※付き合ってません

水木ナオ @nayotaf

「おかしいな」「何がですか」「こないだから雑誌で見た『ドキっとする仕草』を実践してるのに、全然効果が無いんだ」「例えば？」「眼鏡を外して、目頭を押さえて溜息吐いたり、シャツの腕捲って腕の筋肉見せたり、バックで車庫入れしたり」「俺、姐さんのそういうとこ好きっすよ」 #twnovel

水木ナオ @nayotaf

「いやあ参った」「何がですか」「夕べの営業の帰り道、連れてた部下の彼女に偶然会ってさ。そしたら『誰よこの女！』って浮気相手と勘違いされてさあ」「その割に嬉しそうですね」「へへ…パンツスーツなのに女って分かってもらえた」「姐さんのそういうとこ、ほんと可愛いっすね」 #twnovel

水木ナオ @nayotaf

「見ちゃった」「何をですか」「昨日女の子と歩いてたでしょ」「彼女じゃないですよ」「腕組んで楽しそうだったね〜」「彼女じゃないですよ」「またまた〜私とは全然違うタイプの可愛らしい子だったじゃない？」「姐さん、本当に彼女じゃないですから泣かなくていいんすよ、姐さん」 #twnovel

水木ナオ @nayotaf

「すいません」「何が」「俺のミスで姐さんまで怒鳴られて」「部下のミスは上司の責任だからね」「本当にすいませんでした。お詫びに今晩おごらせてください」「いやいや、ミスは誰にでもあるし。気にしないでいいよ」「姐さんと飲みにいく為の口実、って言ったら怒りますか？」 #twnovel

水木ナオ @nayotaf

「姐さん」「なに」「最近気付いたんすけど」「なにさ」「俺、結構もてるんすよ」「ふん」「鼻であしらうという」「で、オチは？どうせ結構『重い物』も持てる、とかでしょ」「そうそう俺、意外と重いもの持てるんすよ。姐さんのこれからの人生とか」「ふん」「姐さん耳赤いっすよ」 #twnovel

水木ナオ @nayotaf

ランチに入ったカフェにて、同期のアイツの上司を発見。挨拶がてら奴の弱みでも聞き出そうと足を踏み出したら、後ろからぐいと肩を引かれた。「俺の姐さんに何か用？」満面の笑顔と、肩に食い込む指を見やって。「いや、お前の弱み教えてもらおうと思ったんだけど、必要なかったわ」 #twnovel

水木ナオ @nayotaf

「なんてことだ」「どうした」「”物の名前を言ったら罰金”ゲームをやったら、『昨日のあれって』『ああそれならまとめてそこに』『ありがとう、あと』『ああついでにあれも予約？』『そうそう』って全く支障なかった」「それあいつとだろ」「なぜ分かる」「毎日そうだろお前ら」 #twnvday

水木ナオ @nayotaf

同期のアイツの部署を覗くと、奴が一人、手帳見つめて唸っていた。「来週同期で飲もうかって話があってよ」ふうん、と奴は手帳を置いて、別の手帳を取り出す。「あれそれ手帳じゃねえの？」「こっちは姐さんにすること書いてるやつ」「姐さんと、じゃなく？」「ああ」「と？」「に」 #twnovel

水木ナオ @nayotaf

「姐さん、明けましておめでとうございます」「……はい」「今年も宜しくお願いします」「はい」「姐さん」「はい」「仕事始めで早めに出社して自分しかいないと思ってあのドラマのダンスをふんふん鼻歌交じりでご機嫌に踊ってたのなんて誰も見てませんから」「全部見てんじゃん！」 #twnovel

水木ナオ @nayotaf

「人にもJIS規格がほしい」「正式には日本工業規格です姐さん」「また無駄に知識を。この人は好きになっても安全、て印があればいいのに」「ふーん。じゃ」ささっと己の手にJISマークを描いて。「安全ですよ？」「……あんたねえ」反応を見るに、無駄な知識ではなかった模様。 #twnovel