」レイジクィッターはその通りを反射的に見返す。見慣れた道だ、何故この男の接近に気付けなかったか。「それで十分に理解した。オヌシの名も、在り方も」 9 #UslaBtk

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「在り方ァー？…アー」この女に言い放っていたことか？向き直ったレイジクィッターはそのままヤシキを見やり、自身の言を省みる。「エー、在り方ァー」彼女を揺さぶるための罵声は、今思えばニューロンの働きよりもむしろ口が先に出た感が否めない。ムキになっていたようだ。 10 #UslaBtk

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だが彼の口をついて出たコトダマの数々は、間違い無くレイジクィッターの本心そのものであった。世を変える力など微塵も持ち合わせていない非ニンジャ。男の怒号は、それを自覚して尚自己改善を怠り、膝を抱えてばかりいる弱虫共に対しての嫌悪といったところであった。 11 #UslaBtk

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この赤黒のニンジャが言うところの「在り方」も、大方そういうことだろう。すると何だ？それがこのニンジャが自分を殺す理由とやらか。弱者軽蔑などこのマッポーの世ではその辺のサラリマンでさえ持ち合わせる感情だろう。そのような短絡的理由が己を殺すのか？…バカな。 12 #UslaBtk

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「あまりに目に余る独善よ。私はその暴虐を決して見逃しなどせぬ。今、ここでオヌシを…？何が可笑しい、レイジクィッター=サン」ニンジャスレイヤーはカラテを構えようとして、直後に止めた。レイジクィッターを包む不快なアトモスフィアを訝しんでのことである。 13 #UslaBtk

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見よ、声こそ押し殺しているが、彼の両肩はニンジャスレイヤーの指摘通り実際小刻みに震えている。「ヘッ、ヘッヘヘヒヘヘ…」それでも抑えきれず、その体躯が仰け反る。歪に弛みきった表情から笑いが洩れる。ニンジャの残虐性に塗れた、酷薄な笑いが、揺れる。 13 #UslaBtk

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「…へへ、つまり、なんだ？ニンジャスレイヤー=サン」反った背を戻しながらレイジクィッターは問うた。「要はテメエ、弱虫イジメを放っておけないカートゥーン・ヒーローってワケか？ハッ！いやあ、マジでいらっしゃったンだなァ！今のご時世にそんなイディオット！ハー！」 14 #UslaBtk

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ひとしきり捲し立てたのち、再び笑い出す。ただし今度は押し殺しきれなかったらしく、「ハーハッハハハハハ！ヘッヘハーッハーッハーハー！」隠そうともせず声を大にして空を仰ぐ！「断じて否。私はただニンジャを、オヌシらが総じて持つその邪悪を許さぬゆえに」 15 #UslaBtk

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応ずる死神の言葉は、またも反ったレイジクィッターには届かぬ。彼は話も聞かずその的外れな笑いを空に響かせる。身体さえ相手に向けていない。シツレイ！「どっちでもいいさ！」あまつさえ主張を一蹴した彼はきと向き直る。その顔色はえも言えぬ余裕を含んでいた。 16 #UslaBtk