忍殺二次創作【イエスタデイズ・アサシン・イズ・トゥデイズ・フレンド】
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「他の」気を取り直した女ニンジャは、固く目を瞑ってから再度開く。ようやく違和感がなくなってきた。「というと、その……そちらのカイシャの?」「いえ。我が社のニンジャはすべてアジャイトー=サンに敗れました。なので貴女と同じくフリーランスの方たちです」7 #4215tk
2016-08-17 21:00:08チカテツは情報を整理する。相手は高いカラテのワザマエを誇るであろうニンジャ。しかし、こちらは三人。加えて依頼者の熱の入れようを見るに、それなりの使い手が選ばれているだろう。……まあ、既にカネはもらっている。やるしかない。「わかりました。お引き受けしましょう」8 #4215tk
2016-08-17 21:04:09……そうした経緯の末、チカテツは二人のニンジャとともにターゲットが住んでいるドージョーへと向かっている。ダズル迷彩柄装束のベンダー、そして白いウロコニンジャ装束を纏うムシュスー。実際に顔を合わせてみてすぐにわかった。どちらも相当の実力者だ。9 #4215tk
2016-08-17 21:08:08「数に任せてドージョー・ヤブリってのも奥ゆかしくねえ話だよな」口を開いたのはベンダーである。「こう、もっと正々堂々とカラテで決着つけたいもんだぜ」「お気持ちはわかりますが、ビズですし」チカテツは苦笑しながら答える。ムシュスーは最後尾で沈黙を保つ。10 #4215tk
2016-08-17 21:12:09「それに、相手はドージョーの主と聞きます。かなりのカラテの持ち主なのでは」「かもな。だが任せておけ、俺のジュドーは強いからな!」「頼りになります」握りこぶしを作るベンダーに、思わずチカテツは笑みをこぼす。ふと彼女は背後へ目をやった。「あの」11 #4215tk
2016-08-17 21:16:12「……私に話しかけましたか?」物思いに沈んでいたらしいムシュスーが、少しばかり驚いたように顔を上げる。「ええ。ずいぶんと……思い悩んでいられるようでしたので」「そうだなァ、ちっとばかし俺も気になってたぜ」ベンダーが振り返る。上半身が真後ろに向く勢いで。12 #4215tk
2016-08-17 21:20:16「なにか不安事項でもあんのかよ、ムシュスー=サン」「不安といいますか」ムシュスーが視線を彷徨わせる。そして手に持ったバイオバンブー製のボーで、軽く地面を叩いた。「お二人にお願い事がありまして。それをどう打ち明けたものかと」チカテツらは思わず顔を見合わせる。13 #4215tk
2016-08-17 21:24:10