忍殺二次創作【プロモーション・オブ・ネコノテ・ドージョー】
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「リップドリップ=サン。アゲインスト=サン。ヴァナラ=サン。セミシグレ=サン。リンタオロン=サン。ウルタール=サン。ブライトホープ=サン」黒布で顔を覆い隠した黒スーツのニンジャは、指を折りながら名を紡いでいく。重サイバネ者は黙ってそれを聞いていた。1 #4215tk
2016-08-06 18:08:26「まだまだいますがこれくらいにしておきましょう。ディスコテーク=サン、彼らの名前に聞き覚えは?」「生憎、まだ物忘れをする歳でもありません」重サイバネ者が腕を組み、不機嫌そうに答えた。ネコネコカワイイめいた美貌が顰められる。「私と懇意にしているニンジャたちですね」2 #4215tk
2016-08-06 18:12:06「懇意」黒スーツのニンジャが苦笑いする。ディスコテークはその様子を見咎めた。「なにか言いたいことでも?クロコ=サン」「いえいえ。物の見方の相違とはよくある話と思っただけです」クロコがごまかすように手を振った。重サイバネは腕組みし、彼を見据える。3 #4215tk
2016-08-06 18:16:33クロコはディスコテークが所属するニンジャ相互扶助組織、ウラカタ・コーポレーションの代表だ。どこからかニンジャ向けの仕事を引き受け、それを所属者に振り当てる。テンサイ級サイバネ医師、カジノ・サイバともコネクションを確立し、負傷の際のアフターケアも万全。4 #4215tk
2016-08-06 18:20:38基本的に彼が他のニンジャと顔を合わせるのはビズの話をするときのみ。なので、ディスコテークは今回の呼び出しの意味を掴み損ねている。「多くのニンジャがアマクダリに転向する中、それに与せぬニンジャたちとのコネクションは価値があるものです」5 #4215tk
2016-08-06 18:24:56「どうにもあなたらしくないですね」ディスコテークは決断的に切り込んだ。「なにか用件があるのならば、早々に仰ったらよい。ただ、ウラカタへの勧誘は私を通してではなく彼らとフェイス・トゥ・フェイスでお願いします」「それは尚早な決めつけですな」6 #4215tk
2016-08-06 18:28:57クロコが顔を覆う黒布ヴェールの奥で苦笑を漏らした。「たしかにウラカタで人材不足が起こっているのは事実ですが……だからといってあなたの助けてきた若者たちをビズに登用する気はありません。どうあがいても経験不足です」その言葉を聞き、ディスコテークが肩の力を抜いた。7 #4215tk
2016-08-06 18:32:31「……では今日の用件とは?」「なに、ちょっとした老婆心です」クロコが軽い調子で言う。「最近のディスコテーク=サンが、その若いニンジャたちの世話に追われてビズに本腰を入れられていないのでは、とね」「そんなことは」「だが現にビズをこなすペースが落ちてきています」8 #4215tk
2016-08-06 18:36:14容赦のない指摘。黙り込むディスコテーク向け、クロコは淡々と語りかける。「誤解してほしくはないのですが、私はあなたのそういう一面を美徳と思っているのですよ。ニンジャらしからぬ、とも思いますがね」「皮肉ですか?」「本心ですよ。そこで提案があるのです」9 #4215tk
2016-08-06 18:41:39と、ここでクロコが身を乗り出す。「ディスコテーク=サン。ドージョーを開かれたら如何です」「……スミマセン、今なんと?」突拍子もない提案に、ディスコテークはクロコの正気を疑った。「ドージョーですよ。若きニンジャたちの育成に専念したらどうか、ということです」10 #4215tk
2016-08-06 18:46:14ネコネコカワイイめいたニンジャは渋面を作る。いつもビズでタッグを組むワイルドローズなども、冗談めかしてそのようなことを言っていたが……「簡単に言ってくれますが、実現可能とは思えませんね」「ウラカタ・コーポレーションが設立資金を出すと言っても?」11 #4215tk
2016-08-06 18:52:10ディスコテークは一瞬絶句する。その隙にクロコが畳み掛けた。「先に言っておきますが、これは先行投資です。ウラカタに所属したニュービーたちのカラテを鍛える場を設ける。ディスコテーク=サン、あなたにはその師範になっていただきたい」「しかし」「あなたには経験がある」12 #4215tk
2016-08-06 18:56:37