壁打ちホラーまとめ

クーフーリンsとエミヤと金ピカで夏のホラー ダイス事故で急展開へ
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にじたお @Nizitt_tow_kett

夏。クーフーリン部屋では暑さに参った旧槍が「雰囲気だけでも涼しくなりたい」と言い出し、そこに居合わせたエミヤが「では、怪談でもしようか。雰囲気もバッチリな家で」と言い出す。 面白そう!という理由でロマ二もレイシフトを許可し、ついでに愉悦を求めた王も加え、無人の衛宮邸へと向かう。

2016-08-04 02:02:37
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 雰囲気バッチリと言った通りの衛宮邸、ご丁寧に夜に飛ばしてくれたようだ。時計の指す時刻は22時頃。いい時間である。 土蔵の見える廊下に腰掛けて、風にあたりながら順番に話していく。同一人物が4人も揃えばネタ切れも早いが、楽しく涼しく怪談は紡がれていく。

2016-08-04 02:05:52
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「では次は我だな!ふむ…しかし他に何かあったか……」日付を跨ぐ頃、ネタも尽きてきてゆっくりと順番が回る。 「あぁそうだ、以前近代に召喚された時の話だ…」 怪異を見た、何かに化かされた。よくあるが英霊ではそれこそ日常である話だ。「と、こんなものよ」

2016-08-04 02:10:54
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「じゃあ次は俺だな!」 「あれ?ランサー飛ばしてねぇか?」「何言ってんだキャスター、ランサーなら金ピカの前に」「そいつの前は俺だ」「我の前は狂王よ」「…ランサー?」 顔を見合わせ、ぐるりと見渡す。ランサーが居ない。

2016-08-04 02:17:02
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic ランサーが居ない?まず気づいたのは横にいたエミヤ、ついでその反対に挟んでいたオルタが気づく。そして 「なぁ、次は俺だって宣言したの、誰だったんだ?」 キャスターの一言に全員が固まる。

2016-08-04 02:21:04
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「…あれ?オルタの次に、金ピカ…だっけ?あれ…?」 プロトがポツリと呟く 「そのはずだが」「あれ?じゃあ襖のおばけの話は誰のだ?」 「…誰も、そんな話は、してない、の…だが……」 全員の顔がうわぁ…という形になる

2016-08-04 02:26:51
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「おかしいだろう!さっきのが誰か分からんにしても、其奴は我の後に宣言したのは確かだ。仮にそれが我の前に話していたのならそこで宣言するはずだろうよ」 「…だいぶマズいな、これ」 キャスターの眉間に皺が寄る じわじわと嫌な予感が膨れ上がるが、依然として

2016-08-04 02:32:05
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic ランサーは戻ってこない。 「なあ」「はい」「お前が聞いた襖のおばけ?ってどんな話だったんだ?」 は?という視線を飛ばすエミヤや狂王をスルーしてキャスターがプロトに聞く 「おう、えっと、全部は長いからざっくり概要話すな」

2016-08-04 02:36:33
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 夜はきちんと襖を閉めて穴がないかよく確認して寝るように。そうしないと、隙間から掴まれる。襖の向こうは何があるか分からない。掴まれたらどうなるか分からない。でも、襖の奥には何かがいる、それは確かだ 「こんな話だった。なあこれ俺しか聞いてねえの?」

2016-08-04 02:41:00
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 話を聞いていたエミヤが「聞いてないな…しかし戸の類をきっちり閉めるように、というのは日本ではよく聞く怪談だ」と返す 「フン…俺ら英霊は関係ないが、雑魚は閉まった戸は開けられんそうだ。隙間閉じ云々はそこだろうな」 狂王の尾がキャスターへ滑る

2016-08-04 02:48:18
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic ふわふわとした疑問の1つが固まる。嫌な気配、何処かへ消えたランサー、プロトだけが聞いたという怪談 「おばけさん、確実にいらしてるわこれ…」 狂王の尾を掴んだキャスターがため息とともに零す 「とりあえずまずはあの狗を繋ぎ直さねばな…どこへ行ったのやら」

2016-08-04 02:52:13
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「ふむ、他のキャスターに協力を仰ぐべきか」 そう言って立ち上がったエミヤが動かなくなる。 「どしたんだ?」「私達はレイシフトして来たはずだ…が」 通信が繋がらない。お約束ゥ!とプロトが呟く 「いや、圏外ではないのだが」「へっ?お約束ではない?」

2016-08-04 02:56:34
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「連絡先の類がまっさらで…どこにも掛けられないのだ」 「うっわぁ」 「面白そうと言って飛ばした張本人が話の途中で一切出て来なかった時点で疑うべきだったか…ハァ、愉しむどころではないではないか」 最早怪談どころではない。通信機の時計は2時を回っている

2016-08-04 03:02:10
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「どうしようもないし俺探すか!生きてたら何かしら情報掴んでんだろ!よーし全員で行こう、別行動は危ない」 狂王の尻尾を引っ張りつつキャスターが立ち上がる 「では間取りを伝えよう。それから行き先だな…」 ギルが千里眼で屋敷を見るも何も見通せない。ここは

2016-08-04 03:08:24
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic ぐるりと屋敷を回る。念のため襖をチェックしながら一周し、元の場所へと戻る。 「いねぇなぁ俺」「な、気配すらしねぇし」「駄犬め」 収穫はゼロ。仕方ない、もう一周かと逆周りに屋敷を回っていく 「…」「どしたオルタ」「…前に行かせろ、後ろになんかいる」

2016-08-04 03:15:13
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「気味悪いことを言わないでもらいたいんだがね」「あ?じゃあ誰だ俺の尾掴んでんのは。キャスターは手離してんだろ?」 おう、とヒラヒラ両手を振るキャスター 全員で振り向くも尾を掴んでるという誰かは見えない 「おばけ?でも全部襖閉まってんだろ?」

2016-08-04 10:31:44
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「何も襖が全てではなかろう。全くこのボロ屋敷はなんなのだ」 「あー…思ったんだがよ、開けられなくて閉めることは出来るってのはねぇか?それに条件次第じゃ開くかもしれねぇし」 「流石キャスターだぜ賢いな!つまり襖を開け閉めすればいいんだな?」

2016-08-04 10:38:11
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 若干小さくなっているエミヤに続きギル、プロト、キャスターと並んだオルタと続いて屋敷中の襖を開いては閉じてみる と。「お?何だこれ、鈴か?」プロトが襖の横、高い位置に釘で括られた鈴を見つけ、 「そんなもの家にあっただろうか…」不穏な元家主の呟きが漏れる

2016-08-04 10:42:00
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「鈴?鈴ね、ビンゴだ。この襖何かあるぜ」 キャスターがじっくりと襖を観察する 「鈴はな、確かに魔除けなんだが…日が暮れたら呼び込むものになんだわ。これならきっちり閉まってても開けるぜ」 「なら、鈴を外して確認してみようか」 エミヤが手を伸ばす

2016-08-04 11:07:24
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 鈴を外した瞬間 キィと高い悲鳴が背後で上がる 「チッ」狂王が力任せに尾を薙ぎ払うと靄のような何かが吹き飛んで行った 「何だあれ…デカい手?でも目玉が…」何かが飛んで行った先を唖然として見つめるプロト 「襖の…間から出ていた、な」 エミヤは襖を凝視する

2016-08-04 11:18:36
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic キャスターは眉間に皺を寄せて口の端を引きつらせ、ギルはほほう、と眼を細める 「…開けて、どうするか…だなぁ…」 「俺いたりしそうだけどなぁ…でもあの黒い…んあー」 「開けてから考えればよい!」 エミヤを押し退けギルがガッと襖を掴んだ

2016-08-04 11:39:37
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 襖を開く 襖の中は真っ黒に塗りつぶされており、明らかに異様な状態だ 「ひっ!?」「なんでさ…」 「おうチキるな若人、いざ進めだぜ」 及び腰になっているエミヤとプロトを置いてギルとキャスターが中を覗く。 「お?これは…ほほう?」 ギルが奥へ手を伸ばす

2016-08-04 11:51:50
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「見ろ、ドッグタグよ!」 ギルが取り出したのは細長い耳飾りだ 「うぇ、どう見ても槍のじゃん…」キャスターと狂王が自分のを確かめる 「対の物の片方を無くすと言うのはとても危険だ。特に取られた場合はなおさら…」「日本の怪異マジかよ」 後ろの2人が項垂れる

2016-08-04 12:02:58
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic どうするか皆が考える中 「開けられちゃった!」「開いた開いた!」 襖の奥の壁から聞こえた話し声。前の3人にはしっかりと聞き取れた 「あっマズっ」「!」「何処だ?」 「うわあぶね」跳ね上がる狂王の尻尾を避けるプロト 黒塗りの襖が蠢きだす

2016-08-04 12:14:04
にじたお @Nizitt_tow_kett

@Nizi_Gesu_pic 「綺麗な金色!」「蜂蜜の色!」「次はこれにしよう!」 襖の黒は1箇所に集まりだし質量を持ち始める。大きく膨らんだ靄は八手に開き、ギルを掴もうとするが 「痴れ者が!」 寸でのところで避けられる 「次だと?」「次だぁ?」 狂王とキャスターが動く

2016-08-04 13:03:58
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