- irukano_kujira
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アリサは大丈夫。お薬があるから。ほら。だから大丈夫。お薬を飲みなさい。扉の向こうには誰もいないわ。目を閉じて。もう誰もいないわ。大丈夫なの。大丈夫なの。何が見えるの? shindanmaker.com/344032
2016-08-08 11:14:21……から始まる、いつものお話ふたたび
隊長フラッグとしてサンダースを率いることになったアリサはそのプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。日課であったアマチュア無線のスイッチを入れ、明日のブリーフィングのために作戦資料を作り込んでいた時、無線機からノイズと共に小さな声が聞こえてきた
2016-08-08 11:24:38いつもなら聞き流すような声に、応答してみることにした。息抜きになればいいかと思ったが、聞こえてくる声に不思議な心地よさを覚え、いつしか見知らぬ相手との交信が日課になった。アリサはプレッシャーを忘れケイと同じように明るく振る舞うようになったがナオミは徐々広がるクマが気になっていた
2016-08-08 11:28:37「ちゃんと寝ているか?」そう聞いても「大丈夫よ!」と明るく返事をするが、日々足取りはふらつくようになり、その明るさを皆が気味悪く思うようになった。ある日ナオミは夜アリサの部屋を覗くことにした。誰かと話す声が聞こえる。アマチュア無線だろうか。しかし相手の声は聞こえない
2016-08-08 11:31:08ヘッドホンもしていないのにアリサはうんうんと頷き、無線機に向かって話しかけている。よく見れば無線機の電源は入っていない。しかし受信を示すメーターの針は動いていて、アリサは笑いながらそれに応えている……直感的にマズイと思った。その場を離れようとした瞬間「誰?」とアリサがこちらを見た
2016-08-08 11:37:09ドア越しで姿は見えていないはず。「あら、ナオミじゃない。どうしたの」しかしアリサはこちらに名を呼んで近づいてくる。逃げなくてはならない。そう思ったが身体が動かない、赤く光るアリサの目を見たのがナオミの最後の記憶だった
2016-08-08 11:42:23沙織「最近ね、毎日ずっとサンダースのアリサがね、一人で誰かと交信してるんだけど、相手の声をどうしても受信できないんだけど、麻子なにかわかる?」 麻子「やっやめろ……ッ! 冗談でもしていい話としていけない話がある!」 沙織「なにか、知ってるの?」 麻子「イマジナリー、フレンド…」
2016-08-08 11:50:38沙織「今地鳴り、震えるぞ? 地震とアリサって関係あるの?」 秋山「イマジナリーフレンド! 聞いたことがあります!」 沙織「ゆかりん、知ってるの!?」 秋山「だとするとちょっとまずいかもしれません。詳しい人に連絡取ってみます……あ、もしもし、逸見殿でありますか?」
2016-08-08 11:59:53逸見「イマジナリーフレンドォ? だから私は西住隊長が生み出した幻影じゃないって何度も言ってるでしょ!」 秋山「でも、詳しいですよね?」 逸見「アンタらのせいでね……。で、それがどうしたって?」 ※イマジナリーフレンド逸見エリカ参照 togetter.com/li/997948
2016-08-08 12:08:36逸見「まぁでもそのサンダースの、新しく隊長になったばっかりで、心が耐え切れなかったのかもね」 秋山「どうしたらいいんでしょうか?」 逸見「どうしたもこうしたも、心の支えが出来ればそんなの消えるわよ」 秋山「でも逸見殿は今も生きてますよね?」 逸見「だから私は幻影じゃないっての!」
2016-08-08 12:12:39逸見「まぁでも、交信の傍受しか材料がないからホントにイマジナリーフレンドかわかんないけど、あまり首突っ込むもんじゃないわよ」 秋山「……だ、そうです」 沙織「なるほどねぇ……でも、アリサにはファイアフライのナオミさんいたでしょ?」 華「それが、ここ数日は音信不通で……」
2016-08-08 12:22:51秋山「妙ですね……アリサ殿と言えばナオミ殿ではありませんか?」 沙織「そうだけど……あっ、タカシ!」 華「彼って、いたことあるんですか?」 秋山「そうか……私たちはずっと新しく生まれたイマジナリーフレンドばかり考えていましたが、もしかするとアリサ殿にはすでにタカシ殿が……」
2016-08-08 12:35:30ナオミはサンダースに張り巡らされた地下通路を腕を押さえながら走っていた。「電源の入っていない無線機、交わしていた言葉……相手は、タカシだ」どうしてタカシが今になって出てきたのかはわからないが、あれはタカシだろう
2016-08-08 12:51:57「まったく、何がイマジナリーフレンドよ……全然違うじゃない」薄暗い通路の先に見える人影にナオミは立ち止まる。「お前は……黒森峰の……」見覚えのある色素の薄い髪、黒森峰女学園新隊長の逸見エリカだった。「あとは私に任せなさい。離れてないと火傷するわよ」
2016-08-08 13:03:29「ねぇ、ナオミ……どうして逃げるの? ねぇ……」フラフラとした足取りで進むアリサに逸見が立ちはだかる。「なにこれ、迫力ないわね……」目の赤いアリサであった存在に逸見エリカは手をかざす。「もう、お眠りなさい……破ァ!」強い光がアリサを襲う。
2016-08-08 13:10:56「ア、アリサ!」倒れるアリサを抱きかかえるナオミに逸見は言った。 「大事にしてあげなさいよ。手から離れたのを掴みなおすのは、ホント大変だからね」 その声にはっと顔を上げると、もう誰もいなかった
2016-08-08 13:13:16今回は最終期に遅れて登場するからあげ先生のネタの数々