廃棄物日誌 LOG14

廃棄物13号@カクヨム連載中 @eibis_splicer

夏。セミが鳴いている。というか何処かからセミがナガト内部に入り込んだらしくものすごくうるさい。 不意に止んだと思ったら蒼龍が蹲って何かを食べていた。 お前まさか… #廃棄物日誌

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私のドレスも見た目は変わらないが薄地になり、通気性もよくはなっているが暑いのは変わらない。 そんな中新たな作戦の予告。提督が利用する共有ネットワークにその情報が提示された。 第二次SN作戦と呼ばれるその作戦は、以前失敗した作戦とのこと。 #廃棄物日誌

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一説には防空駆逐艦が実戦投入されるとかで、持ちきりになっている。 正規提督が先行モデルを使って無謀な突貫を繰り返して壊滅し、ショタ提督が香取やら愛宕やらに泣きついている間に我々民間提督が向かい、最終的には孤立した艦娘諸共敵を弾道ミサイルで破壊する。 #廃棄物日誌

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このディレクターを五芒星の中心に立たせて河童を迎撃するようなアホみたいな流れが、限定海域作戦の流れである。 違うのはディレクターが我々で五芒星が艦娘、そして河童が深海棲艦だということだ。 尚因果律を集めて撃ちだすバズーカは存在しない。 #廃棄物日誌

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前回の作戦では凄まじい戦いの果てに手に入ったのが今私の隣で大艇ちゃんこと二式大艇に覆い被さりアヘ顔で腰を振りたくっている秋津洲である。 利用価値が何一つ見いだせない上に水上機母艦なので育成もしにくいのが手伝い、気づいたらこうなっていた。 #廃棄物日誌

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また、作戦完了までに使った資源よりも遥かに資源を投入してまで行った磯風捜索は何一つ実を結ばなかったのもあり、今回の作戦は甲以外で行おうかと考えている。 一部の正規提督にだけ支給された新型装備も気になる所だが。 #廃棄物日誌

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まあ、どうするかは始まってからでいいだろう。 今は、始まる前にどれだけ戦力を揃えれるかが重要なのだから。 #廃棄物日誌

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…… #廃棄物日誌

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「いけー大井っちー捨て身タックルだー」 猛烈にやる気のない指示を受けた大井、頭が魚雷のサイコクソレズは北上とも聞こえる叫び声を上げて敵の阿武隈に突進。 魚雷が胴体から離れて大爆発した。 ダンスクラブでの戦いはすぐに艦娘同士の戦いへとシフトした。 #廃棄物日誌

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対人戦におけるオーバーキルを考慮し、連装砲を取り外してM60を水平に二つ並べた連装機関銃を両手に暴れ回る子日。 その隣の文月は金メッキの単装砲を2丁拳銃のように連射している。 「what the lovely day！」「おーいえー！」 #廃棄物日誌

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覚えたての英語を叫ぶ子日。両手の連装機関銃が爆音と共に弾幕を放ち、その前に立つ敵を悉く粉々にしていく。 躍り出てきた暁にもこれでもかと7.62mm弾を撃ち込みながら片方を連装砲に持ち替え、機関銃が弾切れになったと同時に切り替えるように砲を向けて発射した。 #廃棄物日誌

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不意の一撃に対応する間もなく暁は被弾。 徹甲榴弾が胴体内部で炸裂して、上半身と下半身を分断した。 落下する暁の上半身。だがまだ彼女は沈黙せず艤装の主砲を子日に向けた。 発射された127mm弾を回避し、トドメを刺すように渾身の力で暁を蹴り飛ばした。 #廃棄物日誌

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その蹴飛ばした暁を、咆哮と共に何者かが投げて返してきた。 子日の前に現れたのは、球磨の格好をした全長3mのクマだ。 「what the fuck!?」叫んで、同時に連装砲を放つ子日。 球磨に命中するが効果がない。外見はクマでも、軽巡洋艦球磨のようだ。 #廃棄物日誌

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子日がそう思った時には、球磨が目の前まで迫ってきた。 手榴弾代わりに使っている爆雷を腰のベルトから外して時限信管のピンを抜いて顔目掛けて投げる。投げるまでにかかった時間は凡そ3秒であった。 彼女を噛み砕こうとした球磨の口に爆雷が入る。 #廃棄物日誌

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それが爆弾だと分かっていないのか球磨は噛み砕いて、自ら炸裂させた。 だがやはり無傷のまま、球磨は子日にタックルした。 全長3メートルほどの軽巡洋艦の突進をまともに受けた子日が吹っ飛び、その先の文月に衝突した。#廃棄物日誌

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「ふえぇ！？」文月が投げ飛ばされた子日をどかすと、目の前に現れたのは全長3mの球磨の格好をしたクマである。 クマは何事もないように文月を持ち上げると、造作もなく頭を噛み砕いた。 「Holy shit!!」それを見た子日が叫んだ。 #廃棄物日誌

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子日は文月に当たることも考えずに連装砲を乱射する。 立て続けに命中し爆発を上げるがまるで効果がなく、お返しとばかりに腕を一回振る。 それだけで、彼女は豪快に宙を舞い、スピーカーに頭から突っ込んでいった。 #廃棄物日誌

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「うお、何だありゃ」北上が思わず目を見開いた。 そこには全長3メートルの球磨の格好をしたクマ。 その足元には頭を半分齧られた文月と、スピーカーに頭を突っ込んだ子日。 「うーむ、これは少し骨のありそうな…」北上が重そうに腰を上げる。 #廃棄物日誌

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「さぁ大井っち、私大井っちの良い所見てみたいなー」しかし頭を失いさ迷う大井に頼む形で命令する。 首なしゾンビのような大井の動きが止まり、背中に装着された頭部用の酸素魚雷が背中を登っていく。 その時「アイエエエーエエ！」唐突に叫び声が北上の耳を揺らした。 #廃棄物日誌

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声がした方を北上が向くと、何やら叫びながら伊58がこちらに向かってくるのが見えた。 機能美に溢れる水着の上に着たシャツには「わるいオリョクルでち」と子供っぽい文字で書いてある。 分かりにくいがアナーキスト艦娘である。 #廃棄物日誌

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待遇改善を訴えたり激務に耐えられなくなり精神崩壊した艦娘のことをアナーキスト艦娘と呼ばれている。 特に遠征艦隊やオリョクルに駆り出される潜水艦がなりやすく、提督の数より艦娘が大きく上回った現在でそれなりに大きな問題となっている。 #廃棄物日誌

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見た目が少女でも、元々は人間であっても、彼女達は兵器。 駆逐艦が一隻で暴れていても大した事にはならないが、それが一個艦隊、または重巡洋艦クラスとなると話は大きく変わる。 戦艦が暴れるとなると、艤装があろうがなかろうが鎮圧には艦隊が必要だ。 #廃棄物日誌

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「アイエエエエエ！！」58は叫びながら握り締めたリボルバーを乱射する。 狙いは完全に外れている。彼女は何を狙っているのかも自分でも理解できていないのだ。 故にアナーキスト艦娘、引いては暴走艦娘なのである。 「あー大井っち早く」「ｷﾀｷﾀｷﾀｶﾐ」 #廃棄物日誌

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「ｷｷｷｷｷｽｽｽｼｼｼﾃﾃﾃ」「今それどころじゃ」魚雷頭のまま北上にキスを迫る大井。 北上が彼女を退けて58に押し付けようとしたときには、既に58のキルゾーンの前だ。 「ドーモ、北上＝サン、サヴェージ・ゴーヤです」 不意に停止した58が名乗る。「…どうも」 #廃棄物日誌

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乗せられるように挨拶する北上。 彼女が顔を上げたその直後。「イィヤャアァーッ！！」58が絶叫し、飛びかかってきた。 それがどういうことなのかを理解すると同時に、三人は閃光に包まれた。 言ってしまえば、58の自爆に巻き込まれたのだ。 #廃棄物日誌