オークメイジ見習いと白鬚の聖者 #ぴくめす

オークの魔術師見習い、冬の期末試験 pixivのR-18企画 【pixiv牝化騎士団陵辱】 略称 ぴくめす 企画目録 http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=6313499
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帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす メイジ様は色んな姿が変幻自在。もちろん仔オークにもなれるのだ。 ギャーギャー騒ぐ弟子たちに混じって、落ち着き払った、目つきの鋭い、いかにも生意気そうなやつが一匹いたら メイジ様が化けているのかもしれないぞ。

2016-12-11 23:36:55
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす 仔オークを見守るつもりなのか、一緒に悪さがしたいのか、何かたくらみがあるのか ある日もオークメイジは小さくなって、耳をひっぱったり鼻をつねったりしているちびどものあいだに紛れ込んでいた。

2016-12-11 23:38:35
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす 弟子たちはいつにもまして興奮していた。 期末試験として、北の果てに住むという白鬚の聖者を牝化する方法を調べよと命令があったばかり 師匠の説明によると、この翁は、一年に一度、人間の子供のもとへ夜中に訪れ、吊るした靴下に贈り物を入れていくという

2016-12-11 23:41:23
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす 「つまり、このじじい、メスにして、したがわせる。おくりもの、もらいほうだい」 「おくりもの!」 「くいもの!」 「ころせるいきもの!」 「でかいぶき!」

2016-12-11 23:42:28
帽子男 @alkali_acid

「どうやってつかまえる?」 「どうする」 「どうする」 魔法を勉強していても仔オークはものを考えるのが苦手。オークメイジの期末試験は難しい。 #ぴくめす

2016-12-11 23:51:46
帽子男 @alkali_acid

「しろひげ、こどもが、すき。おくりもの、とどけにくる」 おもむろに頭巾で顔を隠した仔オークがつぶやく。 一瞬、弟子たちは一斉にそちらを振り向いて、じっと見つめてからまた騒ぎ出す。 「どうする」 「はらへった」 「なんかぶっころしたい」 #ぴくめす

2016-12-11 23:53:20
帽子男 @alkali_acid

「おれたち、にんげんのこども、ばければ、しろひげ、だませるかも」 また頭巾の仔オークがよく通る声で話す。 再び一斉に振り返るほかのちび達。だがまたしても喚き合いに戻る。 「しろひげのすみか、のりこめ!」 「そうだ!ひ、つけろ!」 「おもちゃ!ぶっこわせ!」 #ぴくめす

2016-12-11 23:55:24
帽子男 @alkali_acid

「おまえたち、ばしょ、わかってるか。きたのはて、とおいぞ」 呆れたように言葉を挟む頭巾の仔オーク。 もう誰も振り返らない。 「おとな!ききいこう!」 ぞろぞろと白髭の聖者の住む北の果てへ攻め込む相談をしにいくことに。 #ぴくめす

2016-12-11 23:57:08
帽子男 @alkali_acid

「白鬚の聖者、知ってる。つのはえたけもの、となかい、そりひいて、ほしぞら、わたる。すずのおと、きれい。しゃんしゃんて、しずかなよる。とてもこころ、おちつく」 モルグドは仔オークが血なまぐさくない話題をするので喜んで相談に応じるが 「そらとぶ?」 「うちおとす!」 #ぴくめす

2016-12-11 23:58:59
帽子男 @alkali_acid

「白鬚の聖者?知らん…いや待て。聞いたことある。オークの血で染まった真赤な服を着て、背中のでかい袋から次々ものを投げつけやつだ。恐るにたらんわ。俺が若い頃は北方まで遠征して犬ぞりに乗った戦士どもと殺りあってな」 鱗のオーク、青爬鬼ギムゾさんはこの頃とみに話が長い。 #ぴくめす

2016-12-12 00:02:22
帽子男 @alkali_acid

「ホウ、ホウホウ、ホウホウホウ」 羽毛につつまれた梟顔のオーク、暗闇オークのホウさんの話はいつも部族のもの以外にはよく分からないのだ。 みんな鳴きまねをして帰る。 #ぴくめす

2016-12-12 00:03:16
帽子男 @alkali_acid

「また来たかオークメイジの養い仔どもが!!増えやがって!俺はお前等と話すことなんか何もないわ…ふん、白鬚の聖者だと。あんなもんは人間どもの迷信に過ぎん」 これは艮の谷の頭、小柄なオークの長、ガルゴさん。オークでも指折りの切れ者だが、色々あって仔オーク達は嫌い #ぴくめす

2016-12-12 00:07:14
帽子男 @alkali_acid

「北の果てに氷でできた大地があるのは本当だが、角つきの兜をつけた人間の海賊どもでさえ押し渡るのを恐れる荒れた大洋が広がってる。船のあつかいの下手なオークでは到底たどりつけんわい」 そこまで話したところで、 うずうずしていたギマがとなりのジマの額をぺちり 「は」 「げ」 #ぴくめす

2016-12-12 00:08:24
帽子男 @alkali_acid

ジマはとなりのゼマをぺちり、ゼマはとなりの まるで伝言ゲームのように続いていく 「は」「げ」「は」「げ」 ガルゴの両目が危険な光を放つ 「今日という今日は皆殺しにしてくれるわ!!」 歓声を上げて脱兎のごとく走り去る仔オーク達 #ぴくめす

2016-12-12 00:09:46
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす 弟子たちはぐるりと、斧を研いでいる途中の白い仔オークをとりまく。 「なんで…増えた…」 「ガブ。いっしょにいこう」 「しろひげ。ころそう」 「ちがう。ひげはむしる」 「ちがう。おもちゃこわす」 「ちがう!"となかい"くう!!」

2016-12-12 00:12:12
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす ガブと呼ばれた仔オークはうんざりして視線を遊ばせ、輪に加わらずに腕組みして見つめてくる頭巾の仔オークと目を合わす。 「?お前…」 すぐに相手はうつむいてしまう。

2016-12-12 00:13:26
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす 「そんな北の果てにいけるはずない。船もない。オークメイジも船はへただ。難破して怪物に喰われかけた」 「いける!」 「ガブいこうよ!」 「ガブなんていらない!こいつよわむしだ!」 「魔法も使えないくせに!」

2016-12-12 00:14:41
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす 白子の仔オークはとりあえず生意気なことを言った魔法拳使いの見習いを睨み、顎に一発食わせて静かにさせる。 「わかった…オークナイトならなんとかなるかも」

2016-12-12 00:16:14
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす オークナイト。それは捕らえた人間の騎士やエルフ、ドワーフなどの異種族に魔法で改造を施した奴隷だ。男とも女ともつかない異形だが オークにはない驚くべき力を残しているものも多い。特に伝説の三魔龍をもとにしたオークないとは驚くべき霊威の持主だ

2016-12-12 00:17:36
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす 「オークナイト、サラマンドラ、たしかもとは空飛ぶ龍だ。こいつなら北の果てまでいけるかも。運んでくれるかも」 「こっち、いっぱい、こいついっぴき、どうする?」 「む…」 「そり!そりつくる!」 「そり?」 「そりにのって、ほしぞらわたる!」

2016-12-12 00:19:37
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす ガブはサラマンドラの人間ならぬ牝の体に、灼熱にも溶けない黒煉鉄の鋲と杭を打ち込み、 同じ素材の鎖で小舟につなぐ。痛みに、かつての竜の姿だったころはかくやという叫びを放つオークナイトだが 恐いもの知らずのメイジ見習いたちは岩陰に隠れながらもウキウキして見守る。

2016-12-12 00:22:03
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす 「できたぞ」 「「「わー!!!」」」 橇がわりの小舟に乗り込み、きらきらした目でお空を見上げる仔オーク達。 それを引く役目を負ったオークナイト・サラマンドラは、撃ち込まれた杭の穴の周りから燃え盛る液状の炎を滴らせて苦悶にあえぎ、しかし手綱がわりの鎖を引かれ従う。

2016-12-12 00:23:53
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす ガブが牙を剥きだして、鬨を放ち、鎖を鳴らすと、サラマンドラの手足をかたちづくる紅蓮の炎が四枚の翼と化して大地を焦がし、空へと舞い上がる。 赤熱の奔流は一瞬、後方の小舟を包もうとするが、すばやく馭者が手綱を引いて封じた。

2016-12-12 00:26:36
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす オークメイジの魔法が封じているとはいえ古き龍は完全に服従している訳ではない。 すきあらば主となった獣鬼どもに仕返しを試みるのだ。小舟の最後尾に座った頭巾の仔オークは喉にこもるような、沼地の水が泡立つような笑いをこぼす。 「こやつら、おもしろい」

2016-12-12 00:28:00
帽子男 @alkali_acid

#ぴくめす 鎖が涼やかに打ち鳴り、夜天の星々のあいだを燃え盛る炎の尾が一筋駆け抜けていく 寝付けずに花畑を散策していた、心優しいオーク、モルグドはふと不思議な音色に耳を止めて空を見上げ、目をこすった。 「しろひげのせいじゃ…きのせい…?ゆめ…?」

2016-12-12 00:29:35