昨日発生していたサイトログインできない不具合は修正されております(詳細はこちら)

サヨナラは今も この胸にいます

ZARDの曲 サヨナラは今もこの胸にいます を題材に。
0
大倉組 @ohkuragumi

① “男と女の友情ってあると思う?” “え~っ、ないでしょ?” そんな会話が始まった高校の同窓会 みんなと会うのは5年ぶり “いや、あるでしょ。ここに…” 私に視線が集まった 「えっ?なに?」 “あんたと大倉は有り得るでしょ 男と女の友情ってやつ”

2015-05-04 23:31:01
大倉組 @ohkuragumi

② ずっと一緒だった。 なぜか気が合って、いつも二人でいた みんなは知らないけれど 私は… 『お~っ!久し振り~!!』 背後から顔を覗きこんで来たのは 話題の男友達の大倉 『変わらんな~、お前!!』 「それ、良い意味?悪い意味?」

2015-05-04 23:31:43
大倉組 @ohkuragumi

③ “出た!夫婦漫才!” 何て、からかわれながら みんなで懐かしい会話が弾む 同窓会もお開きになる頃 忠義は私の傍に寄って来た 『元気だったん?』 「うん。何とかね」 『今度、飲みにでも行こや』 いきなり誘われて、心臓が高鳴る

2015-05-04 23:32:21
大倉組 @ohkuragumi

④ 『俺、今こっちで仕事してるんよ』 「えっ!?そうなの?」 『うん。他に誘えるようなヤツ おらんし、行こや?』 「行こう言われても、 連絡先も知らないよ?」 『番号、教えとくわ』 そう言って、連絡先を交換した

2015-05-04 23:33:06
大倉組 @ohkuragumi

⑤ 初めて交換した電話番号 昔の想いが甦ってしまった。 次の日、忠義からメールが届いた 昔話に花が咲いた 途切れないメール 『俺、本当は好きやったんよ?』 そんな言葉が送られて来た そんな事、全然知らなかった… 私だって、あの頃から…

2015-05-04 23:33:22
大倉組 @ohkuragumi

⑥ 「私もだよ…? 気付いてなかっただろうけど…」 つい、そんな言葉を送り返した 『何や…両想いやったんか… 失敗したな…』 その言葉に涙が溢れた なぜ…? どうして涙なんか… 胸の奥がズキズキ傷む 今でも私は…

2015-05-04 23:33:40
大倉組 @ohkuragumi

⑦ 『飲みに行こうや。 顔見て話したいわ』 私も、もう一度会いたい… そんな気持ちを悟られないように 約束を交わした。 ――約束の日 朝からソワソワ 仕事中も、時計ばかり気にする私 約束の時間はPM7:00 早く会いたい…

2015-05-04 23:34:31
大倉組 @ohkuragumi

⑧ 仕事を終え、約束の場所へと急ぐ ドキッ//ドキッ// 鼓動が早まる 待ち合わせの場所、地下鉄の出口に 忠義の姿を見つけた ビシッ//とスーツを着こなす姿に 余計にドキドキ 駆け寄りたい気持ちを抑え 近づいていく 普通に… いつも通りに… そう言い聞かせて…

2015-05-04 23:34:48
大倉組 @ohkuragumi

⑨ 私に気がついた忠義も近づいて来る そして―― 『遅いわ。俺、10分も待った』 そう言い私の頭に手を乗せる 昔から、こんな事をしてくる忠義 昔は何とも思ってなかった事が 照れくさくてたまらなかった。 『どこ行く?腹減ったわ~』 そう言いながら、二人で歩き始めた

2015-05-04 23:35:36
大倉組 @ohkuragumi

⑩ 『どうするん?』 「どうしよっか?」 歩きながら、お店を探してると 居酒屋が目に入った 変にオシャレな所は余計に緊張する その、お店を指差すと 『まぁ、お前とならええか』 良い意味なのか… 悪い意味なのか… お店に入り、大はしゃぎした

2015-05-04 23:35:57
大倉組 @ohkuragumi

⑪ いつの間にか あんなにドキドキしていた気持ちも なくなっていた。 あの気持ちは 気のせいだったんだな… そう思っていた。 下らない事で笑える仲 凄く心地がいい… 「忠義、彼女いないの?」 『ん~?一応おるけど?』 その言葉に 聞かなきゃ良かった…

2015-05-04 23:36:45
大倉組 @ohkuragumi

⑫ 胸の奥がズキッ//と傷んだ やっぱり気のせいじゃなかった… 複雑な気持ちを、必死に抑えながら 過ぎて行く時間 長いかったような… 短かったような… 終電の駅のホーム 『また誘ってもええ?』 誘っても…て彼女は…? そう思いながらも、また会いたくて

2015-05-04 23:37:40
大倉組 @ohkuragumi

⑬ 「うん…いつでも…」 そう答えると 『じゃ、明日は…?』 「えっ!?」 少し戸惑った 『土曜は仕事?』 「いや…休み、だけど…」 『なら、ドライブでも行かへん?』 「でも…彼女は…?」 『会いたいんよ…。また明日も』

2015-05-04 23:37:57
大倉組 @ohkuragumi

⑭ 真っ直ぐ、真剣な目で 私を見ている、そんな忠義に… 「私も、会いたい…」 気持ちを抑えられなくなって そう言った。 明日の約束を交わしながら 二人で乗り込んだ電車 忠義より、ひと駅前で降りる私は 電車の中の彼を見送った。

2015-05-04 23:38:13
大倉組 @ohkuragumi

⑮ 次の日 近所まで迎えに来る、忠義を待つ私 待ってる間、色んな事が頭を過る 彼女がいるのに、いいのかな… どうして誘うの…? 何を考えてるの…? 一台の車が停まり 忠義が降りて来る 助手席のドアを開くと 微笑みながら言う

2015-05-04 23:39:11
大倉組 @ohkuragumi

⑯ 『お迎えに上がりましたよ』 その笑顔を見たら、さっきまでの 気持ちは、どこかへ飛んでいき 会えた事の嬉しさに変わっていた 『どこ行く?』 「どこって、誘ったの忠義でしょ?」 『そやけど、どこ行ったらいいんか 分からへんわ~』 「何それ?考えてきてよ」

2015-05-04 23:39:41
大倉組 @ohkuragumi

⑰ 普段通りを装うけど 心ん中はドキドキしっぱなし 平常心…平常心… 自分に言い聞かせる私 結局、行き先も決めずの 行き当たりバッタリのドライブ 途中で夕飯も済ませ 家路へと車を走らせる 時間はPM7:00

2015-05-04 23:39:50
大倉組 @ohkuragumi

⑱ 『どうする?』 そんな忠義の問いかけに 「どうする…て?」 聞き返した 『なんや中途半端な時間やない? もう…帰る?』 そんな事を聞かれても、何て答えたら いいのか分からなくて… 「忠義は…?」 そう聞き返してみた

2015-05-04 23:41:17
大倉組 @ohkuragumi

⑲ 『もう少しで俺んちなんやけど 寄ってく…?』 なんて言ってきた 「いいの…?」 『うん。寄っててって?』 どんなつもりで誘ってるのか 全く見当がつかない だけど、一緒に居たくて… 「うん。寄ってく」 そう言うとハンドルを握る片方の手が そっと私の手を包んだ

2015-05-04 23:41:30
大倉組 @ohkuragumi

⑳ ドクン//ドクン// 忠義に聞こえてしまうんじゃないか ってくらい、高鳴る鼓動 『あそこ』 そう言う目線の先に見えたのは 二階建てのマンション 車を停めて外に出ると サッ//と私の手を引き歩き出す 『どうぞ』 そう言ってドアを開けられ 部屋の中へ…

2015-05-04 23:41:47
大倉組 @ohkuragumi

②① ここが忠義の部屋… 緊張を隠すように 「へぇ~、キレイにしてるね~」 変に明るく言った 部屋の中を見渡すと、あちこちに 彼女との生活の影 心が傷む… 『なに飲む?ビールでええ?』 「う、うん」 『ほい、座ったら?』 缶ビールを差し出しながら言う

2015-05-04 23:42:36
大倉組 @ohkuragumi

②② テーブルを挟み、向かい合い座った 『お疲れ~』 乾杯をした。 緊張でカラカラに渇いた喉に 冷えたビールが滲みわたる 少し疲れたせいか、たかが1本の ビールで、ホロ酔い気分になっていた 『久々に長い時間、運転したから 肩凝ったわ~』 そう言い自分の肩を揉んでいる

2015-05-04 23:42:53
大倉組 @ohkuragumi

②③ 『なぁ、マッサージしてや~』 そう言うと、うつ伏せに寝転がる 「しょうがないな~。どこ?」 そう言いながら寝転がる忠義に 近づいていく私 『肩から腰にかけて全部ね~』 そう言われて忠義に股がる 酔いのせいか躊躇なく 忠義に触れる事が出来た

2015-05-04 23:43:11
大倉組 @ohkuragumi

②④ だけど何だか恥ずかしくて 忠義に話しかける 「彼女にも、こうゆう事 してもらってるの~?」 『ん~?』 「いいのかな~?」 『なにが~?』 「彼女いるのに私、 部屋に入ったりして」 「彼女いるのに、こんな事してさ?」 捲し立てるように話しかける

2015-05-04 23:44:00
大倉組 @ohkuragumi

②⑤ どんなに話しかけても 忠義は黙ったままで… 「こんなトコ彼女に見られたらさ~ 別に変な事してる訳じゃ『なぁ… 私の言葉を遮り腕を掴むと 引っ張られ、忠義の横に倒れ込んだ 一気に近づいた距離 「ちょっと、何!?」 そう言う私の顔をジッと見る忠義

2015-05-04 23:44:18