【wlw二次創作SS】不死鳥と執念は決して滅びない

シュネーヴィッツェン参戦記念&デス・フック参戦1周年記念…というのは後付けの理由で、ワンダーランドに来る前に会ってた亡者達の物語 そして出番はほぼ無いアシェンプテルbot
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童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

デスフック「以前地獄デ妙ナ奴ガイタ…。地獄ヲ三度往復シテイタ女ダ…」 アシェ「つまり…三度死んだが三度生き返ったって事か?」 死「最初ハ肺ヲ圧迫サレ窒息死。次ニ毒ノ櫛ガ刺サリ毒死。最後ニ毒林檎ヲ食ッテ死ンダラシイ」 アシェ「ん?そいつ、私の知ってる童話の主人公かもしれん…」

2016-04-09 18:38:13

(↑半年以上前からあった呟き。ある意味、今回の話の伏線って事になる…?)

童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「グーテンアーベンド!最近来ましたシュネーヴィッツェンです!いつもメアちゃんがお世話になってます!メアちゃん、見ない間に強いお姫様になってツイッターでお話をしてたなんてビックリ。だから今回は私もちょっとしたお話を用意してきたんだ。私がここに来る前…地獄であった出来事よ」

2016-12-17 00:31:59
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

森の中にぽつんと立った家から取っ組み合いの声が聞こえる。 「な、何ですか貴方!?どうしてここが!?」 「王妃の命令だ…。覚悟しろ!」 部屋中の物をひっくり返す音。狭い室内では自慢の槍もろくに振り回せない。 少女は奮闘虚しく、突然襲いかかってきた暴漢にあっさり捕まってしまう。

2016-12-17 00:33:10
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「や、止め…!」 後ろから覆い被さる敵を追い払おうと少女は暴れるが簡単には逃げられない。首にかけられた紐を力の限り締め付けられる。 「ぎぃっ…ぐえ…!」 少女は抵抗するが、息が出来なくては力も入らない。次第に力は入らなくなり、 「…。」 シュネーヴィッツェンは息絶えた。

2016-12-17 00:34:30
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「…。」 その男はいつも地獄の入り口にいた。生前は名のある人物であり、勇猛果敢な戦士だったそうだが、今では体もとっくに腐り、そして名前すら失った。男は何者でもなかった。 何者でもない男は、何もせず、何も語らず、ずっと、ずっと、ずっと、そこにいた。 そんな時だった。

2016-12-17 00:35:06
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「…。」 地獄である男は彼女を発見した。現世から送られてきた、窒息死して殺された少女を。 特にやる事もない。少女を絞め殺した紐を腕のフックで切断してやる。 すると、 「………う、うわああああああああああ!?!?」 死んでいた少女は元気に飛び起きる。 「あ〜、死ぬかと思った〜…!」

2016-12-17 00:36:05

×「窒息死して殺された少女」
〇「首を絞め殺された少女」

童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「あー危なかった…。まさかいきなり絞め殺されそうになるなんて…。やっぱり本気でこっちを亡き者にしようって事ね。でも何とかこうして生き延びたし、まずは逃げないと…」 「…オイ」 「あっはい?何で…ひゃああああああああ!?ガイコツオバケ!!!!!!!」 「多分ダガ、オ前ハ死ンデルゾ」

2016-12-17 00:37:24
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「で、でも私こうしてピンピンして…!」 「ダガココハ地獄ダ。死ンダ者ガ堕チル墓場ダゾ」 「地獄ぅ!?まさか死神の貴方が私をここに!?」 「俺ハ死神デハナイ。野垂レ死ンダ死者ノ一人ダ。オ前ハ首ヲ絞メラレテ殺サレタヨウダゾ」 「首…!?まさかさっきので本当に死んじゃったの!?」

2016-12-17 00:39:34
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「嘘でしょ!?私まだ17歳なのに!?やりたい事たくさんあったのに!?」 「…残念ダッタナ」 「残念で済むかぁ!ねえ死神さん!出口!現世への出口教えて!」 「ヤ、止メロ!ソンナ物ハ無イ!死者ハソコカラ落チテクルダケダ!」 「じゃあ…逆から行けば現世に帰れるって事…!」

2016-12-17 00:41:00
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「無駄ダ。ソレハ即チ、生キ返ルトイウコト。誰ニモデ出来ン」 「ん…?お、何か入れる」 「…ハ?」 「入れる…!入れる!やったあああ何故か知らないけど生き返れる!ありがとう死神さん!そんじゃ!」 「エ…。オ、オイ待テ!」 少女は穴へと入っていき、そして戻ってくることはなかった。

2016-12-17 00:41:58
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「…ズットココニイタガ、コレハ初メテダ」 男は穴の方を見る。もしや自分も試せば帰れるのでは?男は考え、すぐに頭を振る。 「…馬鹿ゲテイル」 試すことすらせず、また同じ場所でただただ座っていた。 しかし暫く経つと、少女はまた地獄に落ちてきた。 今度は頭に毒針が刺さっている。

2016-12-17 00:44:54

(ちょっとややこしいけど、ここの「暫く経つと」は数日後です)

童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「…。」 少し迷ったが、男は間抜けに突き刺さった針を抜いてやる。すると前と同じように少女は飛び起きた。 「ああああああ!?体が麻痺して動かない!?いや動く!?…あ、死神さん」 「五月蝿イ奴ダ…。何故、マタ来タ」 「多分…また死んじゃった…ぽい?」 首を傾げる少女に溜息をつく男。

2016-12-17 00:46:06
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「こうしちゃいられない!一刻も早く戻らないと!じゃあね死神さん!」 「待テ!聞カセロ!オ前ハ一体何者ナノダ!何故、何度死ンデモ蘇ル!?」 「…私、不滅の不死鳥だから」 「…ハァ?」 「知ってる?フェニックス。死んでも生き返るの。じゃ!またね!」 「イヤ、モウ来ルナ…」

2016-12-17 00:48:39
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

だが数日後、やっぱり少女は地獄に落ちてきた。 「今度の死因ハ何ダ?外傷ハ無イヨウダガ。オイ、起キロ」 「…。」 「オイ!小娘!目ヲ覚マセ!」ゆさゆさ 「…。」 「気絶シタ奴ニハ背中ヲ押スノダッタナ…。活!」 「げっほげっほ!?おええっ!」 「起キタカ。何カ吐イタナ。林檎ノ欠片?」

2016-12-17 00:51:26
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「げっほ!げっほ!…あれ、死神さん?」 「マッタク…。命ガ幾ツ有ッテモ足リントハオ前ノ事ダ…」 「死神さん…!死神さん!」 「ヌゥッ!?」 「ありがとう…!ありがとう…!怖かった…!今度ばかりはもう無理かと思った…!」 「ナ、泣クナ。オ前ハ死ンデモ生キ返ルダロウガ」

2016-12-17 00:53:34
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「…ううん。今回は違うんです。今回の毒は特別製。殺せないのなら永遠に眠らせてしまえばいい。そう考えた継母は私に食べたら一生目が覚めない毒リンゴを盛ったんです…!」 「ソレデ取リ乱シテルノカ…」 「いつもと違って意識が真っ暗のままで…怖かった…!うああ…!」 「…モウ大丈夫ダ」

2016-12-17 00:55:37
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「ソロソロ落チ着イタカ?」 「っ…っ…うん。今回もありがとう死神さん。今回はちょっと怖かったけど、私頑張りますから」 「…オ前ハ何故ソウマデ立チ上ガル?幾ラ蘇ルト言ッテモ、気持チノ良イ物デハアルマイ」 「…私は為したい正義があるんです。その為なら何度でも立ち上がる」 「…若イナ」

2016-12-17 00:56:56
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「…死神さんは、為したい事とか無いんですか?」 「俺…?」 「貴方はいつも私を見て『またか』みたいな顔をしますけど、私に言わせれば貴方の髑髏顔の方が『またか』ですよ」 「何ヲ抜カス!?」 じゃあ答えてください!どうして貴方は…ずっとずっとこの入り口から動かないんですか?」

2016-12-17 00:58:58
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「ヌウ…!?」 「答えられないなら私が代わりに言いましょうか?貴方も地獄の底には行きたくない!本当は貴方も何かを為したい。でもその勇気が無いんですよ!だからこうしてどっち付かずのままダラダラしてるんです!」 「言ワセテオケバ!」 「じゃあ否定してみてくださいよ!違うって!さあ!」

2016-12-17 01:01:18
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「ググ…ヌゥ」 「その地獄の出口、思うに『生き延びる可能性のある人』だけが中に入れるんだと思うんです。だから私は何度でも現世に戻れる」 「ダトシタラ、俺ニハ無理ダ。俺ハ絶対ニ助カラン死ニ方ヲシタ。戻ッタトコロデマタ死ヌダケダ」 「そんなの戻ってみないと分からないじゃないですか!」

2016-12-17 01:03:09
童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「後先考エナイノカ貴様ハ!?」 「ほら、行きますよ。それとも戻りたくないのですか?」 「…イヤ、俺モ戻リタイ。俺ハ…アンナ場所デ死ヌ男デハナイ!」 「そう来なくちゃ。じゃあ…行きますよ死神さん。私達の為すべき事を為すために、今こそ蘇るんです!」 「ソウダナ。俺モ付キ合ッテヤル」

2016-12-17 01:06:04