黒いドボク鎮守府 朧が吼える ― 曙vs朧 ―

まも(特殊工事版) @kojimamo198X

「うう"う"…」 胸を抱きしめる。熱い！ 体がムズムズと広がっていく感触。 ガリガリと足元の道路の舗装にヒビが走る。遂に一面の舗装をバリンと粉々に破壊。私が立っていた郵便局の前、大きくなる足がポストを弾き飛ばす。 #黒いドボク鎮守府

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GUGUGU… 熱い感覚、身体が大きくなる感覚。 目の前の光景が小さくなっていく。 耐えきれず片膝を立ててしゃがみこむ。右手を道路に置こうとしたら郵便局の局舎の屋根に触れてしまい ＢＡＲＩＮ！ 押し潰してしまった。 既に焼け焦げていたから構わない。 #黒いドボク鎮守府

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だって、この曙が目の前の化け物を倒してやるんだから。 感謝しなさいよ。妖精さんたち。 あなたたちが情けないから代わりに倒してやる。 街はもっとメチャクチャになるかも知れないけどね。 #黒いドボク鎮守府

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ハアハアハア… 曙は全身から蒸気を上げながら片膝をついた姿勢からスクリと立ち上がる。 ほどけた長髪と髪飾りは光と共に元に戻りチリンと鈴が鳴った。 「駆逐艦曙。<ビッグバトルモード>これより出撃します。」 #黒いドボク鎮守府

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「アッハハハ！」 ガスタンクを抱きしめて爆発させた朧は堪らない歓びに酔いしれていた。 私は無敵だ。 私はこの街の女神だ。破壊の女神。 支配しようかなと思ったけどまどろっこしい！ 全て、全て瓦礫にしてやる。 #黒いドボク鎮守府

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ガスタンクを爆発させる前、周囲を見渡したら広がる一戸建ての住宅街に沢山の妖精さんが逃げ惑っているのが見えた。 リュックサックを背負って道路を走っていた家族連れの妖精さん、うまく逃げれたかな？それとも、こんがりジュウジュウと道路でカルビ焼肉になっちゃったかな？ #黒いドボク鎮守府

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あとね。そこそこ大きかった白亜の救急病院。あそこはこの地域で一番のヤケド治療施設があるんですよ。爆発から逃げれても閃光で大ヤケドしちゃった妖精さんたち、大勢いるんだろうな🎵 どうするんかな？どこもうめき声が溢れて、だあ～れも診てくれない。 苦しんで沈んでしまえ #黒いドボク鎮守府

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白亜の病院。 ガスタンクにしがみつく巨大な朧を見た中の妖精さん達がパニックになっている様子を想像すると思わずギュッと肩を抱きしめる。 #黒いドボク鎮守府

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朧が産み出した地表の太陽からの爆風と熱線が襲い、窓から吹き込む暴虐の焔が妖精さん達の病を癒やす場所を一瞬にして火葬炉に変えた。 あは❤ みんな真っ黒焦げ🔥 白亜の病院が半分グシャリと押し潰れ、黒い蜂の巣箱の様な姿を見て、私は胸を激しく叩いた。 #黒いドボク鎮守府

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まずは乳房を両手で包み込み揺らしながら感情を高める。 足元をどっしりと踏みしめ、胸を前に張るかのように反らし、乳房の上の固い部分を握り拳で交互に叩きながら咆哮するのだ。 これなら痛くない。 ドラミング。 憧れのキングコングさんの憧れのスタイル。 #黒いドボク鎮守府

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DOM！DOM！ 朧のドラミング。 骨が響くかのような感覚。 枯草色の髪を短いながらも振り乱し、震える二つの乳房が焦土と化した街並みの空で暴れ狂う。 胸を叩き終えた。 もう何も怖くない。 #黒いドボク鎮守府

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クレーターのように丸く焦土となった市街地。火災の煙の向こうにはまだまだ沢山の獲物が見えた。まだ壊していない港のガントリークレーンちゃんに高層ビル群の子たち。 さあ、どうやって遊ぼうか？ #黒いドボク鎮守府

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でも大爆発を引き起こしたので少し疲れたし、今日は満足かな…？ 提督はまたこの仮想演習空間"街"で遊んでもイイと言ってくれたし。 帰ろうかな。 帰りがけに鉄道を襲って…と考えていた時に邪魔者が飛び込んできた。 #黒いドボク鎮守府

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お腹に衝撃。 「おぼっろぉーーーー！！」 え？曙！？ キックにより弾き飛ばされ、道路を転がり瓦礫と煙を立てながら物流倉庫を押し潰し止まった。 「いたた…」 #黒いドボク鎮守府

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ガラガラ… 波板状の屋根を手で払いのけて立ち上がる。 腕を組み私を睨む長髪に鈴を下げた妹が瓦礫に立っていた。約35メーターの巨体で。 「朧。貴女、なに怪獣になっている気なの？曙が叩き潰してやるわ」 #黒いドボク鎮守府

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「へぇ…曙。アンタもこの街に来たんだ。凄いでしょ？これ、みんな私が壊したの」 朧は両手を左右に掲げ、どうだという顔をした。 肩を震わせる曙。 「貴女、何を仕出かしたわかってるの！？」 叫ぶ。 #黒いドボク鎮守府

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「え？」耳に手を添えらもう一度言えという仕草。 「艦娘はヒトを守るのが…！」 曙が腕を構えてワナワナと震えるのが滑稽に見えた朧は、髪の毛にいた妖精を指でつまみ上げ、彼女へ見せつけた。 #黒いドボク鎮守府

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爆発の中心に居ながら艦娘の霊的バリアに護られ、火傷も一つも負わずにいた妖精の服の背をつまみ上げ 「朧、妖精さんを守りました！」 曙へ助けを求める妖精。 何かキーキーと喋っている。 指を離す。 落下。 曙が慌てて駆け寄る寸前に…。 #黒いドボク鎮守府

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ﾊﾟﾁﾝ 墜ちる妖精を右手で掴んだ。 右手を広げて曙へ見せる。 「どう？」 ニヤニヤする姉。 「きっさまあッーーー！」 連装砲のトリガーを引いた。 人質の妖精は肉片と化していた。 こいつはもう戦友じゃない。深海棲艦より血も涙もないケダモノだ。 #黒いドボク鎮守府

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「ふん」 曙が放った防弾よりも速く駆け寄る。 ダッダダ！跳ねあがる瓦礫。 首を掴み動きを抑えた。 曙の口へ平手を押し付け 「これで貴女も共犯者」 妖精の肉片を妹の口へ押し込んだ。 「あら、曙？涙眼になっちゃた」 そのまま曙を押し倒す。 #黒いドボク鎮守府

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押し倒した曙の背中には小学校の校舎。 「んん～」ともがきながら眼を下に向けて気にする妹がかわいい。貴女の身体が学校を潰しているのよ。どんな気分？ 馬乗りになり髪を引っ張った。 #黒いドボク鎮守府

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「ほんと、うっざいわね！」 また蹴飛ばされる朧。手を封じられ足で反撃。 「あぁ…」 既に爆発で焼け焦げた校舎とはいえ、自分の身体で壊してしまった自責に駆られた曙の目に飛び込んできたモノ。 壊れた壁から覗く教室に折り重なる焼けた妖精、妖精、妖精たち。 #黒いドボク鎮守府

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思わず眼を反らす。 イヤなモノを見てしまった。早く朧を止めねばと。曙の眼の拡張現実には妖精の犠牲者数が表示され、四桁をゆうに越えて万に届く勢いでカウンターが周り続けていた。 #黒いドボク鎮守府

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私は巨大なヒロインなんだ。いま、この街を守れる最後の砦！ 魚雷を足の発射管から一本引き抜き奴にぶつけて倒してやる。 #黒いドボク鎮守府

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「へぇ…」 耳元で囁く声。 「曙、あなた変身ヒーローか何かのつ・も・り？」 背中にあたる乳房の感触。がっしりと腕をガードされた。 いつの間に？ #黒いドボク鎮守府