- Uroak_Miku
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[続き]もしこの女の子が生足を見せていなかったら、視線はこう動いていた。おじぎの動作があまり感じられなくなる。 pic.twitter.com/7kXBdbiR8L
2016-09-09 13:30:37[続き]生足を見せることで、この子がおじぎをしている動作が体感的にわかるよう工夫されています。 pic.twitter.com/x7MybkQcAk
2016-09-09 13:34:55上から三段目では、左右の人物の間の空白(ふきだしで埋まっていますが)をうまく生かして、左右反転Zの斜めの線を導いています。 pic.twitter.com/vhKOs5mASr
2016-09-10 16:54:10さて原作小説ではこうなっています。これをうまくまんがという映像言語に翻案しているわけです。 pic.twitter.com/QBV8F1NoTn
2016-09-10 19:34:37無駄がないんですよ。原作を丁寧に読み込んで映像文法に置き換えています。 pic.twitter.com/6lK7INfB9f
2016-09-10 19:37:29原作小説における地の文が、まんがでいうナレーション文ともともと酷似しているのでコミカライズにあたってほぼそのまま転用できるというのもむろんあるけれど。
2016-09-10 19:41:35このページ、さりげなく高度な技が使われています。視線誘導がらみです。なんだと思いますか。 pic.twitter.com/gMfezqSzzt
2016-09-12 01:32:39視線誘導はこうなっています。「ガチャン」のさらに右側に視線が進む。つまりページからはみ出ていく。これは巧い。「ガチャン」が吹き出しで処理されていますね。ということは発話者がそのそば(この場合は右側)にいるわけです。 pic.twitter.com/8RB43D5sdH
2016-09-12 13:33:42「ガチャン」の発話者というのは、戸の取っ手です。少年が手を伸ばして開けようとするんだけど「ガチャン」と音を立てるだけで開かない。このコマ(というかページ)のなかには登場しない。しないけれど視線はこの発話者の存在を意識して右側にはみ出していく。そして左に跳ね上がる。
2016-09-12 13:36:26セリフの視線誘導を青で可視化してみました。「ガチャン」→「やっぱり鍵はかかってるか…」と進む。 pic.twitter.com/KX4rbmDG1K
2016-09-12 13:40:02最初、私はこう分析していました。緑で囲った部分をよく見てください。「やっぱり鍵はかかってるか…」→「ガチャン」 これだと順番がおかしいわけです。「ガチャン」→「やっぱり鍵はかかってるか…」でないといけないのに。しばらく考えた。 pic.twitter.com/FWZnVnc87Z
2016-09-12 13:44:18「ガチャン」の話者がコマの右欄外にあると考えれば、セリフの視線ももっと右寄りになって「やっぱり鍵はかかってるか…」をぎりぎりでかすめてまず「ガチャン」に進み、跳ね返って「やっぱり鍵はかかってるか…」に進むのだと分析できる。
2016-09-12 13:47:07さて赤の視線は、少年の顔を二回通過します。一回目のときと二回目のときで表情に変化がない。(止まった絵だから) ところが一回目と二回目では受ける印象が違う。
2016-09-12 13:50:46一回目は「戸を開けようとしている」顔で、二回目は「やはり鍵がかかっている…」とつぶやく顔。ニュアンスが変わるのです。
2016-09-12 13:52:00「ガチャン」→「やはり鍵はかかってるか…」を経て彼の顔に視線が戻ってくる。この二つの発話を経たおかげで、彼の表情に新たなニュアンスが加わるわけです。
2016-09-12 13:53:321ページまるまる視線誘導を可視化してみました。これであってるのかな。 pic.twitter.com/ZWow8JWZNJ
2016-09-12 20:26:11赤の視線ラインが一度この子の頭蓋骨上部を横切って、同じこの子の顔まで進む。「響さんっお困りですか」のコマにある彼女の顔まで。
2016-09-12 20:30:27よく見ないと見逃してしまうのですが、「お困りですか」と彼女が近寄ってくるとき、少年は戸に対して背を向けています。二列目のコマをよくご覧ください。向かって左に向きを変えているんですよ彼。
2016-09-12 20:34:59右ページから左ページへのぶっとい視線誘導ラインが見えます。 pic.twitter.com/yl6xzTrT1V
2016-09-12 20:44:45