奥州藤原氏・秀衡母の『如意輪講式』850年ぶりに復活

奥州藤原氏三代秀衡の母(二代基衡妻、安倍宗任娘)が主催した如意輪講式という法要。天台宗の法要や文献を元に2016年6月26日、中尊寺にて850年ぶりにその法要の再現された。
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奥州藤原氏bot @ou_fujiwara4

秀衡「そろそろ26日に行われた『如意輪講式』の様子を報告しようかのう。何度かここで言及しておるが『講式』とは、仏や高僧の徳を讃嘆する譜士(ふし)を付けた式文や法会のことで、今回催された『如意輪講式』の式文は儂の母上が延暦寺の僧、澄憲に依頼して作らせたものじゃ」

2016-06-28 22:16:56
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秀衡「澄憲が書いた式文は幸運にも京都の大覚寺に鎌倉時代後期の写本が残っておった。写真は講式の参加者に配られたパンフレットじゃが、この『如意輪講式』の字はその大覚寺写本の文字を写したもの」 pic.twitter.com/Qn02I2M1KI

2016-06-28 22:24:01
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秀衡「ちなみに大覚寺の写本奥書には、この『講式』と母上の関係がしっかり記されておる。 『本に云く、陸奥秀衡の母の請に依り、延暦寺澄憲僧都の作る所なり。或る人の云く、秀衡の母、年来この如意輪観音を教敬供養す』」

2016-06-28 22:27:18
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秀衡「『この式をいかがして書かせんと思ふところに、澄憲僧都をこれ聞て、金一馬を贖労としてこれを誂ふ。その時、澄憲、書寫山に籠り、二七日の間、精誠を致してこれを書くと云々』とな」

2016-06-28 22:32:24
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秀衡「問題はそれを唱えるための譜士じゃが、こちらは中尊寺と同じ天台宗の講式を参考に再現したそうじゃ。金色堂や浄土庭園だけではない、平泉の生きた仏教文化を再現したいという人々の想いが今回の法要に繋がったという」

2016-06-28 22:41:34
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秀衡「今回の法要は僧俗一体のものにしたいということで、一般の参加者も見学だけでなく、合間に唱えられる『伽陀』と『念仏』を詠唱することとなった。中には読経など経験無い者も多かろうが、詠唱音符集が配られ法要の前に僧侶の臨時指導を受けた」 pic.twitter.com/Kva6s0PY1w

2016-06-28 22:50:54
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秀衡「さて、『如意輪講式』は七門、つまり七部で構成されておるが、今回は時間の関係上主なる三門のみで行われた。撮影も録音も禁止ゆえお伝えできぬが残念じゃが、僧侶たちの一糸乱れぬ声明(しょうみょう)も見事ながら、一人の僧のみで行われた終盤の詠唱が力強くもっとも印象に残ったのう」

2016-06-28 22:56:41
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秀衡「写真は開始前のものじゃが、参加者は中尊寺本堂を埋めるほどであった。本尊の前にあるのは澄憲殿の肖像画。一般参加者の念仏もうまくいきなかなか盛況ぶりで、特に女人の声が目立っておったのが印象的じゃったのう」 pic.twitter.com/dCjLN0b4CW

2016-06-28 23:00:40
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秀衡「最後にこの『講式』の一文を紹介しよう。澄憲殿が依頼者が女人であることをいかに尊重して書いてくださったかがわかる一文じゃ。 『就中、観音は是れ慈悲の本なり。女人は即ち慈悲の質なり。故に和光垂迹の形、多く婦女の身を現し、利応感応の道、殊に女人の願を満つ。』」

2016-06-28 23:04:42
奥州藤原氏bot @ou_fujiwara4

秀衡「観音も女人も慈悲深く、観音は女人とよく通ずる。ゆえに観音菩薩は女人の姿で表されることが多い。観音菩薩は女人の願を満たしてくれる、と。女人は罪障深く往生成り難しとも言われるが、このような文を書いていただき母上も多くの女たちも喜んだことであろう」

2016-06-28 23:07:45