2011-03 Twitter 140字で作文(BL仕様)
昼の路地裏に彼を呼び出した。告白する決心をしたのに、僕は恥ずかしくて顔が上げられない。「月が出て輝いてる」「えっ?」ふと上げた顎を彼に掬われキスされた。「言わなくても分かるよ。瞳がキラキラしてる」優しく微笑む彼の耳元に口を寄せると、僕はずっと大切にしていた言葉を呟いた。大好き。
2011-03-01 04:31:02冬の終わり。夕方の海辺はまだ冷える。寒そうな彼に手袋を片方渡したつもりが、手を彼のポケットに奪われた。「この方が温かいだろ?」彼に覗き込まれると僕の頬が赤く染まった。「もうっ!好きにすれば」「じゃ、遠慮なく」さらに抱き寄せられると、潮風まで温かい。冬って意外に暑い季節だよね。
2011-03-02 03:25:53「赤い月!」夜のベランダで僕は感動に泣き出した。「窓に信号が反射して赤く見えるんだろ?」「本当だ。黄や緑にもなるや。珍しいと思ったのに」「俺には純粋に反応するおまえのが貴重かな」彼に引っ張られ僕はソファーに押し倒された。「よく研究しないとな」彼の言葉に今度は僕の頬が赤く染まった。
2011-03-03 03:03:36僕は新しい靴で靴擦れした。「手繋ごう。夜の遊園地なら目立たないよ」彼はゆっくり歩いてくれた。ベンチにたどり着くと彼に足を見せろと言われた。「強がるのも可愛いけど少しは俺に甘えろ」絆創膏で手当てされると気持ちまで軽くなった。「じゃ、お言葉に甘えて…」 僕は彼に寄り添うと目を閉じた。
2011-03-04 03:47:11拾った犬を洗ったら僕まで毛だらけ。深夜の浴室で途方に暮れていると彼が帰宅した。「入っていい?」「具合悪い!後にして」僕が嘘をつくと犬が鳴いた。「ぷっ、都合が悪いだろ?また手間掛かるの増えたか?」扉が開くと犬が彼に飛びついた。「おまえも可愛いぞ」裸で毛だらけの僕を見て彼は笑った。
2011-03-05 03:55:06昼の浴室で触らないと言った彼は約束を破り、僕の腰を奪った。バスタブに手をつき、窓の外を見ると月があった。「はっきり見えるもんだね」「だからいいんだよ」意味を誤解した彼が息を荒げた。「違う!月月月」「え?そんなにスキか?」「あーっ!間違ってるけどあってる!」僕は月に向かって叫んだ。
2011-03-06 04:46:42「いちゃいちゃしたい…」僕は小さく呟いた。「俺の胸に飛び込んでくる」言いながら彼は僕の上着を奪った。「寒い!」僕は彼の胸に飛び込む。「夜の公園なら、じゃれあっても恥ずかしくないだろ?」「うん。気遣いありがとう」彼は僕専属の手品師。腕前は確かだ。彼と抱き合うと僕の心が温かくなった。
2011-03-07 03:40:25「彼はもう出勤か…」目覚めて一人は寂しいものだ。朝の庭で、花を見つめ自分をなぐさめた。ふと吹いた風に愛おしい彼の匂い。「そう言えば、この花の香水を愛用してたっけ…」香りに誘われるままに振り向くと彼がいた。「有給取ったんだ。ほら採りたて」口にしたプチトマトがやけに甘く感じた。
2011-03-09 02:45:32「そんなに着込んで雲みたいにふわふわだ」「まだ冷えるから…」深夜の路地裏で僕は彼に抱きしめられた。「寒いなら俺にくっつけ。少し歩くぞ」薄着だと彼の熱を近く感じ、落ち着かないからわざと厚着しているのに、これでは逆効果だ。「うん」嬉しい誤算に、素直に頷くと僕は彼の腕を強く握った。
2011-03-10 03:35:08開館までに修理が仕事。俺は早朝のプラネタリウムの丸い屋根の上にいた。景色がいい。写メを彼に送信すると、すぐに返事がきた。『家から見える。乳首みたいw』「なにーっ!」俺が立ち上がると、またメールがきた。『立った!w 今夜よろしく』「あの馬鹿」髪を撫でた風がやけにくすぐったかった。
2011-03-11 05:02:58僕は夕方の突然の雷に驚き、ソファーから床の上に転げ落ちた。「棚からぼた餅頂き!」言うなり彼は僕に馬乗りになった。やめてと抗議した言葉ごと唇を奪われると強く抱きしめられた。「好きだ」直接耳に流し込まれる言葉に大嫌いな雷の音も無音に感じる。「苦しいよ」二人激しく愛し合い、僕は喘いだ。
2011-03-22 03:37:09@imotok 激しい雨が降っていた。つい今しがたまでは晴れていたのに。西からの陽に照らされる夕方の床の上、空の変貌の様に、さっきまで友達のはずだった2人が、今は愛し合っていた。激しく。すぐに通り過ぎる夕立の様に。雷の落ちる様な快感が、そこに落ちた。
2011-03-22 03:40:40.@sarnin さすが、さあにんさん!続き書いてコメくれた方初めてですYO!w 文章も素晴らしいわー。ありまと・らぶ。
2011-03-22 03:44:05