1 「晴れたねー♪」 〈せやね♪〉 『おん』 「ホタルいるかなあ?」 『おるんちゃう?風が湿ったこんな日に蛍って発光するねんて』 〈さすが亮ちゃん物知り。 ん!足下危ないから手ぇ〉 隆平が差し出す手に手を重ねてチラリと亮ちゃんを見た #ほほえみホタル
2016-07-24 01:05:092 『まぁる。抜けがけはなしや』 〈わかってますよ〜。じゃあ亮 ちゃんは右手な〉 左右を挟まれて …身動きしずらいんですけど? …まあいつものことか。笑 「あ!ホタル!」 指差そうと上げた右手 『おわっ』 亮ちゃんが驚いてよろめいた #ほほえみホタル
2016-07-24 01:06:153 それを隆平が逆に引っ張るから 今度は私が隆平によろめく 「ぁ、ごめん//」 ぶつかった胸板に耳が熱くなる 『まぁる!おまえまた!』 〈亮ちゃんこれは不可抗力やって。苦笑 なあ?〉 「う、うん//」 慌てて離れたけど… #ほほえみホタル
2016-07-24 01:06:574 「亮ちゃん?」 ふいっと前に行ってしまった亮ちゃんを追おうとして 「隆平?」 手首をギュッと握られた 〈…ちょっとだけ 2人で歩かへん?〉 見上げると揺らめく瞳 咄嗟に下を向き頷いた 〈…ホタル綺麗やな…ここのホタルって2種類おるんやって〉 #ほほえみホタル
2016-07-24 01:07:545 「…平家ホタルと源氏ホタル…」 〈なんや、知ってたん?〉 亮ちゃんが教えてくれた 「平家ホタルは小さくて風に飛ばされやすくて、源氏ホタルは体が大きくてどっしりしてるんだって…多分アレが平家ホタルかなぁ?それから…ほら、この飛んでるのがオス…」 #ほほえみホタル
2016-07-24 01:08:516 「…あっ」 目の前を浮遊するホタルが隆平の襟元に止まった 〈んぇ?〉 「ふw光ってる」 よく見ようとして近づいた 「可愛い…」 〈……っ〉 え? 風が動いて ホタルが羽ばたいた 亮ちゃん!? 気づいたら今度は亮ちゃんに手を引かれていた #ほほえみホタル
2016-07-24 01:09:447 「亮ちゃんっ、痛いよっ…」 振り返ると隆平が悲しげな目で見ていた… 『アカン…もう耐えられへん』 「っ…」 林を抜けたところにある東屋の壁に、亮ちゃんは私を押し付けた 『丸が好きなん?』 強がる瞳に涙を浮かべて #ほほえみホタル
2016-07-24 01:16:488 答えも聞かないまま近づく顔に目を閉じたのは ───それが私の答えだから 「…ふ…んっ…チュ…」 『…好きや』 「…私も//」 また風が吹いて一斉にホタルたちが舞い上がる 星みたいにキラキラ瞬いて 『俺ら祝福されてるん?苦笑//』 #ほほえみホタル
2016-07-24 01:18:589 照れた顔を隠すように 亮ちゃんはもう1度キスをした "亮ちゃんへ 今日は譲ったるわ ほな、先帰んで" 隆平からはそんなLINEが届いていたみたい… 終わり #ほほえみホタル pic.twitter.com/2ssm2hA394
2016-07-24 01:19:41