古川飛行士の『宇宙船シミュレーション訓練』2月14日 ~宇宙服の中はヒューストンの夏~

JAXA、古川聡宇宙飛行士の訓練の様子のまとめです。今回は宇宙ステーションのロシアセグメントでの火災訓練。
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古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi

2月14日、モスクワ郊外は晴れ。朝の気温はマイナス12℃。朝日が雪に反射して眩しい。

2011-02-15 09:02:06
古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi

朝から、一緒に飛ぶ3人のクルーでの写真撮影。ソコル宇宙服という打ち上げと帰還のときにソユーズ宇宙船内で着る与圧服を着て実施。

2011-02-15 09:02:25
古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi

ちなみに、他のロシアの宇宙服は、宇宙遊泳用のものがオーラン、実際には使われなかったが1960年代後半に開発されたロシア製月面歩行用宇宙服はクリーチェット。ソコルとそれらの名前には共通点がある。それは何でしょう?

2011-02-15 09:03:02
古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi

回答ありがとうございます。正解は、鳥の名前であること。ソコルはハヤブサ、ファルコン(falcon)、オーランはうみわし(sea eagle)、クリーチェットはシロハヤブサ(gyrfalcon)。どれもカッコいい。

2011-02-15 09:09:04
古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi

午後に実施予定の、国際宇宙ステーションロシアセグメントでの火災発生シミュレーション訓練の打ち合わせ、手順確認。

2011-02-15 09:09:33
古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi

午後、国際宇宙ステーションロシアセグメントでの火災発生シミュレーション訓練。通常の火災と違い、宇宙ステーションでの火災時に外へは逃げられない。外は真空で人間は生きられないから。そこで、電源遮断、消火器で消火、どうしてもダメな場合は宇宙船で逃げたりと、様々な対策があり得る。

2011-02-15 09:10:10
古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi

最初は、煙探知器が埃のために間違って火災発生の信号を送ったケース。残念ながら、実際に起こることもある。次は、実際に火災発生のシミュレーション。消火器での消火とその後処置を模擬。

2011-02-15 09:10:41
古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi

続いて、訓練用の煙を実際に発生させて、火災のシミュレーション訓練。ロシア製酸素マスクを実際に装着。電源遮断、消火器複数使用でどうしても消火できなかったため、「救命ボート」であるソユーズ宇宙船で緊急帰還するというシナリオであった。

2011-02-15 09:11:02
古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi

ロシア製酸素マスクを着用した状態で、狭い宇宙船内でソコル宇宙服に着替えるのは結構難しい。宇宙服の首の部分に頭を通すときに、一度息を止め閉眼して酸素マスクをはずし、頭を通した後にまた酸素マスクを着けたりするのである。周囲は火災による煙だらけという設定なので。

2011-02-15 09:12:10
古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi

ソコル宇宙服に着替えた後、通常は宇宙船内の空気を宇宙服内に冷却のため循環させるが、火災のためそれを行えない。代わりに宇宙服内への酸素供給のみ。連続酸素供給により、宇宙船内酸素濃度が許容上限になってしまったという設定で、更なる火災予防のため、手動で宇宙船内を真空にする作業も模擬。

2011-02-15 09:13:02
古川聡 Satoshi Furukawa @Astro_Satoshi

すなわち、ソコル宇宙服のヘルメットを閉め、冷却用空気循環もない状態で2時間近く訓練。宇宙服内部の体感温度は35℃くらいで汗だく!ヒューストンの夏みたいだねと仲間でジョークを言い合っていた。脱水のため、体重が1.5kg程度減ったかも。個人的には野球部の合宿を思い出した。

2011-02-15 09:13:51