稲川淳二のつぶやき怪談 2016年11月24日投稿分

明治の頃のいい話風な怖い話
0
前へ 1 2 ・・ 6 次へ
稲川淳二 @Junji_Inagawa

貧乏を貧乏と思わない気質ですよ。 働き者の女の人が、 多い場所として有名なんです。

2016-11-24 22:08:42
稲川淳二 @Junji_Inagawa

その富岡八幡宮の周りで、 いろんな人で賑わっていた、 明治時代にいた人のお話なんです。

2016-11-24 22:09:16
稲川淳二 @Junji_Inagawa

話は、先代の人が5、6歳の頃、 深川不動に、お父さんと一緒に、 お参りに行った時のことなんです。

2016-11-24 22:09:51
稲川淳二 @Junji_Inagawa

当時の「お参り」というのは、 本当のところは、 「遊び」 が目的だったんです。

2016-11-24 22:10:27
稲川淳二 @Junji_Inagawa

だから、 表向きのお参りは、 すぐに終わっちゃうんですよ。

2016-11-24 22:10:57
稲川淳二 @Junji_Inagawa

当時の男は、 「お参りに行くよっ」 っていうのが口実なんですよ。

2016-11-24 22:11:26
稲川淳二 @Junji_Inagawa

それじゃ、 お参りが済んだ後はどうするのかというと、 あの辺りは、飲み屋さんが多い花街なんです。

2016-11-24 22:12:00
稲川淳二 @Junji_Inagawa

深川不動さんの周りには、 遊郭もあれば、 飲み屋もたくさんあるんです。

2016-11-24 22:12:26
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこで遊んで、 ご機嫌になって帰るのが、 目的なんですよ。

2016-11-24 22:12:51
稲川淳二 @Junji_Inagawa

だから当時はよく、 お父さんに連れられて坊やも、 一緒にお参りに行って、

2016-11-24 22:13:26
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そのまま飲み屋にも行かされてから、 帰ることが多かったんです。

2016-11-24 22:13:50
稲川淳二 @Junji_Inagawa

浅草の観音様なんかも同じですよ。 観音様の裏側って、実は遊郭があったんです。

2016-11-24 22:14:18
稲川淳二 @Junji_Inagawa

でも、江戸城からお城のお殿様に、 真正面に遊郭を見せてはいけないので、 その間に観音様を置いたそうです。

2016-11-24 22:14:43
稲川淳二 @Junji_Inagawa

その日、父親に、 「お墓参りに行くぞ」と言われて、 坊やも一緒に、お参りに行ったんです。

2016-11-24 22:15:15
稲川淳二 @Junji_Inagawa

坊やの父親は、 お酒が好きだったそうです。

2016-11-24 22:15:45
稲川淳二 @Junji_Inagawa

だからちょいっと、お参りに行った後、 お父さんはさっさと飲み屋に入って、

2016-11-24 22:16:12
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「一本頼むよ―っ」 ってな具合で、気持ちよく飲んでいたんです。

2016-11-24 22:16:42
稲川淳二 @Junji_Inagawa

時間が経ってもお父さんは、 いっこうに腰を上げないで、飲み続けていたんです。

2016-11-24 22:17:11
稲川淳二 @Junji_Inagawa

坊やも、仕方なく、 チョコンと座って、待っていたわけですよ。

2016-11-24 22:17:44
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そうして、 飲んだりつまみを食べているうちに、 空がだんだん暗くなってきた。

2016-11-24 22:18:21
稲川淳二 @Junji_Inagawa

夕方になってきているし、 暗くなってきたと思ったら、 雨がサ―ッ、と降ってきたんです。

2016-11-24 22:18:55
稲川淳二 @Junji_Inagawa

お父さん、外を見て、 「あ―っ、こりゃいけねぇなぁ」

2016-11-24 22:19:28
稲川淳二 @Junji_Inagawa

お店の人に、 「悪いけど俥屋さん、呼んでもらえねぇかい」

2016-11-24 22:19:55
稲川淳二 @Junji_Inagawa

店の人も、 「へいへい、わかりやしたぁ」

2016-11-24 22:20:16
稲川淳二 @Junji_Inagawa

呼びに行ってもらって、 やがて俥屋さんが、やってきたんです。

2016-11-24 22:20:40
前へ 1 2 ・・ 6 次へ