セブンワンダーの件に関する所感

BOOK EATER@書記官@本の虫 @gastrallus00

@gannbattemasenn いくつかリプためてしまって、申し訳無いのですが、セブンワンダーがつぶれた件について所感があればお願いします。私もあそこは注目してたんですけど、2作目で学園ものだったから様子見してたらつぶれたんですよね。買えばよかったのかなあと気にしています。

偽トノイケ☆ダイスケ@BIとJGPクラスタ捜査中 @gannbattemasenn

うーん、コレについては、正直ぼくとしては妙な居心地の悪さを感じるところがあって、その居心地の悪さ感情を吐露すれば、別に潰れたのは自分の所為だって話ではないんだけど、もっと「恋ユニFD]の最終章のゴタゴタに穏便に接していれば良かったなぁとちと後悔しているようなところはある。

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無論、今から振り返っても、七不思議のあの行動は良くなかったと思うし、僕の非難自体が殊更間違っているとは思わないし、さらに言えば最終章の出来も「今まで期待させるような作り」であるのに対して、ションボリ気味だったのは否定できないけど「次回作に期待します」くらい言えば良かった感はあり。

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なんて言うのかな。そこらへんも含めて、昔だったら「いくら（適切に）叩いても、普通にエロゲメーカーは新作出すから大丈夫だよなぁ」っていう前提が通用しなくなったときの居心地の悪さ見たいのはある。ある前提の元では正しい行動が、その前提が崩れたからあまり多正しく無くなった時のバツの悪さ。

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七不思議自体の作品について言えば、肯定的に見れば「太陽のプロミア」や「ひめごとユニオン」があって、そして否定的にと言うか、その七不思議の作風の弱点（とされる批判に対して）どうにかしようとした作品が「ひめユニFD]」だってところが基本的な要約にできるとおもう。

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つまり、悪く言えば「伏線投げっぱなしのファンタジー世界」であり、良く言えば「世界の広大な不思議を渡り歩く恋と冒険の物語」であり、これを奈須きのこたんがあたりが高く評価していた！ってあたりを記述すれば、エロゲオタの皆さんは「なるほどねぇ」とは思うかもしれない。

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僕はどちらかといえば、七不思議の作品を好意的に見ていたので世界の広大な不思議を渡り歩く恋と冒険の物語」である「太陽のプロミア」や「ひめユニ」を高く評価するけど、とはいえ、否定的な「伏線名げっぱ」という部分も、これは否定できなかった。この問題はこの手の作品だと厄介な部分で。

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それが「その作品の本物語」の「伏線であるのか？」という問題と、それが「その作品の本物語とはあまり関係ない」ある種の「世界観設定なのか？」という問題は、なかなかに判別が出来ないところがある。僕の評価によると、概ね七不思議の作品は「その作品の本物語」は基本「ヒロインとの恋」に限定し…

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そして、その「冒険の物語」というか「冒険を誘うような世界観設定の謎」については、基本的に最後までそれを追求しないと言う所がある。ヒロインとの恋やヒロインは本編作品で一応オチが付くが「その後の冒険の物語についてはまだまだ物語は続く！」みたいな匂わせ方をやっている。

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とは言っても、そう分類したとして、物語のなかでは「恋と冒険」は同時進行で進むのだし、この手の物語は常に「伏線」や「謎」という「先行投資」によって、読者にその解明を期待させることで「運転資金」を得るようなところがあるのだから、やっぱり「伏線が未回収ダー」批判は必ず起こるわけ。

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んで、おそらく、その辺をクリアしようとした作品が「ひめユニFD」だったと思う。きほんこの作品は本編の「ひめごとユニオン」の伏線回収に挑んだ作品で、そしてそれ自体は基本的には成功している。では、なんでこれが失敗作的な評価をされているのか？

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まず、この作品の少々特集な構成が問題だ。この作品は「あくまで形式として」は「各ヒロインのアフターシナリオつまりはイチャラブＦＤ」と「それらのひめユニＦＤを貫く一つの物語を語ろう」としている。これを物語的に言い換えると……

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「主人公と本編ヒロインがイチャラブ生活をしているところに、主人公の妹を名乗る少女がやってきて、アレコレあって３Ｐ関係な間柄になるんだが、しかしその少女はどの巻でも最終的には消えてしまう」という物語の反復の 「記憶」が巻を進む毎に主人公に蓄積されて、それが全ての巻を貫く物語と化す。

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もちろん、この「ひめユニＦＤ」の物語は、ひめユニ本編の伏線解消になっていて、それは前述した通り基本的には成功している。では何が成功していないのかというと、基本的な問題は二つある。一つは「ヒロインアフターＦＤのイチャラブとそれを貫く基本物語」の融合の失敗だ。

偽トノイケ☆ダイスケ@BIとJGPクラスタ捜査中 @gannbattemasenn

これには、その前提として「アフターＦＤで本編ヒロイン以外の３Ｐとかいいのかよ！」的な論点はアルにはあるが、僕はそんなの当たり前だろ！で一蹴するとしても、如かしながら「最終的にはどの巻も、３Ｐで良かったねになるまでの物語を描き、しかし最後にはヒロインが消え次巻を待て！」」は微妙だ。

偽トノイケ☆ダイスケ@BIとJGPクラスタ捜査中 @gannbattemasenn

結局のところ、その物語はヒロインとのイチャラブを描くと言うよりも、他のサブヒロインとの３Ｐや各種伏線を取り巻く中で「３Ｐ関係を確立する」ところまでの「物語主導な面」が強く、イチャラブ主導とは言えないし、しかも最終的にはヒロインが消失し「次巻に続く」なのだから、満足感は遅延される。

偽トノイケ☆ダイスケ@BIとJGPクラスタ捜査中 @gannbattemasenn

そして、第二の問題は、実はこの第一の問題とも絡んでいるが、伏線や謎の先行投資をしまくるシナリオは基本的に読者の「実はもの凄い設定なのでは」という利子が嵩んでいくので、その読者の期待利子とその「返済」である「伏線の真実」を一致させるのはなかなか難しいというところ。

偽トノイケ☆ダイスケ@BIとJGPクラスタ捜査中 @gannbattemasenn

読者はその伏線の「真実」を求めると言うよりも、その伏線で期待した「先行投資」の「利子付きの返却」を求めているわけ。伏線Ａが２０円的な真実としたら、それが引き延ばされれば引き延ばされるほどに、その伏線Ａは１００円近くになる。２０円返してそれが真実だと言われても「割に合わない」わけ。

偽トノイケ☆ダイスケ@BIとJGPクラスタ捜査中 @gannbattemasenn

しかも、この作品は前述の通り、物語の伏線だけではなく「各巻のヒロインとのイチャラブや３Ｐ関係」までもを、その先行投資に入れている。その欲望を端的に言えば「全ての巻の記憶を満たしたら、基本全ヒロインとＨしているわけで、きっと凄いハーレムイチャラブ！」という期待利子が積もりすぎる。

偽トノイケ☆ダイスケ@BIとJGPクラスタ捜査中 @gannbattemasenn

七不思議全体で言えば「七不思議作品の伏線ぶんなげ」を解消しようとはして、実際にその解消には成功していものの、その基本的なナラティブは今までの作品と同じ「伏線先行投資メイン」であり、それはその「解消」が為されない場合には機能するが「解消を目指す」場合には機能しなかった、という話だ。

偽トノイケ☆ダイスケ@BIとJGPクラスタ捜査中 @gannbattemasenn

それだった奈須たんみたいに１５年間もフェイトという過剰債務の返却を常に「返し続ける振り」をして、読者の方も「返せ返せとは言うが、結局その期待利子変換ゲームを永遠に続けたいから返さなくて良い」的な欺瞞ゲームを永遠に続けるほうが良いのか？七不思議はこの深遠な問いを発し続けている…（終

BOOK EATER@書記官@本の虫 @gastrallus00

@gannbattemasenn 有難う御座いました。恐らく後でまとめをさせていただきます。伏線と利子の話は面白かったです。