被災地の「毛細管問題」

熊本地震では、プッシュ型の物資供給が行われたのは進歩であった。しかし次なる課題として「毛細管問題」が浮上した。これを解決することで、被災地の負担をなるべく緩和することを目指したい。
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shinshinohara @ShinShinohara

熊本地震でようやく政府も「毛細管問題」に気がついたようだ。今回はプッシュ型支援で、現地の要求を待たずに必要と思われる物資を現地に送ったまではよかった。しかし荷物の仕訳がままならず、各避難所への物資輸送が貧弱で、被災者の手元に届かない。大動脈がよくても毛細管が詰まったら意味ない。

2016-10-24 11:13:54
shinshinohara @ShinShinohara

「毛細管問題」は阪神大震災、中越地震、東日本大震災でも繰り返された。物資はあるところにはあるのだが、届くべきところに届かない。区役所等の公共施設に積まれることが多いが、お箸とお碗が全然違う場所に積まれていたり、5メートルの物資の山の下にしてしまって取り出せなかったり。

2016-10-24 11:17:32
shinshinohara @ShinShinohara

阪神大震災では、中学校の避難所に万単位のお碗が、隣の小学校では何万膳ものお箸が配られた。「これだけこんなに来たって意味ないじゃん」と両校で嘆いていたが、互いに箸と椀の存在に気がついたのは、ずっとずっと後のことだった。かなりの物資が無駄になってしまったし、使いたくても使えなかった。

2016-10-24 11:20:42
shinshinohara @ShinShinohara

戦中、物資配給でバター1kg。それ以外の食料がなく、どないせっちゅうねん、ということがよくあった。物資は「送ること」を意識しすぎると、送る側の都合に合わせてしまう。物資集積所では、お箸を千ずつ小分けにして避難所に配布するほど余裕がない。だからどこかにそのまま送ってしまう。

2016-10-24 11:24:50
shinshinohara @ShinShinohara

物資が過不足なく、すべての被災者に行き渡るようにするには、「需要の側」に力点をおく必要がある。かつ、情報の共有も大切。被災者が「これが足りない」という訴えをした情報が送る側にも被災者にも共有され、需要の重複、送る側の重複がないようにする工夫が必要だ。

2016-10-24 11:28:50
shinshinohara @ShinShinohara

東日本大震災が起きてからしばらくして生まれたシステムは素晴らしかった。地図上にピンが立ち、被災者が「この物資が足りない」と声を上げる。すると支援者側がそのピンにコメントを送り、「うちが送ります」。必要な物資の種類と量を送付できた。記録も残るし、情報も共有できたから重複なし。

2016-10-24 11:31:16
shinshinohara @ShinShinohara

需要者である被災者がきめ細かに必要な物資の種類と量を地図上にアップする。供給する支援者側は必要な種類と量の物資を丁寧に梱包し、送ることができる。被災者は箱を開けるだけで必要な物資を被災者全員に配れば良い。過不足なければ物資の管理を避難所ごとに行うことは不要になり、配れば良いだけ。

2016-10-24 11:34:39
shinshinohara @ShinShinohara

建築では日常、こうした物資管理をしている。もし家一軒分の木材を切りもせず敷地に置いたら家を立てるスペースがなくなり、家を建てられない。今では、製材所であらかじめサイズに切り、必要なタイミングで必要な資材を送るのが常識。混乱した被災地に無秩序な物資輸送は混乱に拍車をかける。

2016-10-24 11:38:35
shinshinohara @ShinShinohara

大災害が起きたら、衛星でつながるネットシステムをまず各避難所に装備したい。避難所ごとに必要な物資を地図上に表示、支援者側がそれにコメントしたら一応その件は処理できたことにして、物資の重複を避ける。需要と供給が情報を共有し、被災地に負担をかけない物資輸送が望ましい。

2016-10-24 11:41:11