君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

1 〈横子、、待って...〉 教室を出ようとしたあたしを呼び止める 声に振り向くと...綺麗に切りそろえられた短い前髪を揺らして親友の村子が 慌てて追いかけて来る 「村子どうしたの？」 〈忘れたの？学祭の打ち合わせよ〉 #君と出会ったのは偶然じゃ無くて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

2 「あ、そっか…」 〈やぁだ、横子ったらぼんやりして！もしかして…恋でもしてるの？〉 村子は乗り遅れたくないのか あたしの恋愛を妙に気にする 「そういう村子はどうなの」 〈えっ。あたし？〉 馬鹿、真っ赤になってるじゃない #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

3 「ふーん、恋してるんだ」 〈なによぉ、私何にも言ってないじゃない！〉 ますます顔を赤くして… ほっんと、村子ったら可愛いんだから 「ほら、遅れちゃうから、早く行きましょ」 背を向けて歩き出すと、パタパタ追いかけてくる #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

4 〈ほら、早くしないと先に行くわよ、、あっ...、、〉 あたしを抜かして振り向きながら話して 歩いて居る村子が誰かにぶつかった ドンッ、 《...大丈夫？》 〈え？〉 受け止めたその人の手は村子を 抱き締めてて... #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

5 〈は…、、王子様〉 打ち合わせに来てくれた隣の男子校の会長 安田君… 駄目だ、村子また変な事言ってる 「ちょっと、村子！」 あたしの言葉を制するように安田君が言った一言に驚く 《あれ？また前髪切りすぎたん？》 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

6 〈あ、えっと…あの、、〉 まだ、安田くんの腕に支えられたまま、顔真っ赤にして前髪を押さえている村子を引き起こす 〈また…切りすぎちゃいました…ぁ〉 蚊の鳴くような声ってこの事ね まさか、村子で聞くと思わなかったけど #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

7 「ごめんなさい、、ほら、村子、 ちゃんと謝って...」 安田君の方に向かせると 真っ赤な顔で俯きながら 〈ごめんなさい、、ありがとう...〉 《ええって、ほんま、自分気を付けなあかんよ》 笑いながら村子の頭を撫でる #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

8 真っ赤になった村子があたしに駆け寄り、通り越して背中にくっついた 「ねぇ、前髪って？」 〈何も無いわ！何も無いわよ！〉 あからさまで、わかりやすい同様をする村子 天然なんだけどね #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

9 《だいぶ、前やけどな、、 駅で会うたことあってん》 ふーん、村子そこで恋しちゃったのね 〈そんな前の事… 覚えていてくれたの…？〉 私の背中から、そっと顔を出した村子が聞く 《その前髪はなかなか忘れんよ》 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

10 〈え？〉 振り返って見た村子は今にも泣きそうな顔で前髪を抑えて... 《ちゃ、ちゃうよ...そんな意味ちゃうから》 『ったく...ヤス、ちゃんと言わへんと 誤解されてまうよ、可愛ええから、 忘れられへんかったって』 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

11 《ちょ、信一 お前いらんこと言わんとってよ…》 〈…へっ〉 あらあら これから学祭で忙しいって言うのに… 困った人達ね 村子は勿論真っ赤だが 安田君も真っ赤 「じゃあ、打ち合わせ…始めましょうか こちらへどうぞ」 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

12 生徒会室に招き入れる はぁ、またこの子達… 「すば子、しばらく使うから出ていきなさい」 居候を追い払う 適当に席に案内して… 《メールで挨拶しとったから変な感じやけど…改めまして…、 生徒会長の安田章大です》 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

13 「こちらこそ、初めまして... 生徒会長の大倉横子です、、 こちらは副会長の錦子、 書記の村上村子、、村子...、 ねぇ、村子！」 安田君の横に居る...さっき信一と呼ばれた男の子を見つめたまま固まった村子 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

14 ドンドンっと机を叩いて繰り返す 「む、ら、こ！」 〈はっ、〉 「どうしたの、早く ちゃんと挨拶して頂戴」 不思議だった 安田君じゃなくて なぜ、彼を見つめてたんだろう 〈書記の…村子ですっ、〉 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

15 『あ、自分、錦戸信一っていいます！』 〈しん…いちくん…〉 《村子さん、大丈夫？》 様子のおかしい村子に、さすがに安田君も気になったらしい 〈ちょっと、似ている人知ってたから… もう、大丈夫！〉 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

16 『ヤス、めっちゃ気になるって顔に書いてあるで、』 《アホ、そんな事あらへん》 男の子達がふざけだしたのを [コホッ！] 錦子が咳払いで牽制して 『あ、すんません...俺達、歳は離れてますけど子供の時から親友で、』 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

17 「いえ、大丈夫です それじゃ、始めますか、」 特に興味が無かった と言うより 錦子が止めてくれたから良かったものの… あのままじゃ、巷の方達で言う合コン？みたいな事になってたじゃないの… 背筋をもう一度伸ばした #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

18 「村子、記録とる準備はできた？」 〈できたわ〉 「学祭についての第1回打ち合わせを始めます」 お嬢様校とこれまたお金持ちが通う男子校が共催する学園祭 盛り上がらないわけがない一大イベント 打ち合わせることは山程ある #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

19 「...では、大体の進行はこちらで宜しいかしら？」 《えんちゃいますか？...準備の為の買いもんとかどないします？》 ああ、そうよね... チラッと村子を見ると信一君を見ながら 〈皆で行きましょ...ダメかしら？〉 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

20 「駄目よ、そんな男と買い物なんて」 いつもの癖で出てしまった一言に乗ってきた女達 【あら。じゃあ…私達と行く？】 「すば子！」 追い出した筈の3人がドアを開けて、笑った 「すば子、あなた達立ち聞きなんて良くないわ」 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

21 生徒会室に勝手に入り浸ってる すば子、安子、丸子 この3人が絡むとろくなことがない 〔だってぇー、 こんなにかっこいい人達いるのに… そっちだけズルいじゃない〕 唇を尖らせている安子 「安子、遊びじゃないのよ」 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

22 〔分かってるわよ、ほら、あたし達だってお手伝いしたいじゃない、、ねっ？〕 安子がこんなに積極的なのは男が絡む時だけ...頼りの錦子はすば子が居るから 大人しくなってるし 『俺達はかまへんけど...ええの？』 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

きき @Kikisubasan

23 〈はい、勿論です！〉 「ちょ…ちょっと村子…」 会長はあたし でも、こうなるとあたしにはこの娘達を止められない 村子も、 安田君に安子を近付けた事 絶対後悔するわ #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

りいろ @EIGHT_SS_RIRO

24 〔じゃあ…どこに行きます？ 私は駅の向こうにできたショッピングセンターがいいかなって… あ、美味しいカフェもあるし…それに…〕 ほら、グイグイ出てくる安子 いいの？ってつもりで振り向いたけど… 村子…どこ見てるの…？ #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ

あみ @ami_qitt25

25 「村子、」 あたしの声に肩を揺らして 〈...そうね、そうしましょ...〉 ぼーっとしたまま答えると俯いた村子の大きな瞳に見る見る涙が浮かぶ 「ごめんなさい、体調が悪いみたい...」 〔じゃ、あたしがお送りするわ〕 #君と出会ったのは偶然じゃなくて運命なんだよ